🇭🇰香港 2018年12月31日~2019年1月1日
今回の旅行では、新年のカウントダウンは香港と決めていた。
そのうえでホテル探しを始めたのだが、その値段の高さに度肝を抜かれた。
花火が見えるホテルは1泊20万円。そうでなくても良い立地のホテルは10万円前後が当たり前のようだ。
中に2万円台のホテルもあるが、よく見るといわゆる「ゲストハウス」と呼ばれるドミトリー形式の安宿だ。
学生時代は1泊300円の安宿を泊まり歩いていたが、還暦過ぎたオヤジの年越しの宿としてはちょっと悲しい。
ようやく見つけたのが、九龍半島の先端、花火見学のベストポジションと言われる尖沙咀から地下鉄で4駅目「太子駅」の駅近にあるホテルだった。
1泊4万2840円だった。まあ、外見はまともそうなホテルだ。
ロビーでは、団体観光客らしいお客さんがたくさん待っていた。
これはやばいかなと覚悟したが、意外にスムーズにチェックインが済んだ。英語が通じない中国と比べて、さすが香港、ホテルのフロントは普通に英語で応対してくれた。
私の部屋は最上階の13階。
エレベーターのボタンを見れば一目瞭然、12階で降りて階段で13階へ上がるようだ。
おそらく建築基準法違反、下手をすると後から13階を継ぎ足したのかもしれない。
屋上に立つ掘っ立て小屋を覚悟して階段を上がると予想外にきれいな廊下が待っていた。
部屋はコンパクトだが、日本のビジネスホテルに比べたら普通の広さだった。
洗面所やトイレもごく普通。
深圳やマカオが立派だったので、見劣りはするがまったく問題はない。
ここも当然のようにシャワーのみ。バスタブはない。
本来香港は1月でも10度を下回ることは珍しく、日中は20度近くまで気温が上がる。この時たまたま異常な寒気が入って寒かっただけなのだ。
そして窓からの眺めはこんな感じ。
上を見ると、何とも危なっかしい細いのっぽビルが天を刺すように伸びている。
しかし、深圳の高層ビルに比べて、明らかに古い。地震があったら一発でアウトだ。
そして下を見ると、今にも崩れそうな古いビル群。
これが日本の富裕層を惹きつける香港かと、一瞬わが目を疑ったほどだ。
しかしこのホテルの利点は、何と言っても交通の便がいいことだ。
太子駅は2本の地下鉄が利用でき、深圳国境の羅湖駅からも1回の乗り換えでたどり着ける。そして香港の中心、九龍側の尖沙咀や香港島側の中環にも乗り換えなしで直行できる。
ついでに香港国際空港へのアクセスもいい。
空港から市内に向かうエアポートリムジンのA21のバス停がホテルの目の前にある。
ただし、このA21は空港に向かう時は別のコースを通るので要注意。
そのため私は、空港に行くのに地下鉄を利用した。ルートはこうだ。
まずは太子駅から荃灣線で茘景駅へ。
そこで今度は東涌線に乗り換え青衣駅に。
ここで電車は地上に出る。
青衣駅で今度は機場快線というエアポート急行に乗り換える。
機場快線は、香港島のセントラルと空港を結ぶ快速電車だが、途中の青衣駅から乗る乗客は少ない。
この列車は車内もきれいで荷物置き場もある。
青衣駅から空港は一駅。でも結構距離があるようで、海を眺めながら10分あまりかかる。
こうして機場駅に到着。太子駅からの所要時間はおよそ45分だった。
料金はオクトパスカードで支払ったので不明。機場快線もオクトパスカードの対象だ。
話をホテルに戻そう。
「メトロパーク・ホテル・モンコック」がある太子駅周辺は夜になっても賑やかだ。
2018年最後の夕食は、ホテルの向かい側にあるこの食堂で食べることにした。
店内はカジュアルだが、清潔で活気がある。
ビールを頼む。「ブルーガール」というローカルビールが出てきた。
そして酢豚、「秘製咕嚕肉」(80ドル)。
これは見た目通り美味しい。大晦日にしてやっと普通の中華料理を食べたという印象だった。
さらに「小籠包」(28ドル)と・・・
海老蒸し餃子「明桟蝦餃皇」(29ドル)も食べる。
まあ、大晦日ですから・・・。
小籠包はまあ普通だったが、海老餃子はプリプリで抜群の旨さだった。これはいい。さすが香港。街場の食堂だったが、一年の最後の食事にふさわしい美味しさだった。
ついでに、翌朝、2019年の元日にホテルで食べた朝食についても少々。
2階のコーヒーショップで朝食ビュッフェが提供された。
野菜や果物が食べたいと思ったのだが、ちょっと微妙な感じだった。
女性が麺類を作っていたので、いただいてみる。
こちらはまあいい感じ。生のサラダもあった。
4万円の朝食としては大したことないが、年またぎの宿としては合格点としなくてはなるまい。
元旦の朝食を済ませて私が向かったのは、ちょっと面白い場所だった。
ホテルを出て、「太子道西」という通りを東へ向かう。
この辺り、なぜか花屋さんがたくさん集まっている。
こんなお花や・・・
こんなお花?や・・・
こんなお花?も。
見て歩くだけでなかなか楽しめる。でも、目的地はこの花屋街の先にあった。
この赤い門の先がお目当の場所だった。
集まっているのはおじさんばかりだ。
おじさんたちのお目当ては・・・、鳥。
鳥・・・
鳥・・・鳥・・・鳥だ。
ここは香港の愛鳥家が集まるバード・ガーデン「園圃街雀鳥花園」だ。
おじさんたちが、自慢の小鳥を持ち寄り、気に入った鳥がいれば買って帰る。
お気に入りの鳥籠に入れ、その鳴き声を静かに楽しむ。
風流ではないか。
ここでは、鳥籠も売っているし、エサとなる虫も売っている。
さて、小鳥たちはどんな声で鳴くのか?
ちょっと聞いていただこう。
ビルに囲まれた香港の街で、この小鳥の鳴き声は確かに一服の清涼剤になるかもしれない。
新年早々、気に入った小鳥を見つけて、意気揚々と引き上げるおじさんもいる。
人生にはいろんな楽しみ、趣味があるものである。
こんなバード・ガーデンも間近にある「メトロパーク・ホテル」、場所はオススメだ。
Booking.comの評価は8.2、私の評価も8.2だ。