5月最後の日曜日、岡山の人気観光地である牛窓に行ってきた。
この秋、大学時代の友人たちが岡山に遊びにくる計画があって、その中にどうしたもバーベキューをしたいという奴がいるため、瀬戸内海が望めるバーベキューサイトを探して下見をしてきたのだ。

最近のグランピングブームもあって、岡山でも気軽にキャンプを楽しめるグランピングの施設が増えているようだ。
まず最初に訪れたのは牛窓の山の上にある新しい施設「TARI」。
海を望む高台に円形のテントが立っていて、宿泊も可能だ。
そして日帰りのバーベキューエリアも併設されていて、焼肉屋さんに行く手軽さでバーベキューを楽しむことができるという。

もう1箇所は、牛窓にある西脇海水浴場に面したビーチ沿いの施設「ベースビーチ」。
こちらは海水浴客向けのショップに併設する形で3つのテントが立てられた日帰り専門のグランピング施設だという。
高台に比べると見晴らしは劣るが、海が目の前だけに波の音が聞こえる。
実際に利用するかどうかも含めて全て未定だが、家族が遊びにきた際などにも利用できるかもしれない。

バーベキュー施設の下見を終えて、牛窓の街で昼食を食べて帰ることにする。
牛窓港の無料駐車場に車を停め、ネットで見つけたカフェに歩いて向かう。

住宅地の細い路地を入ったところにその店はあった。
石段の登り口に小さな看板。
この石段を上がった先にはいぼ神様小さな祠があるのだが、カフェはその祠の手前にある古民家を改装したものらしい。

石段を上がると左手に、ウッドデッキと芝生のアプローチがついた古民家がある。
ここがお目当ての「てれやカフェ」だ。
お店を開いて15年、この古民家に移ってからは5年になるという。

中に入ると壁がぶち抜かれた大空間になっていて、不揃いな家具が妙な居心地の良さを演出している。
天井の照明にはファンがついていて、心地よい音楽が心をリラックスさせてくれる。
うちの古民家もうまく改装すれば、このような素敵な空間が作れると思った。

古民家の外には三角形に張り出したウッドデッキがあり、大きな日除けシートが心地よい日陰を作っている。
海風が抜けると気持ちいいかもしれないが、瀬戸内は風のない凪のことも多いのでやはり少し暑いかもしれない。

私たちが選んだ席は、古いミシンの上に天板をのせたテーブルだった。
我が家にも伯母が使っていた古い足踏みのミシンがあって、ちょっと参考になりそうだと妻と話し合った。

ミシンに合わせたのだろう。
隣の席との仕切りには色とりどりの糸がオブジェとして飾られていた。
こんなところからも、いろんなことにこだわってお店作りをしていることが感じられる。

ランチメニューはカレーとパスタがメイン。
どれもサラダとスープ、ドリンクがセットになっているが、値段はかなり高めだ。
一番安いメニューで1480円から、いわゆるリゾート価格ということなんだろう。

妻がカレーと注文したので私はパスタの中から選ぶことにした。
どちらもサラダとスープは同じもので、すぐに運ばれてきた。
ポテトサラダは美味しかったが、スープはそれほどでもない。

メインはその名前に惹かれて「瀬戸内レモンのシーフードクリームパスタ」(1980円)を選んだ。
この店で一番高いメニューなのでそれなりのシーフードパスタを期待したが、運ばれてきたのは案外普通のクリームパスタだった。
レモンは申し訳程度に添えられているだけ、クリームソースに強いレモン味があるわけでもない。

牛窓という場所柄、シーフードに期待してしまったが、エビやイカ、アサリはどれも普通で正直ちょっとガッカリだった。
味も個人的には今ひとつで、料理単独ではとても料金に見合わないと思った。

一方、妻が注文した「エビの黒カレー」(1780円)は悪くない。
ご飯の量に比べてカレーの量が多く、黒と黄色のコントラストが美しい。
食べると最初に甘さが口の中に広がって、後から辛味がやってくる。

私も妻のお裾分けをいただいたが、私のパスタよりも圧倒的に美味かった。
ただし、「エビの」というほどエビの存在感はない。
ひょっとするとこの甘味がエビ由来なのだろうか?

食事を終えてドリンクが運ばれるタイミングで、ミシンの席からソファー席に移った。
使い古したソファーから窓の外の緑を眺める。
料理は今ひとつだったが、この家の空間は気持ちいい。

セットのドリンクとして注文したアイスコーヒーを飲みながらソファーでくつろぐ。
妻はカモミールティーを注文し、蜂蜜をたっぷり入れてご満悦だ。
このお店、やっぱり気持ちいい。

会計を済ませて出ようとした時、2階に上がる階段に気づいた。
「2階もあるんですか?」と聞くと、「とても眺めがいいので是非見ていってください」と言われた。
階段を上ると和室に座卓が3つ置かれていた。

窓の外には牛窓の街並みと瀬戸内海が見える。
まるで親戚の家に来たような部屋でゴロリと床に寝っ転がりたくなった。
牛窓の路地裏にある古民家カフェ。
メニューの選択さえ誤らなければ、悪くないと思う。
食べログ評価3.30、私の評価は3.40。
「てれやカフェ」 電話:0869-34-5397 営業時間:10:00~18:00 定休日:木曜 https://www.tereyacafe.com/
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