<きちたび>カリブ海の旅2024🏝️ 祝!記念すべき我が100ヵ国目の訪問国は「セントビンセントおよびグレナディーン諸島」🇻🇨

🇻🇨 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 2024年2月8日~10日

大学時代に先輩たちと初めてインドに行ったのが私の初めての海外体験だった。

あれから46年。

ついに訪れた国の数が100ヵ国に達した。

その間、東ドイツのように消滅してしまった国もあれば、香港やマカオなど大国に取り込まれた地域もある。

こうした国や地域は含まず、現在193ある国連加盟国を基準にして訪ねた国の数を数えて100ヵ国踏破を当面の目標にして定年後の旅行の計画を立ててきた。

その記念すべき私の100ヵ国目の訪問国となったのは、日本人にはほとんど馴染みのないカリブの島国「セントビンセントおよびグレナディーン諸島」である。

私は眼前に海が広がるホテルのベランダでこの記事を書いている。

今朝は天気も良くて、空も海も青く、目の前に小さな島が浮かんでいる。

計画時には、せっかくの100ヵ国目なんだから、もう少しメジャーな国とも思ったが、これも天の采配と言うべきかもしれない。

コロナ禍で予定よりは少し時間が経ってしまったが、会社勤めを続けていたら100ヵ国踏破など容易に到達できない目標だったので、心から「隠居万歳!」と叫びたい心境で今、目の前に浮かぶ海と島を眺めている。

しかし、2日前の8日、この国に入国した時には今のような晴れやかな心境ではなかった。

というのも、セントルシアからの飛行機が到着便の遅れから出発が遅れ、何もない空港で無意な時間を過ごすところから始まったからである。

セントビンセント島の玄関口「アーガイル国際空港」に到着したのは予定よりは1時間20分遅れの午後9時20分だった。

カリブ海の旅では飛行機の遅延や欠航に遭遇することは珍しくないと聞いていたが、ここまで順調に来ていたのでちょっと油断していた。

入国審査を終えるとすぐにタクシーに乗り込み、ホテルに向かう。

空港からの道路は真っ暗でほとんど街灯もなく、ぐねぐねと曲がりくねった一本道だった。

民家の明かりもポツポツ見える程度で、バルバドスやセントルシアに比べても貧しい国というのが第一印象だった。

予約していた「マリナーズ ホテル」にたどり着いた時にはもう夜の10時だったが、事前に到着便を知らせていたのでフロントの営業時間を遅らせて待っていてくれた。

バルバドスやセントルシアで泊まったホテルに比べると、ずっと規模が小さいペンションのようなホテルに見えた。

案内されたのは離れの2階にあるお部屋。

天井が高くてリゾートっぽい扇風機が付いているものの、これまで泊まった宿に比べると明らかにチープな印象で、正直少しがっかりした。

水回りも狭くて民宿のようなグレード。

掃除はしてあるものの、記念すべき100ヵ国目の宿としては物足りないものを感じていた。

波の音がするのでベランダに出てみると、テーブルとデッキチェアが置かれていて、すぐ目の前が海だということはわかった。

でも、ポツポツと見える明かり以外真っ暗で、すぐ目の前の椰子の木に取り付けられた妙に明るい照明だけが目についた。

ちょっと宿選びを失敗した!

その時はそう後悔しながら最初の夜を過ごしたのだ。

翌朝、その悪い第一印象がガラリと変わる。

朝6時すぎ、外が少し明るくなってきたのに気づきベランダに出ると、すぐ目の前、手が届きそうな距離に島が浮かんでいたのである。

それは、全長300メートルほどの小さな島で、すぐにGoogleマップをチェックすると「ヤング島」というプライベートアイランドらしいということが分かった。

あいにく空は曇っていたが、椰子の向こうに浮かぶ小島、まさにカリブ海のイメージだった。

すっかり気分が良くなった私は朝っぱらから洗濯を済ませ、ホテルの探索に出かけた。

部屋からも見えた桟橋のようなものは、私のホテル客専用の海上デッキで、ベンチに腰掛けて海風に当たったりすることができる。

一部壁が切れていたので泳ぐこともできるのかもしれないが、私の滞在中一人も泳いでいる人は見かけなかった。

ホテルの前には申し訳程度の小さな砂浜があったが、黒い砂が混じっていた。

セントビンセント島は火山島で、セントルシア同様ビーチは少なく、あっても砂が黒いのだ。

一方、遠く沖合に見えるグレナディーン諸島は珊瑚礁でできた島であり、ビーチで楽しみたいなら断然そちらがオススメだと言う。

ちなみに「パイレーツオブカリビアン」の真っ白な砂浜のシーンは、見えているこのユニオン島で撮影された。

しかし、同じ国なのにグレナディーン諸島に気楽に行き来できる船のルートは整備されておらず、限られた日数ではそちらまで足を伸ばす気にはならなかった。

朝食は2日ともホテルに付属するレストラン「French Verandah」で、一番お得なコンチネンタルブレックファーストを食べた。

朝7時にオープンして夜まで好きな時間に食べられるので便利だ。

トーストとコーヒーだけの実にシンプルな朝食だが、ポットで提供されるコーヒーは大きめのマグカップに3杯以上入る圧巻の量だ。

初日は若いお兄ちゃんに注文したらバターが少ししかなくて足りなかったので、2日目は責任者らしき貫禄あるマダムに「ジャムない?」と聞いてみた。

すると、個包装された日本のジャムとは違い、容器にたっぷりのジャムとバターを持ってきてくれた。

これで17東カリブドル、約1000円ほどならこの物価の高いカリブ海では悪くない。

朝から甘いパンとたっぷりのコーヒー、そして目の前に浮かぶ小さな島。

2日目の朝は天気も良かったので、もう最高のリゾート気分である。

そうしてのんびりコーヒーを飲んでいると、突然虹が出ているのに気づいた。

慌ててスマホを手に外に駆け出す。

一瞬雨雲が通過したらしく、お天気雨が顔に当たった。

南国の小島にかかる虹。

まさに私の100ヵ国踏破を祝福してくれているようだ。

バルバドスやセントルシアで泊まったホテルと比べると敷地は小さいものの、よく整備された気持ちのいい庭がこのホテルにもあった。

この紫色の花は何だろう?

