震度5の地震を経験したばかりの首都圏、今日はJR東日本の主要路線が突然運休してまたまた混乱しているらしい。

お昼過ぎに埼玉県にあるJR東日本の蕨交流変電所で爆発が起きたのが原因で、山手線、京浜東北線、常磐線、高崎線などが相次いでストップした。
中でも現場付近を走る京浜東北線や高崎線は夕方になっても運休が続いていて、改めて首都圏の脆弱性を露呈した形だ。

しかしそんな首都圏の混乱をよそに、私は岡山で朝から草刈りである。
前日に刈ったところは少し歩きやすくなったものの、まだまだ畑のほんの一部。
今朝も雲ひとつない快晴で10月とは思えぬ暑い日が続いているが、朝日を浴びながら一人黙々と高さ3メートルの雑草と格闘するのはちょっと不思議な経験だ。
ただ雑草を刈っているだけの不毛な作業。
それでも、帰省してから何人かの人に会い話をするうちに、かすかにではあるが進むべき道が見えてきたようにも思う。

昨日の夕方はシルバー人材センターの人が草刈りの見積もりに来てくれた。
東京から電話で問い合わせていて、突然電話がかかってきたのだ。
軽トラックに乗って訪ねてきたのは、草刈りなどを主に担当しているチームの班長さんだという77歳のおじいさん。
しかし実に元気そうですぐに畑を見てもらった。
おじいさんの出した見積もりは1回の草刈りで2万5000円から3万円、年間3回やるとして10万円あればこの畑の管理はできるだろうとのことだった。
以前、ネットで見つけた草刈り専門業者に電話で見積もりを依頼した際には、同じ畑の広さで1回20〜30万円かかると言われたので、実に10分の1の料金ということになる。

シルバー人材センターは60歳以上でまだ働きたいという方が登録する公的な機関で、基本的に作業にかかった時間あたり1500円ぐらいという料金体系になっている。
高齢の方が多いため作業中に倒れるケースもあるそうで、決して1人では現場に行かず必ず2人以上がチームになって草刈りをするのだという。
草刈りのために年間10万円というのは決してバカにならないが、それでも東京からの交通費などを考えれば現実的な選択である。
もしも誰も畑を使う人がおらず、自分で草刈りをやるのは無理と判断した場合には、シルバーさんに依頼するという選択肢が1つ見つかった。

今日の午前中には、この地区でブドウの栽培を始めた新規就農の若者に会った。
耕作放棄地になっている伯母の畑の隣にブドウ畑を持っているという70代の女性から紹介されて会いに行ったのだ。
私の伯母が暮らしていたこの地区でも高齢化が進み、空き家も増えているという。
そして高齢のためブドウ栽培をやめる農家と新規就農希望者のマッチングも行われているのだ。
私が紹介された若者は、車で10分ほどの場所に自宅があり、サラリーマン家庭で育ったのになぜか農家になることを目指している。

すでにこの地区の農家さんからブドウ畑を借りて栽培を行っているそうだ。
賃料は固定資産税程度の安価なもので、できたブドウは全部この若者のものになるという契約だそうだが、まだ経験も浅いためブドウ栽培だけでは生活が成り立たずアルバイトを掛け持ちしながら頑張っているという。
我が家の畑も事前に見てくれたようで、ここ2〜3年きちんとした世話ができていないので畑として状態があまり良くないと判断されたようだ。
もし私が彼にお金を払えばブドウ畑の管理を行ってくれる可能性はあるが、自らその畑を借りてブドウ作りをする考えはなさそうである。
新規就農希望の若者のためにあの畑が活用できたらこれ以上ない使い道だと思ったのだが、新規就農者にとって重要なのはすぐに現金収入が得られることであり、我が家の畑にはその価値がないということがなんとなくわかった。

手つかずのブドウ畑はこんな荒れた状態だ。
この畑を再生して利用しようなどという危篤な人はなかなかそう見つかるものではない。
そんな中、今日夕方に伯母の家の近所に挨拶に行った際、思わぬ出会いがあった。
我が家の田んぼを使って米作りをしている家なのだが、お父さんも高齢化で農業ができなくなり、代わりに大阪にいた50代の次男さんが家に戻り農業を始めたというのだ。
田んぼだけでなく、仲間と共にブドウ作りも始めているという。
我が家の畑を使っていただける人を探していると伝えると、近いうちに見にきてくれることになった。
家から畑までは遠くないので、ひょっとするとひょっとするかもしれない。
次男さんはずっと高校卒業とともに上京し、大手企業でサラリーマンをしている人なので、話が通じやすく妻も私も非常に好印象を抱いた。

今日は他にもいろいろあった。
草刈りをしている最中に、刈った草の硬い切り株が地下足袋(じかたび)の底を突き抜けて足の裏に刺さってしまった。
また夜には妻が突然騒ぎ出したので何かと思ったら、土間をムカデが這っていた。
殺虫剤を大量にぶっかけて弱ったところを叩き潰したが、妻にはちょっとショックだったようだ。
それでもまあ、徐々に田舎暮らしにも馴染んできた。
最終的に畑の管理がどのようにできるかはまだ見えないが、いざとなったら自分で草刈りなり除草剤なりで対処することも可能である。
そう腹を括ってしまえば後は流れのままに・・・。
こうして数日動いただけで、新たな人との出会いが待っているのだ。
きっと何か、私にでもできることはあるだろう。
焦らず、諦めず、まずはいろんな人の知恵を借りてみるつもりだ。