🔶「旅したい.com」から転載
<中国>新街口から夫子廟へ・・・美味しい中華料理を求め夜の南京を歩く
🇨🇳中国/南京 2017年5月 3泊4日
中国の古都・南京の夜は、過去と未来が入り乱れた不思議な魅力にあふれています。
超近代的な新街口から人気観光スポット「夫子廟(ふうしびょう)」へ、夜の南京をぶらぶら歩きながら美味しい中華料理を探してみました。
光るビル
南京の夜の街歩きはとても刺激的です。
中でも、私が一番驚いたのは意外なものでした。
これです! (※拡大してご覧ください)
光っているのは、私が宿泊したノボテルホテル周辺に林立するビル群です。
ホテルについては、「南京の宿泊はノボテルがオススメ!ホテル前のマッサージ店にも大満足」をご覧ください。
超高層ビル2棟と大型ショッピングモールの建物をキャンバスに見立て、複数のビルが連動して輝く巨大なデジタルサイネージ。日本では見たことのない光景で、遠く離れた場所からでも光るビルはとにかく目立ちます。
一体どうやって映像を映しているんでしょうか?
日本に戻って屋外広告に詳しい専門家に聞いたところ、中国では数年前から、この手の巨大デジタルアートが登場したのだといいます。
プロジェクターで映像をビルに投射する、いわゆるプロジェクションマッピングではありません。
建物の壁や窓枠にあらかじめ線状のLEDが設置してあり、そこに直接映像を流しているそうです。つまり建物全体が、超巨大なLEDパネルになっているということなのです。
新街口の地下街
この巨大デジタルサイネージ(「イルミネーションサイネージ」という言い方もあるらしい)が見られるのは、南京一の繁華街「新街口」です。
読み方は「しんじえこう」。地下鉄1号線と2号線が交差するとても便利なエリアです。

地下鉄の駅から出ると、真新しい超高層ビルに圧倒されます。

大通りの下には広い地下街になっていて、様々な店がひしめき合っています。食べ物を扱う店が多く、中国独特の食べ物の匂いが立ち込めていました。

日本に比べ自動販売機の数は少ないですが、珍しいソフトクリームの自販機が置いていました。

新街口の地下にある飲食街をのぞいてみると・・・

さすがに中国。実に雑多な食材が売られていました。

日本人の目から見るとあまり美味しそうには見えませんが・・・。
でもそこは、「動くものは全て食べる」と言われる中国人。デジタルの光に輝く超高層ビル群の下でも、変わらぬ中国の食文化が今も息づいていました。
中華料理が食べたい
この新街口で、美味しい中華料理を求めてお店を探します。
思った以上に言葉が通じないことがわかったので、ホテルのレストランなら英語が通じるに違いないと考えました。
「トリップアドバイザー」で調べた結果、新街口のロータリーにそびえる「金陵飯店」という高級ホテルにある上海料理店「梅苑」に行ってみました。

夕暮れのホテルには高級車が次々にやってきます。
残念ながら、「梅苑」は予約でいっぱいでした。よく考えたら、土曜の夜です。ただでさえ人があふれかえっている南京で、人気のレストランが予約なしで入れると思う方が間違っていました。
ホテルを諦めて、やはり「トリップアドバイザー」で事前に探しておいた「南京大牌档」という店に行ってみることにしました。こちらも新街口にあります。
地図を頼りに行ってみると・・・

世界的な高級ブランドが軒を連ねるファッションビルの中にあることがわかりました。

ビルの中に入ってみると、世界の有名ブランドが全て揃っているような超高級ショッピングモールでした。

中には、スケートリンクまであります。
日本でもこれだけの商業施設はなかなかお目にかかれません。

ただ高級ブランドばかりなので歩く人の数は少なく、レストランも空いているに違いないと、期待したのですが・・・

お目当の「南京大牌档」を探し当てると、残念ながら入口で多くの人が順番待ちをしていました。

それも半端じゃない人数が待っています。
順番もぐちゃぐちゃで、とても今から並ぶ気にはなれません。

そのお隣のお店にも、とんでもない行列が・・・。

やはり13億人の国で生きていくのは想像した以上に大変なようです。
どこに行っても、何もやってもたくさんの人がいます。ちょっと中国人の苦労を理解できた気がしました。
琉璃餐庁
結局、私が食事にありついたのは、同じショッピングモール内にある中華料理店でした。

明治時代の洋食屋のような外観であまり魅力的ではありませんでしたが、並ばずに入店できるだけでありがたい気分でした。

お店の名前は、「琉璃餐庁 RESTAURANT & CAFE」といいます。

ファミリーレストランのようなカジュアルなお店ですが、満席でした。
ただこの店が良かったのは、写真入りのメニューがあること。ただそれだけで注文がグッとやさしくなります。

注文したいメニューにチェックを入れる方式で、これなら言葉がわからなくても大丈夫です。
「いいね」マークがついていた「金陵烤鸭」(39元)を注文することにしました。
「金陵」とは南京の昔の呼び名で、日本語にすると「南京ダック」という意味になります。どんな味かはわかりません。
せっかくなので、スープと海老料理、青島ビールも注文しました。

最初に運ばれて来たのは「青島ビール」の小瓶(20元)。中国が世界に誇る国際銘柄ですが、青島ビールの起源は知りませんでした。
山東半島の青島(チンタオ)は、第一次大戦前の20年ほどの間、ドイツの租借地でした。その時期の1903年にビールの製造が始まったのです。

お目当の「金陵烤鸭」が運ばれて来ました。
前菜という扱いなのですが、これがすごい量です。北京ダックとは違い、肉は厚めで、濃いめの甘辛醤油に漬け込んであります。
ビールのおつまみにはピッタリです。

次に登場したのは「松茸老鶏湯」(18元)。松茸と鶏肉の入ったスープだと理解しました。
松茸と言ってもシメジの少し大きいようなもので、香りは特にありません。

さっぱりとしたスープで、特別美味しいというほどではないですが、さっぱりとしていて悪くはありません。

そして最後が「蒜蓉風尾虾」(58元)。
写真から海老料理であることはわかっていました。

食べてみると、エビにすりおろしたニンニクをたっぷり塗って蒸した料理のようです。下に敷いてあるのは春雨のようなもの。ソースの味がしみていて美味し買ったです。
青島ビールがなくなったので、別のビールを頼んでみました。

「雪花純生」という名前のローカルビールのようです。
色の薄いビールで、12元と青島ビールの半額ほどでした。
期待せず飲んだのですが、これが意外にうまい。名前も中国風だし、最初からこれにすれば良かったと思いました。オススメです。
ということで、流れ流れてたどり着いたお店でしたが、南京ダックとエビ料理とローカルビールに大満足の晩餐となりました。
勘定は合計149元、日本円で2688円ほどでした。

後日談ですが、私が南京を訪れた頃、中国で「H7N9型鳥インフルエンザ」により211人が死亡したというニュースを帰国後知りました。
旅行中は全然知りませんでした。
鳥を食べたからと言って感染する訳ではありませんが、200人も死んだら日本だとパニックで、街から鳥料理が消えていたでしょう。
さすが中国。おおらかというか、たくましいというか・・・。
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