今日で3月も終わり。
桜もようやくちらほら咲き始めた。
今日はまた馬鹿みたいに気温が上がり、岡山の最高気温が24度、東京などでは28度と7月上旬並みの暑さだったそうで、3月として観測史上最高の気温を記録した地点が全国で64ヶ所もあったらしい。
そんな暖かな陽気の中、私はといえば倉敷に行ってきた。
日曜日ということもありすごい人出だったが、倉敷に行ったのには理由がある。
今年高校生になる一番上の孫が、おとといから一人で岡山に遊びにきてくれたのだ。
ブログの更新が疎かになったのもそのせいもある。
今日は岡山のマンションに住む私の母と一緒にランチを食べたのだが、その際、孫ができれば倉敷をブラブラしたいと言うので、急遽倉敷まで足を伸ばすことになった。
2022年に大規模な保存修復工事が完了した江戸時代の豪商「井上家」の住宅をガイド付きで見学する。
倉敷美観地区の中でも最も古い商家の一つで、築300年の古民家を一度解体して、使える柱などの部材は出来るだけ残して江戸時代の状態を再現したものだという。
中に入って感じたのは、我が家と比べてずっと大きなお屋敷なのだが、基本的な家の造りが極めてよく似ていることだった。
玄関から奥へ土間が続き、入り口近くがお客さんのスペースで、奥が家族用の居住スペースとははっきりと区別されている。
土間の屋上が一部高くなっていて、かまどの煙がそこから排出されるようになっていた。
井上家の説明を受けているのに、ついつい我が家のことを説明してもらっているような錯覚を覚える。
井上家を見学した後は、目の前にある町家カフェ「三宅商店」でいちごパフェをいただく。
季節のフルーツをあしらったパフェはいつの間にか倉敷の名物になっていて、この店のほかにもいくつもパフェを扱うお店があって、高い奴だと2000円以上する。
それで美味しければまあ納得するのだが、今日食べたいちごパフェは、いちごが少しだけで残りの大半はアイスクリーム、これはちょっといただけないと思った。
とはいえ、成長した孫と一緒に旅行するのはなんとも楽しいイベントである。
孫がやってきたのは、29日のこと。
新幹線で東京から岡山駅まで来て、在来線に乗り換えて東岡山駅まで一人で来た。
もう15歳なのだから、そのくらい当たり前ではあるが、この日は東日本が春の嵐で東海道新幹線も乱れていたのでちょっと心配した。
でも、お昼に到着すると早速畑に連れ出した。
一輪車で焼却炉を運ばせて・・・
小型のチェーンソーを初めて使って、伐採した木を焼却炉に入る大きさにカットさせたり。
見ているとちょっとハラハラするので、私は焼却炉に薪を放り込むことに専念する。
翌日は朝から裏庭のレタスを収穫させたり・・・
クワを使って畑の土を耕してもらったり・・・
さらには妻と一緒に、耕した畝に野菜の種を蒔いたりするのも手伝ってもらった。
15歳といえば難しいお年頃だが、孫は文句も言わずに私が頼んだことをやってくれた。
ちなみに、今回蒔いたのは、ダイコン、ニンジン、春菊、大葉、オクラ、ケール、バジル、イタリアンパセリ。
そして、花のミックスシードである。
横着をして去年使った畝をそのまま再利用するので、どの程度発芽するのかわからないが、もしも何か作物が育ったら真っ先に孫に送ってやるつもりだ。
中でも一番助かったのは、キウイの棚を倒した際に出たコンクリートの柱を運ぶ作業。
お墓の近くにずっと放置していたのだが、草刈りの時に邪魔になり、人手がある時に別の畑まで運びたいと思っていたのだ。
かなりの重さがあるため、2人で前後を持って200メートルほどの距離を人力で運ぶ。
柱は20本ほどあり、何度も何度も同じ道を往復した。
最後には私もかなり息が上がってしまったが、今度高校生に上がる孫も結構疲れたようだった。
こうして午前中みっちりと慣れない農作業にこき使い、午後はプロ野球中継を見るという孫を家に残し、妻と二人で焼却作業の続きをする。
妻は根気よく斜面を覆ったつる草をハサミで切断して取り除き、荒れ放題になっていた畑は見違えるようにすっきりとしてきた。
大活躍してくれた孫も明日には東京に戻る。
若い世代が岡山の家や農地を少しでも好きになってくれれば、私たちも綺麗にする甲斐があるというものだ。
彼にどんな未来が待っているのか、やっぱり若い人と話していると希望が湧いてくる。