2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
1月の第3弾は、今月私が見分けられるようになった井の頭公園にある大きな樹木について・・・。
どちらも有名な木ばかり、超初心者コースだ。
「ケヤキ(欅)」

私がいつも運動に通う「西園」と呼ばれるエリアには、400mトラックの東側に大きな樹木が並んでいる。
大きく枝を広げた姿が美しく、何という木だろうといつも眺めていたのだが、名札などが付いていないので今までわからなかった。
ところが、冬になって葉っぱが落ちた後、この樹木の変化に気づいた。

樹皮が丸く剥がれだしたのだ。

比較的ツルッとした表皮が少しずつ剥がれ落ちていくその様子から、この樹木の名前が判明した。
「ケヤキ」だった。
ケヤキなら三鷹に住んでいた頃、近くの道路沿いに大木が何本も並んでいた。
でも、三鷹のケヤキは下枝が刈られてスラッとした巨木で、井の頭公園のトラック周辺に植えられた大木とはだいぶ印象が違う。

この木がケヤキだとわかったのは、井の頭池の周辺で似たような樹皮が剥がれた樹木を見つけたためだ。
その木には、「けやき」という名札が添えられていた。
枝をほうき状に広げる姿が特徴で、『材は良質で腐りにくいことから高級な建築材に利用され、家具や太鼓の胴やうす、おわん、ゲタの歯などに利用される』と書かれていた。

よく見れば、井の頭池の北側の遊歩道沿いにはずらりとケヤキが植えられていた。

さらに、井の頭公園の名所のひとつ「野外ステージ」の目の前に立つシンボルツリーも、ケヤキだった。
一度ケヤキを見分けられるようになると、公園のあちらこちらにケヤキがあることが目につくようになる。
そういうものだ。
知らなければそのまま素通りするものでも、一度名前を覚えてしまうと妙に気になってくる。
「ケヤキ」 分類:ニレ科ケヤキ属 特徴:落葉広葉樹・高木 花が咲く時期:4〜5月 実がなる時期:9〜11月
井の頭公園の「ケヤキ」はここ!

「クスノキ(楠)」

井の頭公園の北端、マンション群の目の前に「クスノキ」の名札を見つけた。
ちょうど今、大河ドラマの再放送で「太平記」を毎週欠かさず見ているため、武田鉄矢演じる名将・楠木正成のことをすぐに思い出し、妙な親しみを覚える。

高さはどのくらいあるだろう?
見上げるばかりの大木である。
公園の樹木の多くが葉を落としている中で、広葉樹の葉っぱが冬も残るのは珍しい。

クスノキの樹皮は亀甲のような特徴があり、他の樹木とは一味違う。
この樹木は強い樹脂系の香りを放ち、虫を寄せ付けない。
そのため昔からクスノキの精油から作った「樟脳(しょうのう)」は虫除けのほか、痒み止めやリップクリームとしても使われてきた。
「カンフル剤」という言葉を比喩として使うが、これは強心剤として使われた樟脳のことだと初めて知った。

名札はついていなかったが、おそらく「野外ステージ」近くの売店脇に植えられた巨木も「クスノキ」だと思う。

自由奔放に伸びた枝が魅力的だ。
冬でも緑をたたえ、他人に惑わされない強い個性を感じる。

そのせいだろうか?
クスノキは昔から人々に大切にされたようで、日本を代表する巨樹として日本各地に残っているという。
「巨樹ランキング」というのがあるそうだが、そのベスト10のうち8本はクスノキだというから、どれほど日本人にとって特別な樹木だったのかがわかるというものだ。

クスノキを見分けられるようになったことは、今月の大きな収穫だ。
私はこの大木が大好きになった。
コロナが鎮まったら、「蒲生の大楠」を見に、鹿児島まで行ってみたいと思っている。
「クスノキ」 分類:クスノキ科クスノキ属 特徴:常緑広葉樹・高木 花が咲く時期:5〜6月 実がなる時期:10〜11月
井の頭公園の「クスノキ」はここ!

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