<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌻七十二候「菖蒲華(あやめはなさく)」、アヤメとショウブとカキツバタ #210627

昨日の夜、岡山から戻ってきた。

コロナのためになかなか移動できないでいる間に、季節は確実に進み、伯母の認知機能も著しく低下していた。

今年に入って農作業がほとんどできなくなっても、伯母が育てていた果樹は勝手に実をつけ命を育んでいる。

本来自然というのは、人間がいなくても自力で再生するものであり、人間がむしろ自然の営みを破壊しているのだということを感じる。

自宅に戻り、トイレに入って歳時記カレンダーを見ると、昨日が七十二候の「菖蒲華(あやめはなさく)」だったことを知る。

「アヤメの花が咲き始める頃」という意味だと書いてあるが、井の頭公園でアヤメの花を見たのは5月の初めだった。

下の写真もその頃に撮影したものだ。

なぜ、今頃「菖蒲華(あやめはなさく)」なのだろう?

そう思って調べてみると、ウェザーニュースがこんな記事を配信していた。

『七十二候「菖蒲華(あやめはなさく)」アヤメとショウブの見分け方』

アヤメとショウブとカキツバタの見分け方について、ちょっと役に立つ知識が記されていたので、引用させていただこう。

皆さんは「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉を知っていますか?
アヤメとカキツバタはよく似ていて、どちらも美しい花を咲かせることから優劣がつけにくいという意味があります。

今回はその見分け方を解説します。

1つ目のポイントは花弁の根元部分に注目です。
アヤメは網目模様、カキツバタは白い筋、ハナショウブには黄色い筋が入っています。

2つ目は生えている場所です。
アヤメは乾燥したところを好みますが、カキツバタは水の中に生えています。ハナショウブはちょうど中間で、半乾湿地でよく見かけます。

これらのポイントをおさえておくと、比較的見分けるのが簡単になります。

引用:ウェザーニュース

確かに、花弁の根元が違っている。

一度覚えたつもりでも、きっと来年には忘れているに違いないが・・・。

さらにアヤメもショウブも「菖蒲」と書くことについて、もっと複雑な事情も書かれていた。

端午の節句に飾るショウブは、先程紹介したハナショウブとは別物。花も派手ではありません。
そんなショウブは、昔アヤメと呼ばれていたそうです。つまり、この時はアヤメもショウブを指していました。

しかし、ショウブと葉はそっくりなのに、明らかに異なる花を咲かせる植物があり、これこそが現在のアヤメです。

葉がそっくりな2つの植物を区別すべく、サトイモ科の方をあやめ草、現在のアヤメを花あやめとすることにしました。
後に、花あやめの美しい花が目立つことから、アヤメというと現在のアヤメを指すようになったそうです。

サトイモ科の方がショウブを名乗り、一見解決したようにも思えますが、菖蒲の読み方は2通りのままなのでした。

引用:ウェザーニュース

「ショウブ」と「ハナショウブ」は別物で、「ショウブ」は昔「アヤメ」と呼ばれていた?

ちょっと意味がわからない説明で、ますます理解不能になってしまった。

ただ、花が咲く時期がそれぞれ異なっていて、アヤメは5月上旬、カキツバタは5月中旬、そしてハナショウブは5月中旬から6月下旬に咲くのだという。

だとすると、なぜ今の季節に「菖蒲華(あやめはなさく)」なのか、最初の疑問に舞い戻ってしまった。

さて、そんな6月の下旬。

私はコロナワクチンの1回目の接種を受けてきた。

本当は大手町まで行って自衛隊が行っている大規模接種センターに行くつもりで予約していたのだが、岡山に帰省中にかかりつけのクリニックから電話をもらい、今日の昼前に打ってもらえたのだ。

今のところ、特段の異常はない。

ワクチン接種後の副反応などはもう少し様子を見る必要があると思うので、明日のブログで私のワクチン体験を書いておくつもりだ。

そういえば、去年コロナで亡くなったコメディアンの志村けんさんの銅像が故郷である東村山に完成したそうだ。

志村さんの死が日本中に与えたショックはもうすっかり忘れ去られてしまったのか?

