岡山から帰ってきても雑草のことが気になって仕方がない。

井の頭公園を散歩していても、思わず雑草に目がいってしまうのだ。
都会のオアシスと呼ばれる井の頭公園を歩きながら雑草を気にしているのは、私と管理事務所の人ぐらいではないだろうか?
井の頭池の北側に広がる「ハンノキ」エリア」では背の高い草がそのままにされているが、他のエリアでは次々に下草が刈られていて、夏の終わりを印象づける。

葦島に生い茂っていた「ヨシ」もほとんど刈り取られ、残っているのは「ガマ」ばかりだ。
自然に触れたくて公園を訪れても、そこで目にする自然はあくまで人間によって選別され管理された「自然」であることがこの一年の観察でよく分かった。

それでも都会人にとっては、貴重な自然である。
ビルの街から逃れて公園のベンチに座っていると、不思議と心な整っていくのを感じる。
枯れ草はすぐに排除され、害虫も定期的に駆除されるため、人間にとっては邪魔者があらかじめ取り除かれた気持ちの良い「自然」に映るのだろう。

しばらく来ない間に、「ひょうたん橋」近くのソメイヨシノはすでにほとんどの葉を散らしていた。
桜の木というのは、他の樹木よりも一足早く落葉するという事実に今更ながらに気づく。

井の頭線のガード下を潜って神田川沿いを歩くと、「ケヤキ」並木が少し茶色っぽく変化していた。
もう9月も残りわずか。
秋分を過ぎて、秋本番である。

とはいえ、「イチョウ」の葉っぱはまだ緑のまま。

「イロハモミジ」の紅葉もまだまだ先の話である。

いつものように、「ジブリ美術館」前に広がる花壇まで来ると通行止めの黄色いテープが貼られていた。
この先に「オオスズメバチ」の巣があると書かれている。
「これは本物の自然だ」、と思った。
美しく気持ち良いものばかりではなく、人間に不都合な者たちもいっぱい共存しているのが本当の自然なのだ。

そして私の思考は再び、岡山の畑を覆い尽くした雑草に戻る。
私一人であれだけの雑草と戦っていけるだろうか?
誰かに手伝ってもらった方が現実的なのではないかと思い、昨日ネットで見つけた岡山県の「草刈り本舗」に電話をかけてみた。
とりあえず至急草刈りをしなければならない畑の広さは2000平方メートルほどある。

とりあえず現地を見てもらって見積もりをお願いしたいと告げると、思いもかけない答えが返ってきた。
10月末まですでに予約でいっぱいで、作業をするとしても早くて11月の第3週になるというのだ。
「えっ? そんなに草刈りのニーズがあるんだ」
見積もりもGoogleマップを見てざっくり出す程度しかできないという。
「ちなみに2000平米ほどの畑の草刈りだと、おいくらぐらいです?」と聞いてみた。
すると、びっくりするような金額が提示された。
畑の状況によって一概には言えないが、その畑ひとつを草刈りするだけで8万円、除草剤を散布してもらうとさらに8万円は必要だという。
この作業が年に3回は必要らしいので、業者さんにお願いすると年間で50万円も草刈りにかかることになる。
しかも、これは畑1つの値段であり、他にも草刈りをしなければならない畑がいくつもあるのだ。
畑全体に防草シートを張って5〜10年間にわたって雑草を防ぐという方法もあるが、これをお願いするとこの畑1つで200万円はすると言われた。
雑草対策というのはこんなにお金がかかるものなのか?
おまけに電話で話したお兄さんは、今はとても手が回らないという口調で、「草刈り110番というサイトがあるのでそちらの方が早いと思いますよ」と教えてくれた。

キャイ〜ンがイメージキャラクターを務める「草刈り110番」は、草刈りを頼みたい人と請け負う人をつなぐマッチングサービスらしく、この業界ではナンバーワンのシェアを誇るという。
料金体系がはっきりしていて、1平米が180円から。
つまり2000平米の畑をお願いした場合、草刈りだけで36万円以上、除草剤散布は含まれない料金である。
先ほどの「草刈り本舗」よりもずっと高い。
おそらくマッチングサイトを運営する企業の取り分がかなり乗っかっているのだろう。

その話を妻に伝えると、「シルバーさんは?」といい提案をしてくれた。
「シルバーさん」というのは、伯母も利用していた公的なサービス「シルバー人材センター」から派遣される働く高齢者のことだ。
伯母の畑がある地区のセンターに電話をしてみると、確かに草刈りを請け負う人がいるという。
料金は1時間単位で、草刈機の作業は1555円、除草剤散布は1386円らしい。
民間業者に比べてやはり安い気がするが、こちらも10月まではすでに予約でいっぱいだという。
そんなに草刈りを依頼する人が多いのか?
とりあえず10月に帰省するタイミングで現地を見て見積もりをしてもらうことをお願いした。

伯母から相続するのはいいが、市街化調整区域にあるこの畑は売りたくても簡単に売ることはできない。
農業を営んで収入を得なければただただ管理のための費用が出ていくばかりである。
全国各地に耕作放棄地が増える理由がよく理解できた。
しかし、伯母が一人で長年守ってきてくれた農地。
これを放置して近隣から苦情が寄せられたのでは、これまでの伯母の努力を台無しにしてしまう。
とりあえず来月再び帰省して頑張って草刈りをする以外に方法はなさそうだ。
どのくらい大変か自分で体験したうえで、来年以降の計画をしっかり立てようと思う。
大阪に住んでいる次男に手伝いを頼んでみよう、そんなことを考えている。
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