<吉祥寺残日録>超懐かしい青春ドラマ『俺たちの旅』の再放送を見ながら、撮影場所となった井の頭公園を毎日5キロ歩き5キロ自転車で走る #251111

日本テレビの伝説的な青春ドラマ「俺たちの旅」は、私にとって超懐かしい思い出のドラマである。

このドラマが放送されたのは1975〜76年、私が受験真っ只中の高校3年生の秋から大学生になった頃だった。

同郷の先輩である秋野大作の下宿に、大学生の中村雅俊と田中健の2人が転がり込み始まった、3人の若者による破天荒な同居生活をコミカルに描いた作品だ。

ケンカあり、オッパイありの、いかにも昭和なドラマだが、私はこのドラマに大いに触発され、大学に入って上京してからは、彼らと同じように学校には通わずバイトとサークル活動にのめり込むことになる。

今年でちょうど50周年ということで、来年新作映画が公開されるらしい。

その宣伝のため今月からBS日テレで平日昼間に「俺たちの旅」の再放送が始まったのだ。

初回でいきなり金沢碧さんのおっぱいが見られ、まだ幼い感じが残る岡田奈々ちゃんも登場、あの当時の貧しいながら自由な空気を全編から感じながら録画したドラマを懐かしく見た。

脚本は恋愛ドラマの大家となる鎌田敏夫らが担当している。

今のドラマから見れば雑で辻褄の合わないところもいろいろあるが、とにかく勢いがあり、役者たちのアドリブを活かした演出もコンプライアンス意識の希薄な大らかさを感じる。

そして重要なポイントは、このドラマの舞台となったのが今私が暮らす吉祥寺や井の頭公園だったことだ。

放送時、田舎の高校生だった私はそんなことを知るよしもなかったけれど、吉祥寺に移り住んでからそのことを知り、もう一度あのドラマを見たいとずっと思っていた。

だから再放送を見ながらも、ドラマの内容以上にこのシーンはどこの場所で撮影したのだろうとロケ場所の方が気になった。

50年前の吉祥寺は大学生となった私も時々遊びに来た街だ。

ドラマの背景に映るのは、今はコピスに変わった伊勢丹やF&Fビル、ヨドバシカメラに変わった近鉄百貨店、そして今はなき「キャバレー・ロンドン」の看板も時代を感じさせる。

「昔は良かった」などと嘆く気はさらさらないし、私の若い頃はまだまだダサかったなと再認識させられた。

あのドラマ放送から半世紀が経った。

吉祥寺の街ももちろん変わったけれど、大きな再開発が行われていないため、ドラマを見てどこで撮影されたものか大体わかるというのは変化が少ないということだろう。

メインストリートである井の頭通りを歩くと、看板に「俺たちの旅」と書かれた居酒屋もできた。

あのドラマは吉祥寺が誰もが「住みたい街」になる前の、若者文化全盛のもっと尖っていた時代の吉祥寺を記録している。

変わらないという意味では、井の頭公園は50年前とほとんど変わっていなかった。

ロケした場所をピンポイントで識別することができる。

この公園はまさに私の日常生活の場、最近ますますその傾向が強くなっている。

少し前から、歩いたり移動したりするごとにマイルをもらえる「ANAポケット」というサービスを利用しているのだけれど、この1ヶ月ほど前からこのアプリを日々の運動に活用するようになった。

このアプリには「チャレンジ」という仕組みがあり、毎朝その日の運動や行動を計画し目標とする距離を設定する。

たとえば歩く距離については、500m、1km、2km、3km、4km、5km、10kmなどと目標が設定でき、決められた広告動画を見たうえで目標の距離を歩けばポイントがもらえる。

歩く以外にも、自転車、自動車、電車、新幹線、飛行機などの移動手段があってそれぞれいくつかの目標距離が用意されている。

だから、岡山に移動する際には、歩く、自動車、電車、飛行機それぞれ目標を設定してから動き出すといった感じだ。

こうして1ヶ月毎日続けていると、月に1000マイルほどANAマイルがもらえる。

1000マイルを何かに交換する際の金額に換算すると1000円ほどなので実際には大したことはないのだが、羽田〜岡山をエコノミーで往復してもらえるのが750マイル程度だということを考えると、4万円分の航空券を購入したのに匹敵するポイントがタダでもらえるとも言えるのだから悪くはない。

そして、ある時、このアプリを毎日の運動習慣に役立てようと思い立った。

最近の目標は、一日5キロ歩いて、5キロ自転車に乗ること。

これだけで、毎日40〜50マイルを稼ぐことができる。

そして何より大事なのは、家に籠らず外に出て運動する習慣ができることだ。

だから、東京にいる時には、井の頭公園を中心に自転車で走り、西園にある400mトラックを10周歩くようになった。

その合間に、トラック脇にあるトレーニング器具を使って体を伸ばしたり、腹筋やスクワットを決めた回数だけこなしている。

おかげで今月は10日間で477マイルをすでにゲット、運動の習慣も無理なく身についてきた気がする。

そして毎日井の頭公園西園に通うようになって気づいたこともある。

400mトラックの内側にある広い芝生エリアに、平日午前10時になるとたくさんの保育園児たちが集まってきて思い思いに遊び回っているのだ。

1つの保育園ではなく、この周辺にある複数の保育園から園児たちが保母さんに連れられてやってくる。

幼な子というものは本当に自由で、先生の言うことなど聞かず、自分が行きたい方向に行き、やりたいことをやっている。

観察していると実に多様な子供たちがいて、驚くほど足の速い子もいれば、じっと座って葉っぱで遊んでいる子も。

人間は本来、このように多様な存在なんだと改めて感じる。

子供たちはみんなとても可愛くて、その自由な姿は見飽きることがない。

この保育園児たちを見るのも楽しみで、私のルーティーンは順調に続いている。

そういえば先日、井の頭公園が全国ニュースで取り上げられる事象があった。

今月8日の朝、妻が「火事だ」と言って窓の外を見るように私を促した。

言われるままに外を見ると、井の頭公園の向こう側から黒い煙が立ち上っている。

間違いなく何かが燃えている。

方向から推測するに、井の頭公園駅の近くのように見える。

家が燃えているにしては、すぐに煙がおさまったので何だったんだろうと思っていたら、お昼のテレビニュースでその火事が取り上げられていた。

あの煙の正体は、井の頭線脇で行われていた塗装工事の現場から出火、枕木などに燃え移ったため、井の頭線は14時間にわたって一部区間で不通となり交通の足に大きな影響が出たのだった。

その日の午後、私は自転車で火災があった現場を訪れてみると、工事囲いの一部が焦げ、消防士がいて、規制線が張られていた。

それはまさに井の頭公園内にある井の頭線の高架部分。

「俺たちの旅」でもたびたび撮影現場となった場所であった。

11月に入り、井の頭公園の木々もにわかに色づき始めた。

春と並んで、一年でいちばん公園が美しくなる季節である。

ジブリ美術館目当てに訪れた外国人観光客も、井の頭公園の散策を楽しんでいる。

50年前、大学生として初めてこの公園を訪れた際には大して感動することもなかったけれど、歳をとるほど、この公園の美しさが目にしみる。

今日からまた岡山暮らしだ。

今月下旬に吉祥寺に戻ってきた時、公園の紅葉もピークを迎えていることだろう。

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