東京では街に人があふれ、確実にリバウンドが始まっている。

多くの高齢者がワクチンを接種したことで、果たして重症者が減るのかどうか?

今後は新規感染者数よりも重症者数の推移を見ていく必要があるだろう。

<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌻七十二候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」、カエルは鳴かずとも夏は来る #210505

【トイレの歳時記2021】

  1. 七十二候の「芹乃栄(せりすなわちさかう)」に中国と香港について考える #210106
  2. 七十二候「水泉動(すいせんうごく)」に考えるステイホームの過ごし方 #210110
  3. 七十二候の「雉始雊(きじはじめてなく)」にキジを見に井の頭自然文化園に行ってみた #210115
  4. 七十二候「款冬華(ふきのはなさく)」に「大寒」の井の頭公園を歩く #210120
  5. 七十二候「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」と初場所・初縁日 #210125
  6. 七十二候「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」に紀ノ国屋で二番目に高い卵を買う #210130
  7. 七十二候「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」に立春をさがす #210203
  8. 七十二候「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」に考える「野生のインコ」と「生物季節観測」のお話 #210208
  9. 七十二候「魚上氷(うおこおりをいずる)」、日本にもワクチンが届いた #210213
  10. 七十二候「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」、ワクチン接種も始まった #210218
  11. 七十二候「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」、霞と霧と靄の違いを調べる #210223
  12. 七十二候「草木萌動(そうもくめばえいずる)」に草木の『萌え』を探す #210228
  13. 七十二候「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」に早咲きの桜を愛でる #210305
  14. 七十二候「桃始笑(ももはじめてさく)」、梅と桜と桃の見分け方 #210310
  15. 七十二候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」、公園の花見会場は封鎖されていた #210315
  16. 七十二候「雀始巣(すずめはじめてすくう)」、やっぱり「春はセンバツから!」 #210320
  17. 七十二候「桜始開(さくらはじめてひらく)」に見回る2021年お花見事情 #210325
  18. 七十二候「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」、雨上がりの井の頭公園は極楽のようだった #210330
  19. 七十二候「玄鳥至(つばめきたる)」、伯母の家にもツバメと医者がやってきた #210404
  20. 七十二候「鴻雁北(こうがんきたへかえる)」、井の頭公園から渡り鳥が消えた #210409
  21. 七十二候「虹始見(にじはじめてあらわる)」に知る鴨長明の「ひとりを愉しむ極意」 #210414
  22. 七十二候「葭始生(あしはじめてしょうず)」、水草は生き物たちのパラダイス #210420
  23. 七十二候「霜止出苗(しもやんでなえいづる)」、岡山の伯母に「要支援1」が出た #210426
  24. 七十二候「牡丹華(ぼたんはなさく)」に「ツツジ」と「サツキ」と永井荷風を知る #210430
  25. 七十二候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」、カエルは鳴かずとも夏は来る #210505
  26. 七十二候「蚯蚓出(みみずいづる)」、三男の結婚式の行方 #210510
  27. 七十二候「竹笋生(たけのこしょうず)」、緊急事態宣言が出た岡山の竹藪を想う #210515
  28. 七十二候「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」に日本の伝統産業「養蚕」を学ぶ #210521
  29. 七十二候「紅花栄(べにばなさかう)」に観察するアジサイの花とスッポンの子ども #210526
  30. 七十二候「麦秋至(むぎのときいたる)」、カワウやカイツブリの子育てもそろそろ終盤 #210531
  31. 七十二候「螳螂生(かまきりしょうず)」に考える「共食い」という現象 #210605
  32. 七十二候「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」に三鷹「ほたるの里」で蛍狩り #210610
  33. 七十二候「梅子黄(うめのみきばむ)」、梅雨入りに梅ジャムを食す #210615
  34. 七十二候「乃東枯(なつかれくさかるる)」、夏至に家族写真を飾る #210621
  35. 七十二候「菖蒲華(あやめはなさく)」、アヤメとショウブとカキツバタ #210627

6件のコメント 追加

コメントを残す