<吉祥寺残日録>コロナの年の瀬、心に残る出来事、そして吉祥寺の大晦日 #201231

新型コロナウィルスに振り回された2020年もいよいよ大晦日。

「静かな年末年始を」との呼びかけが効果をあげたのか、帰省する人も少なくステイホームの静かな年の瀬となった。

お昼すぎにテイクアウトを買いに街に出たが、思いのほか人出は少なかった。

吉祥寺駅前もご覧の通り。

サンロード商店街もいつもに比べてかなり人通りが少ない。

さすが日本人、守るべき時にはしっかり規則に従うのだ。

今日は、「数年に一度」の寒波が日本列島に押し寄せているということで、日本海側は大雪で大変らしい。

でも、そんな時の東京は反対に快晴に恵まれて、穏やかな年越しを迎えられそうだ。

それでも1年の最後に記録しておきたい出来事はたくさんある。

昨日1日だけでもいろんなことがあった。

まずは、スピードスケートの全日本選手権。

高木美帆選手が500m、1000m、1500m、3000m、5000mの5冠を達成、前人未到の完全優勝を果たした。

短距離の女王・小平奈緒さんの悔しそうな顔がとても印象的で、誰しもが避けられない世代交代を感じさせた。

東証では大納会、日経平均の終値は2万7444円で1年と取引を終えた。

この終値はなんと、あのバブル相場のピークだった1989年以来、31年ぶりとなる高値水準だと言う。

3万8915円の史上最高値の後から株取引を始めた私は、損ばかりさせられたが、「来年には3万円」という声を聞くとなんだか夢のような気持ちになる。

世界の株式時価総額は今年15兆ドルも増えたといい、年末にはビットコインも急騰していて、この「コロナバブル」がどこまで膨らむのか、来年の注目ポイントだ。

TBSの「レコード大賞」には、「嵐」が初登場。

日本のトップアイドルとして君臨してきた「嵐」も、今日の大晦日をもって活動を休止する。

私も一時、「嵐」のメンバーにお会いする立場にいたことがあり、初対面の時からその礼儀正しい姿に驚かされた。

「SMAP」などとは違う優等生的な仲良しグループが長年芸能界のトップにいたというのもちょっと不思議な気がする。

ただ、「嵐」の前に登場した韓国の人気グループ「BTS」と比べると、歌のうまさが違う。

最初から世界マーケットを狙うK-POPと日本の芸能界、その差はさらに広がっているようにも感じた。

ちなみに昨日、元「SMAP」の草薙くんが一般女性と結婚したというニュースも流れていて、日本でもそろそろ次の国民的スーパーアイドルが必要だろう。

そんな今年のレコード大賞に選ばれたのは、LiSAさんの「炎」。

あの大ヒット中の映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌である。

私はまだ観ていないが、この映画の興行収入はついに324億円を突破、「千と千尋の神隠し」を抜いて歴代1位となった。

年末年始を経てこの記録はさらに伸びるのは確実で、「鬼滅ブーム」はコロナ禍の2020年に起きた一つの特異現象として記憶されるかもしれない。

最近レコ大を見ることもほとんどなくなっていたが、いつの間にかアニメソングがレコード大賞を取る時代になったんだと時代の流れを感じたりもした。

そんな異常なほどの「鬼滅ブーム」の中で、昨夜NHKで放送されたジブリスタジオの新作アニメを観た。

「アーヤと魔女」という1時間20分ほどの作品だが、私には「鬼滅の刃」よりもずっと面白いと感じた。

この作品は3DのCGで作られていて、宮崎駿さんが企画、監督は息子の宮崎吾朗さんが担当した。

だから、物語の展開や登場キャラクターは従来のジブリ作品のままで、映像だけが平面からデジタルの3Dに変わっている。

違和感があるかと思って見始めたが、ほとんど気にならなかった。

3Dとはいえ、表情がとても豊かでジブリの世界がしっかり守られている。

とはいえ、3Dアニメは中国でも盛んで、エンドロールにも多くの中国人スタッフが名前を連ねていた。

アニメの世界でいつまで日本が優位を保てるのか、どの世界でも競争の激しさを感じた。。

大晦日の吉祥寺に話を戻そう。

年末とは思えない人の少ない吉祥寺の街の中で、ところどころ多くの人たちが集まっている場所があった。

たとえば、「肉のさとう」。

メンチカツの行列はいつも通りだが、今日は肉を50%引きで販売していてメンチカツよりも多くの人が並んでいた。

アトレの「ロンロン市場」はもっとすごい人混みだった。

ステイホームするために、良い肉を買い求める人が店先に群がっていた。

夜はすき焼きやステーキというご家庭も多いのだろう。

魚屋もすごい混雑だった。

刺身コーナーはもちろん、今日はカニのコーナーにもかなりの人がいる。

帰省や旅行を取りやめた人たちがいつもより少し贅沢な食材を買っているのかもしれない。

我が家はといえば、28日に妻と東急百貨店のデパ地下で、2266円の数の子を買ったぐらい。

あとは妻がスーパーでちょこちょことお正月の食材を買ってきた。

今年は家族も家に来ないので、2人だけの質素なお正月だ。

その代わりというわけではないが、私はいつもの「おかしのまちおか」に行って、いつもより少し多めに駄菓子を買ってきた。

全部で1702円。

これだけあれば、お正月のおやつは万全、これが私の正月準備と言えなくもない。

無駄に高級品を買わなくても、自分が食べたいものを食べる。

身体に悪いと妻に文句を言われながらも、なるべく自分に素直に生きていこう。

2020年の大晦日に、そんなことを思っている。

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