RBI–6000
再び外に出ると、装甲車や・・・
機雷や・・・
魚雷まで、様々な兵器がこれでもかというほど並べられている。
その中で、私が興味を持ったのがこちら。
これは一体、何だろう?
「RBI–6000」と呼ばれるロケット発射装置で、潜水艦を破壊する目的で使用されたようだ。野球のバットを太くしたような「RDC–60」というロケットを円形に配置された筒から海に向かって発射したのだろう。
それにしても、何とも現代アートっぽいフォルムである。
戦うという目的を研ぎ澄ませていくと、いろいろなタイプの兵器が開発され、戦争はどんどん人間の手から遠いものとなっていく。その究極が現段階では核兵器やハイテクシステムということなのだろうが、これらの兵器が古めかしく見えるくらいに、将来核兵器が陳腐化するようなさらに次元の違う兵器が登場することになるのだろう。
サイバー兵器やロボット、AI、さらには宇宙戦争に備えた兵器の開発も進められている。
このミサイルは、冷戦時代の後期にソ連軍が配備した長距離対艦ミサイル「P–500 バザーリト」。射程は550kmだ。
プーチンのロシア
冷戦の終結により、ロシアの軍事力はアメリカに水を開けられたとされる。しかし、近年プーチン政権は、ウクライナやシリアの内戦に介入、クリミアを併合するなど再び軍事的なプレゼンスを高めている。
Embed from Getty Images今年3月に行った年次教書演説でプーチン大統領は、「無敵」だとする一連の新型核兵器の開発を発表した。「世界中が射程に入る」とされる長距離巡航核ミサイルと、潜水艦から発射される長距離核ミサイルだ。
BBCの報道によると、潜水艦発射ミサイルは「実質的に核弾頭を載せた長距離魚雷で、ソビエト時代から開発がうわさされていた。現在では、米国のアナリストらから現実的な脅威と考えられている」という。
一方の巡航ミサイルは「非常に速い「極超音速」システムの可能性があり、これも現在のミサイル防衛システムをかいくぐれる可能性がある」とされる。
そしてBBCの報道は「中国や米国も同様のシステムの開発に取り組んでいる」と記事を結んでいる。
Embed from Getty Images人類は過去から何を学ぶのか? 過去の過ちを再び繰り返してしまうのか?
いや違う。
むしろ権力者たちは、武力の強い者が世界を制してきた人類の歴史を、「過ち」としてではなく、「真理」として捉え自らの武力に磨きをかける道を選ぼうとしているだけなのかもしれない。
そこにあるのは、哲学や叡智ではなく、自らの支持者受けを狙った国内向けの打算。
その意味で、プーチンとトランプ、2人の大統領はとても似ている。
今回訪れた軍都ウラジオストクは、想像した以上に平和そのものだった。
しかし、目の前に転がる膨大な数の旧式兵器を前に、これが単に「過去の遺物」と笑えない現実が今も私たちの前に存在することも改めて心に刻んでおきたいと思うのだ。
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