🇨🇳中国/深圳 2019年6月28日
深圳ハイテク散歩、2つ目の中国企業はテンセントです。
1998年ここ深圳で創業し、20年で時価総額で中国1−2を争う巨大企業に成長しました。中国版のLINE「微信 WeChat」は日々10億人が利用し、その巨大プラットフォームの上でゲームやキャッシュレス決済など様々なビジネスを展開し一つの巨大経済圏を築き上げています。
アプリの売り上げは世界一で、世界最大のゲーム企業でもあるのだそうです。13億人の中国市場を制すると、たちまち売り上げ世界一の会社にのし上がれるのです。
そんなテンセントが2017年に新本社を建設したのが「深圳ソフトウェア産業基地」。
BATと呼ばれるバイドゥ、アリババ、テンセントを含め中国IT企業の上位50社がすべてオフィスを構えているというこの深圳の最先端エリアを見に行きました。
最寄駅は「后海站」
私の宿泊先は地下鉄1号線「竹子林駅」。

1号線からお隣の「车公庙站(車公廟駅)」で11号線に乗り換えます。
時間は午前8時すぎ、平日の朝にも関わらずさほどの混雑ではありません。

通勤時間にも関わらず、地下鉄に乗っている人たちの中に、スーツ姿の人はまったくいません。

しかも、みんな若い。
そして、みんなスマホを見ています。
深圳市民の平均年齢は30歳台だと聞いたことがありますが、おそらく本当なのでしょう。

私が降りたのは、「后海站(後海駅)」。
かなりの人がこの駅で降ります。地下鉄2号線でもこの駅に来ることができます。

テンセント本社の正確な場所はわかりませんが駅の北西方向だということで、「J」出口を出ます。

駅の周辺は立派なオフィスビルが林立しています。
でも、テンセント本社は少し離れています。
深圳ソフトウェア産業基地
とりあえず、少し西に向かって北を目指すことにしました。

この時はまったく気づいていなかったのですが、実は上の写真にテンセント本社が写っています。正面の丸みを帯びたマンションの奥すぐ右側の建物です。

まず、「海徳三道 Haide 3rd Rd」を西に進みます。
「東」「西」と方角も書いてあるのは、日本人には親切です。

街路樹もある広々とした歩道。
とても中国を歩いているとは思えません。

1ブロック進んだ交差点を今度は北へ向かいます。

今度は「文心五路 Wenxin 5th Rd」です。
こちらも緑に覆われた気持ちいい歩道です。

それでも屋台が出ていて、ちゃんと買うお客さんもいるのが中国です。

そして「濱海大道」という大通りにぶつかると、目指すテンセントの本社が眼前に現れました。
周囲を威圧する存在感があります。

テンセント本社の東側には、ガラス張りの高層ビルが並びます。
このエリアが「深圳ソフトウェア産業基地(深圳软件产业基地)」と呼ばれる官民一体となった深圳の新しい心臓部です。
2015年にオープンした際には李克強首相自ら視察に訪れ、その後次々にビル群が完成しました。
テンセント本社ビル

歩道に矢印がありました。
「騰訊大厦」というのがテンセント本社だということは知っていたので、矢印に従って歩きます。

この階段を上がるようです。

階段の上は立体交差する道路で、下を濱海大道が走っていました。
ただでさえ道幅の広い道路はさらに拡幅工事をしています。一体何車線になるのでしょう?

陸橋の方には広々とした歩道がついていて、花が飾られ掃除する人もいます。
一昔前の中国では考えられない光景。こここそが今の中国が目指している街なのでしょう。

陸橋から見上げるテンセント本社は、圧巻でした。
中国経済の勢いをそのまま体現したような建物というのが私の印象です。

50階建ての南棟と39階建ての北棟。
2本の超高層ビルを2つの渡り廊下がつなぐインパクトのあるデザインです。

陸橋を渡りきると、真正面に「Tencent 騰訊」の社名が書かれていました。
時間は金曜日の午前9時前。
これだけの巨大ビルにしては、通勤する人が少ない気がしました。
それもそのはず、テンセントは完全フレックス制を導入していて時間の拘束がないそうです。

しかも、テンセント本社ビルに入っていく人たちの格好にも驚きます。
みんな若くて、短パンTシャツも当たり前といった感じです。
これが世界最先端の企業なのかとちょっと目から鱗でした。

ビルの1階には、無造作に自動運転車が置いてありました。

あまりの無防備さなので、これは一昔前の実験車なのかもしれません。
でも、こんな車が無造作に置いてあるあたりが格好いい気がしました。
深圳湾創業広場

テンセントの本社ビルの下を抜けて反対側に回ると、「深圳湾創業広場」と書かれた看板が出ています。

ソフトウェア産業基地の中心部は「深圳湾創業広場」と呼ばれ、西のテンセントと東のバイドゥのビルの間に中国のハイテク企業やスタートアップ企業が集積したエリアです。
すぐ北側には深圳大学があります。

テンセント本社の前にあった壁画は天井をぶち破ろうとするロボット。
私たちの世代にはどうしても「鉄人28号」を思い起こさせます。

やはりテンセント本社前にあったバスケットコートでは、子供たちが練習に励んでいました。
オフィス街なのに、どこか遊びの匂いがある。
そこが優秀な若者たちを引き寄せるのでしょう。

深圳湾創業広場には18棟のビルに300社が入居していますが、単にハイテク企業が集まっているだけではありません。

特許申請を支援する弁護士事務所や、起業を支援するインキュベーター、資金面のバックアップをするベンチャーキャピタルも多数入居していて、政府主導のもと有機的につながるエコシステムができあがっているのだそうです。

深圳湾創業広場エリアを少し歩いてみました。
朝9時すぎはまだ静けさに包まれています。

小ぎれいなカフェが目につきます。
起業家が出資者にプレゼンしたり、新たな出会いを創出するミートアップの場がここには多く用意されていると言います。

でもお店はまだ賑わっていないようです。

おしゃれなパン屋さんにもお客さんがいません。

その一方で、道端で営業しているお弁当屋さんには行列ができていました。

「包子」と書かれた中華まんのお店にも行列。
やはりビルが新しくなっても、食べ慣れた食事が人を引き寄せるというのは、よく理解できます。
ちょっとホッとするような光景でした。

米中貿易戦争が激化する中で、国を挙げて新しい技術や産業の育成を急ぐ中国。
「深圳での1週間は、シリコンバレーの1ヶ月」という言葉もあるそうです。
世界最速のスピードで突き進む中国のここはまさに最前線基地なのです。