<吉祥寺残日録>岡山帰省4日目、法務局に行って農地の正確な場所を確認する #211011

岡山に帰省してから、どうも眠りが浅いようで、何度も夜中に目が覚める。

東京にいる時に比べて考えるべきことがいろいろあるせいだろうか?

今朝も3時台から寝たり起きたりを繰り返し、結局5時半には布団から這い出した。

家や庭の片付けで出た大量の燃えるゴミを出すためだ。

ようやく空が白み始めた頃に、両手に大きなゴミ袋をぶら下げて、ゴミの集積所を何度も往復する。

人が見ていたら、いかにも怪しい行動だが、田舎なのでこの時間に道を歩いている人はいない。

それでも、多くの家ですでに電気がついているので、やはり農家の朝はとても早いのだ。

昨日の草刈りで足の裏を痛めたため、今日は草刈りはパスして妻が剪定した庭木の枝を集めたり、母の家に持っていく柿の実をとったりして比較的のんびりした朝を過ごす。

今日は日中、いくつかの用事があって岡山市内を回ることになっていた。

伯母が入院し空き家となった古民家の管理をする立場になってから、徐々に自分たちが暮らしやすいように手を入れているうちに、岡山での生活も特段不便は感じなくなっている。

今日まず最初に訪れたのは岡山の市街地にある「岡山地方法務局岡山西出張所」。

伯母の持分を含めて我が家の農地がどこからどこまでなくか、正確に把握することが目的だった。

田畑については伯母から教えてもらっているのでほぼ頭に入っているのだが、お墓だとか水路だとか山林とか、登記簿上に記載されていてもそれがどこなのかどこまでがウチの土地なのか正確には理解できないのだ。

私の父親の持分を私は相続していて、伯母が天国に旅立った後には伯母の持分も相続することになっている。

管理するためにはまず正確に知ることから始めなければならないと思ったのだ。

2階の窓口に上がり、担当者の人にどうやって自分の土地を調べればいいかを聞く。

すると、知りたい土地の地番を書いて謄本や地図を申請すれば、誰でも簡単に調べることができるという。

ただ山林については、地図をもらってもほとんど目印となる道路や川などが記載されていないケースも多い。

その場合には、法務局に備え付けられている住宅地図を閲覧することができるので、その地図を見て自分で大まかな場所を特定することになる。

妻と一緒に地図上に書かれた細かな数字を探し、30分ほどかけて謎解きを試みた。

その結果、私の父親など先祖が眠る墓所が他人様の土地の中にあることが判明した。

その土地の所有者と私の先祖との間でどのような取引があってそこにお墓を作ることになったのかは不明だが、いずれにせよ調べてみた甲斐はあったということだろう。

法務局での調査を終えて、私の母が一人暮らしをするマンションを訪ねる。

東京から買っていった最中に加えて、伯母の畑で採れたブドウと柿をお土産に持っていく。

昼食は近くのラーメン屋さんでテイクアウト、母は久しぶりにチャーハンと餃子を食べた。

今年88歳になった私の母は年の割に若々しく元気に見えるが、息子の目から見ると徐々に老化が進み同じことばかり話すようになった気がする。

ダメもとで要介護認定を申請したところ、先日「要支援1」が出た。

まだ自分は元気だと思っていた母はどうやらそれが不満らしく、「自分でできることまで誰かにやってもらうとボケが進んでしまう」と言ってヘルパーさんに買い物の手伝いをしてもらう程度のことも嫌そうにしている。

それでも、伯母のケースでは申請が遅すぎたと反省している私たちとしては、母については多少早めにスタートして、母の頭がしっかりしている間に介護サービスについて理解し自ら望む介護のあり方をできるだけ自ら選んでもらいたいと思っているのだ。

午後には、伯母が入院している病院グループが経営する「サービス付き高齢者向け住宅」を見学に行った。

「こもれびの里」という名前のこちらの「サ高住」は開所からまだ6年という新しい施設で、内部はとてもきれいだった。

「サ高住」なので通常の老人ホームほどスタッフがつきっきりで介護してくれるわけではなく、入居する部屋のインテリアも自分で用意する必要がある。

言ってみれば、高齢者向けの賃貸住宅だが、食事はすべて用意されるので自宅に戻るよりも伯母にはいい環境のように見えた。

もともと施設に入りたくなく他人に世話をしてもらうことを嫌がる伯母なので、「特別養護老人ホーム」や「グループホーム 」よりも一人で静かに過ごすことができるこの手の場所の方が幸せなのかもしれない。

もしも他の人たちとリハビリや何らかの活動をしたいと思えば、建物内にデイサービス施設もあり介護保険を使って利用することが可能だ。

自宅で利用していたヘルパーさんから引き続きサービスを受けることも可能だという。

入居者一人ひとりに合わせて、必要な介護を付け加えることができるのだ。

私たちの応対をしてくださったスタッフの方は一通りの説明が終わると建物内を案内してくれた。

どこも清潔で、老人ホーム独特の匂いがしない。

この写真は3階の共有スペースだが、光が燦々と降り注ぎとても明るい印象を受けた。

今月末に病院の担当医とオンラインで話ができることになっているので、伯母に今後どのような場所で暮らしてもらうのがいいのか、いろいろと相談してみるつもりだ。

施設の見学が終わると、すぐ近くの病院を訪ね、妻と一緒に入院中の伯母に面会する。

伯母は落ち着いた様子で「ごめんな、心配かけて」と繰り返した。

ご飯をちゃんと食べられているためか、顔色はいいようだ。

伯母には自分の畑で採れたブドウと大好物の「大手まんぢゅう」を差し入れた。

「私ももう帰りゃええんじゃけどな」と自宅に帰ることを口にしたが、その口調は強いものではなかった。

私たちに遠慮しているのか、状況がよくわかっていないのかは定かでないが、そろそろ家に帰らないといけないという気持ちは強くなっているように見えた。

そんなこんなで一日中用事をこなして家に戻ると、夕方のニュースの時間で岸田新総理が国会で各党の代表質問に答えていた。

総選挙を目の前に控えているだけに官僚が用意した答弁書を読み上げるだけの安全運転で、ほとんど面白いことは言わなかったようだ。

「成長と分配」を掲げる岸田内閣。

しかしやっぱり日本の1番の問題は、コロナなどではなく超高齢化社会とどう向き合っていくかだろうと感じる。

世界の国々の中で突出して高齢化が進んだ日本社会に活力をもたらすことは誰が総理になろうとも簡単に答えが見出せる話ではない。

そろそろ日本社会に根付いた「長生き信仰」そのものを打破する時期に来ている、私にはそんな気がして仕方がないのだ。

<吉祥寺残日録>100歳8万人時代!与野党は日本の現実を直視せよ #200915

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