<吉祥寺残日録>東京に激しい雷が轟いた日、私は昔の取材メモの整理をしつつ次なる海外旅行の構想を練る #240706

今日は午後から激しい雷雨となった。

長時間にわたって雷鳴が轟き、熱帯のスコールを思わせるほどの激しい雨が降った。

結構近いところに雷が落ちたせいか、マンションのエレベーターや廊下の照明が消え、テレビも受信できなくなってしまった。

でもこの雷雨のおかげで、ここ数日の猛暑も少しおさまったようである。

ここ数日全国的に猛暑日が続いており、一昨日テレビ局の先輩たちを誘ってゴルフをした時など、猛烈な暑さで頭がクラクラしてマジで誰か倒れるんじゃないかと感じたものだ。

それを考えれば、気温を下げてくれる夕立も歓迎である。

耳をつんざくほどの豪快な雷は久しぶりだったので、怖がる妻を尻目に、私はちょっと気分がハイになって逆にやる気が起きてきたらしい。

先日整理した名刺と共に物置に眠っていた昔の取材メモを引っ張り出し、やおら整理を始めることにした。

一流の新聞記者なら、大学ノートに何十、何百冊と取材した情報を丹念に書き残しているのだろうが、三流のテレビ記者だった私の場合、会社から支給される「取材手帳」と呼ばれるメモ用紙に乱雑に断片的な情報を書き殴ってあるだけなので、時間が経過した今となってはさして役にたつ情報など書かれているわけではない。

とはいえ、取材過程で話を聞いた人の名前であるとか、わざわざ訪れた異国の地名だったりとか、記憶からは完全に消えている固有名詞をメモを見てようやく思い出すことも案外多いものなのだ。

ざっと目を通して、もう全く必要ないと思えるメモ帳は処分して、海外取材など残しておきたいものだけに絞って大雑把に年代別に整理して、食器類をキッチンに移動して空いた棚にしまった。

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こうして、若い頃に異国を駆け回った記憶が蘇るにつれ、またぞろ旅の虫が騒ぎ出した。

今年2月のカリブ旅行で、当面の目標だった100カ国踏破を達成したため、このところの円高もあって自分の中では海外旅行熱が少し冷めていたのだが、まだまだ行きたい国はたくさんある。

ゴルフの疲れを癒しながら家でゴロゴロしていたここ数日、iPadを片手に私は、ブドウの収穫が終わった10月ごろを目処にまたどこかに行きたいなあと旅行サイトを調べ始めたのである。

最初の候補となったのは、旧ソ連の構成国「コーカサス地方」だった。

黒海とカスピ海に挟まれたジョージア、アルメニア、そしてアゼルバイジャン。

いずれも私がまだ訪れたことのない未踏国だが、アルメニアとアゼルバイジャンはつい近頃も領土問題で戦火を交えたばかりで、それなりに周到な準備が必要だろう。

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もう一つの候補は、アメリカとカナダ。

11月に予定される米大統領選挙を前に、ホワイトハウスをはじめとする首都ワシントンを訪れてみたいというのがメインの目的だ。

加えて、ボストンやバージニアなど東海岸をまわりアメリカ建国の歴史を学ぶというテーマもある。

さらに、10月初旬はカナダからアメリカ北東部ニューイングランド地方の紅葉が見頃を迎えるということで、フランスが入植を進めたカナダ東部も旅してみたいと考えた。

ただ、ちょっと調べ始めると円安が私の夢を打ち砕いた。

航空券は20万円そこそこでカナダのモントリオール行きを見つけたが、ホテル代がバカ高くて1泊最低でも3万円以上、有名チェーンのホテルだと1泊8万円ぐらいが相場のようだ。

とてもじゃないが馬鹿馬鹿しくて泊まる気にならない。

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続いて検討したのが、南部アフリカ。

アフリカは私にとってもまだまだ未知の世界で、訪れた国はまだ11カ国だけだ。

私がかつて取材した南アフリカのアパルトヘイト撤廃から今年ちょうど30年になることに気づき、ヨハネスブルク行きの飛行機を調べてみると、なんとエチオピア航空が12万円ぐらいの格安航空券を販売していることを知った。

ヨハネスブルクは昔も今も世界で最も危険な街ではあるが、郊外には治安の良い美しい住宅街があることを知っているので、ここを拠点にまだ訪れたことのない周辺の国々を回ってみるのも面白いと考えていろいろ調べ始めた。

ナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、ザンビア、モザンビーク。

いずれも面積の広い人口密度の低い国々なので、交通の要衝であるヨハネスブルクを起点に飛行機で回るのがシニア向きのようだということがわかった。

アニマルウォッチングが楽しめるナショナルパーク内の高級リゾートロッジは宿泊費も高額だが、そこそこの料金で泊まれるプール付きのホテルも結構ある。

欧州列強による植民地争奪戦、奴隷貿易、度重なるクーデターや政情不安・・・アフリカには今も多くの課題が横たわっているが、政治が安定した国では急速な経済成長が見られ、世界の成長センターとしてのアフリカが今後ますます注目されることは間違いない。

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さらにチェックしたのが、バルカン半島。

パリ支局時代、何度も足を運んだボスニア戦争が起きた複雑なエリアだ。

30年ぶりにサラエボを訪れてみたいという思いと共に、近接するボスニアのモフタル、クロアチアのドブロブニク、モンテネグロのコトルといった世界的な景勝地も自分の目でいつか見たいと夢見てきた。

さらに、東欧にはまだ訪れたことのない小さな国々がいくつもあって、比較的距離の近いブルガリア、北マケドニア、コソボ、アルバニア、モンテネグロを陸路で回ることも考えたのだ。

飛行機はトルコ経由でおよそ20万円、時間はかかるがバスで移動すれば交通費はグッと節約できる。

ホテル代も高くないので、円安の時期に旅行するには良い目的地となりそうである。

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南太平洋も調べてみた。

9万円台というフィジーへの直行便を見つけ、心はかなりそちらに傾きかけた。

南太平洋の国々はとにかく飛行機代が高くて、いつもそれで断念してきた。

10万円以下での直行便というのはおそらく何かのキャンペーンだと思うが、破格の値段である。

フィジーをベースにトンガやサモア、ツバルなど滅多に行けない島国を巡る旅も魅力的だけれども、やはりそれぞれの島を結ぶフライトは値段が高く、トータルで言うとやはりそれなりの値段になってしまいそうだ。

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ついでに短期で行けるアジアの未踏国も調べてみる。

たとえば、ブータン。

バンコク発のツアーなら30万円ぐらいで行けるようだが、個人旅行はまだ受け入れておらず、費用対効果でちょっと二の足を踏む。

同じツアーならば、モンゴルの乗馬ツアーの方がリーズナブルだ。

やはりモンゴルに行くのならば、馬で草原を走りたいと思うので、航空券を合わせても20万円以下で行ける現地ツアーは魅力的である。

そうして一旦考え始めると、旅行の構想が次から次に浮上して収拾がつかなくなった。

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頭の中でさまざまな国々がぐるぐる浮かんでは消える中で、最終的にこの秋の渡航先として決めようと思ったのは、一周回って最初の「コーカサス3国」である。

決め手となったのは、10月という季節。

アフリカや南太平洋は来年2月でも良いじゃないかと思ったのだ。

そして、コーカサスへの入り口としてドバイやドーハに立ち寄るのも私には魅力だった。

ついでに未踏国のオマーンにも行けるのではないか。

調べていくと、9万円台でドバイを往復できるスリランカ航空の格安フライトも見つかった。

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コロンボ経由よりは少し割高になるけれど、思い出深いマニラを経由するフィリピン航空の便も往復12万円ぐらいである。

よし、ドバイ経由でコーカサスに行ってみよう。

とりあえず、私の心は決まった。

10月下旬、マニラ経由で初めてのドバイに入り、お隣のオマーンの首都マスカットを往復し、カスピ海に面するアゼルバイジャンの首都バクーに飛び、ジョージアとアルメニアを巡った後に、カタールのドーハ経由で東京に戻るというのが今日現在の旅程である。

もう少しコーカサスに関する情報を集め、ホテルやローカルフライトなど細部を詰めて問題がないようであれば、近いうちに順に予約を入れていくことになるだろう。

知らない土地を訪れる旅そのものはもちろん面白いが、こうして旅行の計画を立てること自体が私には楽しくて仕方がない。

さて、どんな旅になるのやら、自分自身でも予想がつかないからこそ楽しみなのである。

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