<きちたび>3泊4日ウラジオストクの旅④ 旧式兵器を観光資源にする軍事都市ウラジオのあっけらかんとした現在

東方を支配する街

ウラジオストクとはロシア語で「東方を支配する街」を意味するという。

文字通りシベリアに拡大したロシア帝国の極東における軍事拠点として19世紀に新しく作られた人工都市である。その後、ロシア極東艦隊の基地が置かれ、要塞都市として発展した。

冷戦時代には、外国人を一切受け入れない閉鎖都市として恐れられ、日本人にとっては喉元に突きつけられたソ連の刃そのものだった。多くの原子力潜水艦がここを母港とし、ソ連の核戦略の中核をなした。そのためウラジオストクの海は放射能で汚染されていると日本では伝えられていた。

私がウラジオに行ってみようと思った理由も、ソ連が誇った軍事都市を見てみたいと思ったからだ。

しかし、ウラジオの港に足を運んだ時、そんな私の抱いていたウラジオストクのイメージは一瞬で吹き飛んでしまった。

ウラジオストク港

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ウラジオストク港は、駅の隣にある。正面に見える建物が港のターミナルビルだ。

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ビルの裏側に回ると、細く切れ込んだ金角湾に作られたウラジオストク港が一望できる。

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驚いたことに、記念撮影する中国人観光客の向こうにロシアの軍艦があまりに無造作に停泊していたことだ。丸見えである。

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最初はカメラを向けていいものかどうか、ちょっとためらった。

しかし、周囲の観光客は何のためらいもなく軍艦をバックに記念撮影しているので、私も望遠レンズで撮影してみた。

機関砲、レーダー、乗組員まで、バッチリ撮れてしまう。東西冷戦時代に共産圏の取材をした者としては、これは信じられない光景だ。

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