孫の滞在最終日。
朝からすごくいい天気なので、最後のランチは焼き芋にしようと提案する。

ここ数日の暖かさで、桃の花も一気に開いた。
桜に比べて一つ一つの花が大きくて、近くから見るといささかグロテスクでさえある。
まだ虫が少ない時期なので、うまく受粉してくれるかちょっと心配だ。
プロの農家は人の手で人工授粉をするようだが、我が家はあくまで自然任せである。

午前9時前から焼却炉に点火し、伐採した木や剪定した枝を燃やす作業を再開する。
いくら燃やしても、妻がどんどん不要な木を切り倒すものだから、ちっとも薪の量が減らない。
1時間あまり太めの枝を中心に焼却炉に投入して、火力を確かめながらなるべく効率的に焼いていく。
そこからは、新たな薪を放り込むことをやめて、焼却炉の中の薪が燃え尽きるのを待つのだ。

焼き芋の準備を始めたのは午前11時ごろから。
妻と孫が協力して、2本の水洗いしたサツマイモに塩をこすりつける。
そのうえで、1本はそのままアルミホイルで巻き、もう1本は濡らしたキッチンペーパーでサツマイモを巻いた上からアルミホイルを巻きつける。
ネットに出ていた2種類の焼き芋の作り方を両方試してみようというわけだ。

この頃には焼却炉の中の炎は消え、いわゆる「熾火(おきび)」の状態になっている。
これでも焼却炉の中に手を入れるとかなりの熱量があり、焼き芋作りにはこのくらいの状態がいいらしい。
以前から焼却炉を使って野外調理をしてみたいと思っていたが、実際に試すのは今回が初めてである。
左側のやや大きめの芋がアルミホイルだけの奴、そして右側が湿らせたキッチンペーパーとアルミホイルの二重巻き。
灰の上に置いた状態で、まず片側を20分、ひっくり返して反対の面をさらに20分間焼く。

焼き芋が焼きあがるまでの間、孫には小型のチェーンソーを使って不要な木を切ったり、伐採した木をカットして薪にする作業をやってもらった。
最後の最後までこき使われたと、私のことを恨んだかもしれない。

40分間焼いた芋を焼却炉から取り出して、家に持ち帰って中をチェックする。
アルミホイルをダイレクトに巻いた左側の方が芋の表面にさほど変化がないのに比べ、濡れたキッチンペーパーを巻いた方は皮の部分が少しブヨブヨして柔らかくなっているのがわかる。

3つに切り分けて、それぞれ食べ比べをしてみる。
アルミホイルだけの焼き芋はホクホク、まさに昔の焼き芋に近い。
それに対して、濡れたキッチンペーパーを使った方は、スイートポテトのようなシットリとした口触りで女性が好む焼き芋に仕上がっている。
皮の塩味が効いていてどちらも美味しく焼き上がっている。
強いて言うならば、私はホクホクの焼き芋の方が好みだろうか。

焼き芋にバターを乗せて皮ごとむしゃむしゃといただく。
正直な話、焼き芋を食べるのは久しぶりで、あえて買ってまで食べようとは思わないが、焼却炉の焼き芋はそんな私でも美味しいと感じる。
秋から春にかけて客人をもてなす時、焼き芋が我が家の定番になりそうである。
不要な木を燃やして得られた熱で芋を焼く。
実にSDGsな暮らしであろうか。
次回は、灰になる前の炭を取り出して、バーベキューにもトライしてみたい。
そんな意欲が湧いてくるほど、予想外に美味しい焼き芋であった。
<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 まるでソロキャンプ!新調したステンレス焼却炉で邪魔だった伐採木を燃やしてみた #231224