🇯🇵 愛媛県/松山市 2024年5月25日~26日
松山は人口50万人、四国最大の都市である。
伊予松山藩15万石の城下町で、街の中心部にそびえる城山の上に日本三大平山城に数えられる松山城が立っている。

とはいえ、歩いて松山城に登るのはかなり大変そうで、夕方になるとロープーウェイも止まってしまうため、今回は城山の麓を散策し松山城を創建した初代藩主、加藤嘉明の像を眺めるだけで済ませることにした。
しかし、松山といえば、お城よりも真っ先にイメージされるのは、道後温泉と文学だろう。

松山の街を歩いていると、坊っちゃんやマドンナの像をいろんな場所で目にする。
小説「坊っちゃん」は、夏目漱石が愛媛県尋常中学校の英語教師として松山に赴任した時の経験をもとに書かれた。
読書嫌いだった私が子供の頃に読んだ数少ない小説の一つが「坊っちゃん」だった。

路地裏を歩いていて偶然、合気道の道場の前を通った。
道端に何やら案内板が立っていて、「秋山兄弟生誕地」と書かれている。
秋山兄弟とは、司馬遼太郎の国民的小説「坂の上の雲」の主人公で日露戦争の英雄である陸軍の秋山好古と海軍の秋山真之兄弟のことである。

好古が監督を務めた「常盤寄宿舎」と、眞之らが作った「松山同郷会」の流れを汲む青少年育英団体『常盤同郷会』がこの土地を管理し、二人が生まれ育った質素な家を再現しているのだという。
敷地内には二人の銅像が立ち、大国ロシアを打ち破った英雄たちの偉業を讃えている。

さらに松山は、夏目漱石とも秋山兄弟とも親交があった俳人・正岡子規の故郷である。
また愛媛県出身のノーベル賞作家・大江健三郎と映画監督の伊丹十三が同じ高校の同級生だったことも今回の旅で初めて知った。
なんとも文化的な香りにあふれた街なのである。

その松山では、あまり文学とは縁のない大ホテル「ANAクラウンプラザホテル」に泊まった。
街の中心にあって便利だったが、もう少し情緒のある宿を選べばよかったと多少後悔する。
ただ、初めての松山を散策する基地としては文句なく、夕食を食べにぶらりと夕暮れの街に出た。

夕食には愛媛名物の「鯛めし」を食べると決めていた。
ネットで調べて予約したのが少し寂しい路地裏にある「日本料理 若菜」。
暑くもなく寒くもない気持ちのいい夕方の空気を感じながら店まで歩く途中、「鯛めし」の看板を掲げる店があまりにも多くて多少拍子抜けしてしまった。

店内に入ると、カウンターの一番奥の席に案内された。
綺麗に整えられたカウンターとお座敷がある小さなお店、なかなかいい雰囲気だ。
迷うことなく「天然鯛飯定食」(2300円)を2つ注文する。

オーダーした後でメニューを開くと、他にもいろいろ美味そうな料理が並んでいた。
しばし、メニューと睨めっこした末に、「天然鯛白子ポン酢」(1000円)を追加する。
今夜は鯛づくしだ。

まずはお通し。
「チャンバラ貝」という珍しい貝で、高知の名物らしい。
楊枝でクルリと引っ張り出すと、硬い蓋の部分が刀の形をしているので「チャンバラ貝」の名が付いたと気さくな若い店主が教えてくれた。

続いて、白子ポン酢。
盛り付けも美しく、味の方も上品で文句なしだ。

そして、待ってました!
真打、鯛めしが目の前に置かれた。
これまた、小鉢も付いて見た目も美しい。

鯛めしは日本各地にあるが、中でも愛媛は真鯛の生産量が全国一、鯛めしこそが愛媛の郷土料理の代表格だという。
ただ、ひと口に「鯛めし」と言っても地方によって調理法が異なり、愛媛でも2種類の鯛めしが存在する。
松山や今治など瀬戸内海に面した中予・東予地方では焼いた鯛を昆布だしで炊き込んだ「松山鯛めし」、それに対して宇和島など南予地方では生卵入りのタレに漬けた鯛のお刺身をタレごと温かいごはんに掛ける「宇和島鯛めし」となる。
この店の鯛めしは、松山だけど「宇和島鯛めし」ということらしい。

崩してしまうのが勿体無いが、卵を潰して全体をかき混ぜていただく。
これは本当に美味しい。
鯛の歯応え、タレとの調和、丁寧な仕事ぶりが口の中で味わえる。
これまで愛媛にはほとんど来たことがなかったが、豊かな土地だなあと感じ入る。

小鉢も美味しくいただき、ビールも飲んで上機嫌。
いっぺんに松山が好きになった。
食べログ評価3.64、私の評価は3.70。

翌朝は、ホテルをチェックアウトして、郊外のカフェでモーニングを食べる。
「三日月とCAFE」
なかなかの人気店らしく、次々に車がやってくる。

私が選んだのは、絶品と書かれた「塩バターキャラメルのアーモンドトースト」と紅茶。
まあ期待したほどの満足度ではなかったが、ホテルの月並みな朝食よりは地元で愛される喫茶店のモーニングの方がリーズナブルだし珍しさもあるというものだ。
食べログ評価3.32、私の評価は3.30。

今回は道後温泉体験がメインの駆け足の旅だったが、いい街のようなので、いつかのんびりと松山に滞在してみたいと心から思った。
「日本料理 若菜」
電話:089-934-9111
営業時間:11:30-14:00/17:30-22:00
定休日:日曜
「三日月とCAFE」
電話:089-917-8800
営業時間:08:30 - 18:00
定休日:元日
https://www.instagram.com/mikazukitocafe/
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