今日から8月。
我が家のトイレにかけてある歳時記カレンダーをめくる。

8月1日は、七十二候の「大雨時行(たいうときどきにふる)」。
「夕立が時々ある頃」という意味のようだが、確かにこのところ大気の不安定な状況が続いている。

都心上空に真っ暗な雲がかかっていると思っていると・・・

しばらくすると吉祥寺でも大粒の雨が降り始め・・・

激しい夕立が降り始めた。
「大雨時行(たいうときどきにふる)」、まさにそんな季節になった。
そして8月1日といえば、私たちの結婚記念日でもある。
改めて数えなおしてみないと結婚してから何年経ったのか思い出せないが、もう39年になるのだ。

妻がどこかで、ひまわりの花束を買ってきた。
白い小さな花を好む妻にしては珍しい選択である。
そう、今年の結婚記念日はいつもとは違うのだ。
明日には伯母の介護のため再び岡山に行かなければならない。
この一年の間に、岡山で暮らす4人の親たちは確実に年老いた。

しかもタイミング悪く、デルタ株に置き換わった新型コロナウイルスが全国的に急拡大している。
昨日の東京の新規感染者は4058人と初めて4000人を超え、全国では1万2000人を超えたという。
いくら重症者数がまだ過去最多になっていないからとはいえ、感染拡大がどこまで続くのか予測ができないため、私たちの岡山への移動にも気を遣わざるを得ない。
ちなみに去年のブログをチェックしてみたら、『今日の東京都の新規感染者数は472人、3日連続で過去最多を記録した』と書いてあった。
なんと去年の10倍になっているのだ。
いつもだったら、結婚記念日には妻と一緒に旅行に行くかどこかにご飯でも食べに行くところだが、まだまだそんな日常は当分戻ってきそうもない。

東京オリンピックが開かれているというのも、いつもの結婚記念日とは違う。
連日の金メダルラッシュに沸いた日本列島だが、ついに昨日、その記録がストップした。
最も期待されていた柔道の混合団体はフランスに決勝で敗れ銀メダルに終わったからだ。

個人戦では過去のオリンピックで最高の9個の金メダルを獲得した日本チームだが、フランスは強かった。
男女3人ずつ6人で争う混合団体は今大会から導入された新種目で日本は本家として最初の王者を目指したものの、最後に控えるエース大野翔平に回すことすらできず1−4の完敗だった。
勝負ごとというものには時の運がある。
今大会、日本選手は実力以上の好成績を収めてきたように感じる。
昨日の団体戦もその勢いで勝てるかと思ったがそうは行かなかった。

陸上競技も残念な結果に終わった。
あれだけ日本中の注目を集めた男子100メートルの代表争い。
史上最強の布陣で決勝進出を目指したレースだったが、代表に選ばれた3人は結局全員、準決勝にさえ進むことができなかった。
日本記録を持つ山県亮太が10秒15で予選4着。

200メートルの代表を捨てて100メートルを選んだ小池祐貴も10秒22で予選4着。

そして国内選考レースでトップとなった多田修平は10秒22で予選6着と惨敗した。
正直、サニブラウンだったらどうだっただろう、桐生の方がよかったんじゃないか、そんなことも思う。
一発勝負で結果を残すことは本当に難しいことだ。
せめて、400メートルリレーは頑張ってもらいたいと思う。

「死の組」を圧倒的な強さで突破したサッカー男子の日本代表も、昨日は格下のニュージーランド相手に大苦戦となった。
立ち上がりで遠藤航がゴール前での決定的な場面を外したことで流れがおかしくなったのか、ニュージーランドが予想外に強かったのかは不明だが、メキシコ戦やフランス戦に比べて日本チームにミスが目立ち、シュートやパスの正確性を欠いた。
というか、これまでの2戦があまりに出来過ぎだったということなのだろう。
やることなすことうまくいきすぎていただけなのだ。

延長戦でも決着がつかず、0−0のまま試合はPK戦に持ち込まれた。
しかしキーパー谷晃生の好セーブもあり、あまりドキドキしないうちに日本がPK戦で勝利。
金メダルを目指すという堂安律のビッグマウスは可能性が消滅しないまま、次の準決勝スペイン戦へと持ち越された。
強豪に大勝して格下に苦戦。
そのセオリーに従えば、ひょっとするとスペインに勝てるかもしれない。

野球の侍ジャパンも山田のホームランなどでメキシコに打ち勝ち、グループ1位通過を決めた。
ゴルフ男子では、期待の松山英樹が3日目を終わって首位と1打差の2位につけていて、今日の最終ラウンドで金メダルに挑む。
松山はオリンピック直前にコロナ感染が明らかとなり、ぶっつけ本番で東京にやってきた。

本人の努力にかかわらず、うまく行く人がいれば、思ったような結果を残せない人もいる。
当然のことだ。
それでも勝利のために全身全霊を打ち込むアスリートたちの姿を見ながら、自分の人生についていろいろと考えたり、気づかされることも多い。
そんな8月1日、いつもとは違う39回目の結婚記念日。
あと5日もすれば、もう「立秋」である。
【トイレの歳時記2021】
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