熱帯の植物はどれも珍しくて、葉の濃い緑と色とりどりの花が旅人の目を楽しませてくれる。

こちらが私が宿泊した離れ。

これ以上ないほど海の目の前にあるうえ、この階段を降りるとすぐにプールがあるので、最高のロケーションだった。

大型のホテルにはないプチホテルの良さだと、すっかり前夜とは真逆の高評価に変わっていた。

曇っているので外出しようと、4時間ほど留守にして戻ってくると、ホテルの周囲もすっかり晴れて見違えるほど美しい景色が広がっていた。

汗をかいた体をプールで冷やす。

泳ぐには小さいプールだが、深さがあって景色も良くて文句ない。

部屋に入ると、ベランダの向こうの海がキラキラと光輝いていた。

島はホテルの西側にあり、午後は逆光になるらしい。

この日の昼メシは街のスーパーで買ってきたカップヌードル。

ポットでお湯を沸かし、日本から持参した箸を初めて使って麺をすする。

世界に浸透した日清のカップヌードルだが、地域ごとに味付けを変えていて、セントビンセントで売られていたカップヌードルはひどく不味かった。

口直しにも同じくスーパーで買ってきたバナナを食べる。

美味い。

本当に地元で収穫されるバナナは安くてハズレがない。

カップヌードルが250円ぐらいだったから、この値段でバナナなら10本は買える計算だ。

だんだん陽がベランダに差し込んで暑くなってきたので、部屋の中に避難してエアコンをつけ天井のファンを回してみる。

扇風機は壁のスイッチではなく、紐を引っ張ると驚くほどゆっくりと回り始めた。

それはほとんど風を生まないが、のんびりした気分にはさせてくれる。

ちなみにこちらは最終日、今日の午前中に撮影した写真だ。

太陽が真上から刺すと海の色が明らかに変わる。

曇っていたり逆光だとよくわからないが、水の透明度は高く、まさにカリブの海なのである。

眼前に浮かぶヤング島は、完全なプライベートアイランドで、斜面にゆったりとバンガローが建てられている。

「ヤング アイランド リゾート」のゲストかレストランの利用者でなければ島には立ち入れない。

ネットで調べると1泊最低5万円くらいはするようだが、負け惜しみではなく、あちらから対岸を見るよりもこちらから島を眺める方が明らかに綺麗だと私は思った。

ヤング島の向こう側には、もっと小さくて切り立った小島があり、その崖のてっぺんに「Fort Duvernette」という防衛陣地があるらしい。

船で渡って225段の階段を登ればその砲台に行くことはできるらしいが、部屋のベランダが気持ちよさすぎて、もうどこにも出かける気がなくなってしまった。

夕方5時。

傾いた太陽がヤング島の上に沈もうとしていた。

まだ直射日光は暑かったが、一年中暖かいセントビンセントでも2月は1年で一番気温が低く、平均で最高気温が29度、最低気温が24度ほどと最高に凌ぎやすい気候なのだ。

完全に島の向こうに夕陽が沈むのを見届けてから、ほてった体を冷やすために私はプールに降りていった。

プールサイドや庭のテーブル、そして岸壁の手すりのところにもたくさんの人がいて、親しい友人たちと楽しそうに語らっている。

ホテルの宿泊客だけでなく、地元の人たちも夕涼みにやってきているようだ。

空の色が刻々と変わっていく。

私の最高に好きな時間だ。

爽やかな海風がそよそよと吹き抜ける。

第一印象は良くなかった「マリナーズホテル」。

結果的には大満足の素敵なホテルだった。

私はプールから上がり、水着のまま夕暮れのカリブ海を撮りにいく。

島のまわりだけが光に包まれ、上から徐々に夕闇が降りてくる。

まさに、至福の時。

確かにリゾートへの一人旅は居心地の悪さも感じるが、こうした美しい瞬間にまた立ち会いたくてやめることができない。

妻が飛行機が苦手でなければ、連れてきて同じ時間を過ごしたい、そう思った。

欧米のシニアはほぼ全員、夫婦でリゾートで過ごしている。

数組の親しい夫婦が一緒に旅する光景もごくごく普通だ。

日本では温泉宿などに行くとそうしたシニアカップルを多く見かけるが、海外に来るとめっきりその数は減る。

日本は今も個人資産世界第2位の国であり、その6割はシニアが握っているとされる。

相続税対策に熱心に取り組むのもいいけれど、自分で働いて稼いだ金を使ってもっと広い世界を見てほしいと思う。

世界に飛び出していって豊かな経済大国になった日本が内向きになった時、その繁栄は終わる。

若い人たちがもっと広い世界を見て、新しい視点を見つけられるよう、まずは時間があるシニアがどんどん海外に出かけて行って、若い人たちを羨ましいがらせることも必要だ。

私はこれからも知らない国を訪れて、このブログに記録し、家族や後輩たちに自慢してやろう。

我が100カ国目の訪問国「セントビンセントおよびグレナディーン諸島」の美しい海を眺めながら私はそんな決意を新たにした。

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