左官工事に合わせて急遽計画したドライブ旅。
あらかじめ予定を立たず、次の宿泊先は前日か当日の朝に予約する行き当たりばったりの旅である。

初日だけは事前に決めてあった赤穂温泉に宿泊。
瀬戸内海を望む露天風呂を満喫した。
兵庫県の西の端、岡山との県境に位置する赤穂では、赤穂浪士たちに想いを馳せるだけでなく、弥生人、古墳人、渡来人の足跡にも触れることができた。

2泊目は、赤穂から一気に北上して、鳥取県へ。
中学時代以来となる鳥取砂丘のほか、今注目の弥生時代の遺跡「青谷上寺地遺跡」に今年完成したばかりの資料館も見学することができた。
高速道路の建設現場から発見された多数の人骨が、謎に満ちた古代史に新たな光を当てようとしていて知的好奇心を大いに刺激される。

3泊目は、日本一のラジウム温泉として知られる山陰の名湯「三朝温泉」に宿泊。
皇室のほか与謝野晶子や島崎藤村らの文人も宿泊した由緒ある旅館「依山楼 岩崎」に格安で泊まった。
普通ならば敷居が高い高級旅館も、直前予約で素泊まりならばリーズナブルに泊まれることを知る。
三朝温泉に加えて鳥取の「はわい温泉」や岡山の「奥津温泉」など以前から行ってみたかった温泉も、立ち寄りの形で体験することができ、文字通り温泉三昧の旅を楽しむ。

4泊目は、岡山県北の中核都市・津山。
桜の名所として岡山では有名な津山城に初めて上り、予想以上に立派な石垣に驚かされる。
そして、お目当てだったご当地グルメ「津山ホルモンうどん」も、発祥の店と言われる渋い「橋野食堂」でいただくことができ、漠然と行ってみたいと思っていた場所をぐるりと周り、一旦家に戻って来たのだ。

家に戻ると、このような状態だった。
古い壁の表面を剥がす作業はすでに終わっていて、気になっていた穴や隙間も塞がれていた。
ただ今時の壁紙と違って、土壁の補修はここから手間がかかるらしい。
下地を塗っては乾かすプロセスが必要で、その間、畳はあげっぱなしで私がいつも寝ている和室は使用不可なのだ。
奥の部屋に寝ることはできるにはできるが、ここはもう少し旅を続けるのもありだと考えた。

この日は空が真っ青な快晴だったこともあり、行き先は以前から一度訪れたかった香川県の直島に決めた。
宿探しに少し苦労するが、その日の夜だけたまたま1部屋空いていたプチホテルをネットで見つけ、速攻予約したのだ。
直島行きのフェリーが出る宇野港までは家から車で1時間。
宇野から直島まではフェリーでわずか20分の距離である。

アートの島として世界中から観光客がやってくる直島だが、この島の外国人比率は想像を遥かに超えていた。
ほとんど予備知識なしで行ったのが結果的にはよかったようで、建物は入るたびに非日常の不思議体験に脳が刺激され、事前に思っていたよりも遥かに面白い島だった。

直島からの戻り、母のマンションに立ち寄り、一緒に夕食を食べてから家にたどり着くと、いよいよカビどめの薬剤を塗る作業が始まるみたいで、部屋中の家具や家財道具に養生がしてあった。
工事はまだしばらく続くけれど、いつまでも畑を放ってはおけないのて、奥の部屋に寝泊まりしながら元の田舎暮らしに復帰する予定だ。
職人さんに退去を促されたり薬剤の臭いがきつくて家に寝られないようなら、現在空き家になっている妻の実家に泊まらせてもらうというオプションもある。
職人さんの方が忙しいので、こちらはそれに合わせて自分たちの居場所を考えるだけだ。

今回の旅行で新たに学んだり体験したことについては、おいおいブログにアップしていくつもりだが、書くことが多すぎてちょっと大変そうである。
でも、シニアになると、意識的に新しい体験を積んで脳を刺激することがとても大切らしいので、疲れた体に鞭打って、なるべく記憶が定かなうちに旅の記録を書いてしまいたいものだ。
それにしても、今回急に思い立って近場を回ったのだけれど、個人的にはとても有意義な旅であった。
まあ焦らずに、しっかりのんびりと書いていくつまりだ。