岡山の古民家に今日から左官工事が入るため、私と妻は一時的に家を空けることになった。

朝から4人の職人さんが来て、昔ながらの土壁を塗り直す準備を始めた。
まず最初に行うのが古い土壁を剥がす作業。
埃が舞うため、襖を外し畳を上げて、大掛かりな工事となった。
最近は簡単に壁紙を上から貼る家も多いらしく、左官さんの仕事は減っているという。
左官仕事は、壁を剥いだ後に下地を作っては乾かす工程がいくつもあって、ちょっとした工事でも2週間くらいかかり、費用も壁紙に比べて嵩んでくるのだ。

工事の間はずっとこの状態になるため、畳の部屋に寝ることができず、とりあえず妻は東京で用事があるため吉祥寺に戻った。
一方私はこの期間、特に東京でやらなければならないこともなく、ブドウの世話などもいろいろあるため岡山に残ることにして、どうせならこの機会に岡山近郊を車で旅することにした。

最初の旅先として選んだのは、お隣兵庫県の赤穂市。
高速道路を使えば、岡山から1時間弱で行ける距離なのだが、急ぎの旅でもないので国道をのんびり走って約1時間半のドライブだった。
赤穂といえば、忠臣蔵。
JR播州赤穂駅前には、「ようこそ忠臣蔵のふるさと 播州赤穂へ」という看板と大石内蔵助の銅像が立っていた。

しかし、ちょうど昼時だったし、今日は雲ひとつない快晴だったため、市内を散策する前に私はまず瀬戸内海を望むレストランに向かった。
「DINING SALON Osaki 和 Cafe」
赤穂市内を通り越して、街の東海岸、高台の道をうねうねと走った先にそのレストランはあった。

道路から急勾配の道を海の方に下ったところにレストランは立っている。
周囲に民家はなく、まるで南フランスの隠れ家レストランのような高級な佇まいだ。

エントランスも重厚な作りで、入り口脇の駐車場にはベンツが止まっている。
ネットで見つけて気楽な感じで訪れたものの、ちょっと敷居が高い雰囲気である。

恐る恐る店内に入ると、やはりホテルのロビーのような空間が広がっていた。
人影が見えないため、奥に進むと、素晴らしい絶景が窓の外に広がっていた。

広々としたテラスには白いシェードがかけられ、眼前に広がる瀬戸の海と赤穂沖の島々が一望できる。
これは見事だ。
まさにコートダジュールにも匹敵する最高のロケーションである。
このテラス席が東京近郊にあったら、間違いなく予約なしではとても利用できない超人気店になることだろう。

テラスに設置された案内板によると、目の前に浮かぶ島々は「西島」「家島」「男鹿島」といった家島諸島、その向こうには淡路島や四国が見えているのだそうだ。
つまりこのテラスは南東方向を向いているということだ。

ところが残念なことに、テラス席を利用できるのは2名以上の客に限られるということで、私は室内の席に案内された。
テラス席のように5月の海風を感じることはできないが、室内からでも十分に赤穂の絶景は楽しめる。

室内の席と言っても、実に素敵な空間である。
オーナーのこだわりが感じられるインテリアや絵画。
私以外の客は全員テラス席にいるため、室内はゆったりとして静かにジャズが流れ、空調も効いているので気持ちがいい。

メニューを開くと、洋食のランチメニューが並んでいた。
値段は2000円前後のものが多く、店構えからすると割とリーズナブルだ。
私はその中から赤穂の特産品でもある牡蠣を使った「カキフライランチ」(1672円)を注文した。

最初に小さなスープが運ばれてきた。
きのこが入っていたのでシャンピニオンスープだろうか。
味は悪くない。

そして間をおかず、カキフライも登場。
ご飯に味噌汁、お新香や小鉢もついて、まるで和定食のようだ。

黄色いお皿に盛り付けられたカキフライには、当店自慢のトリュフが香るデミグラスソースとタルタルソースがたっぷりとかけられている。
付け合わせのサラダとポテトにも、適度の味付けがされていた。

大粒のカキフライを口に含むと、濃厚が旨味が口の中に広がった。
地元で採れた新鮮な牡蠣とソースの相性は抜群だ。
想像していたよりもはるかに美味しい。

味噌汁も小鉢もとても美味しくて、美しい景色に負けない素敵なランチだった。
是非また訪れたいと思える素敵なお店を見つけた。

どうせなら、次回はテラス席を使えるよう家族や友人を誘って来てみたい。
他にも美味しそうなランチが揃っていたので、何を注文するか迷ってしまいそうだ。
今年、建物の一角にお蕎麦が食べられる「日本料理 一花」をオープンしたそうなので、和食という手もあるかもしれない。
食べログ評価3.36、私の評価は4.50。
「DINING SALON Osaki 和 Cafe」
電話:0791-46-8103
営業時間:11:00 - 17:00(ランチは14時ラストオーダー)
定休日:月曜
https://osakiwacafe.com/index.html