<吉祥寺残日録>岡山帰省7日目、念願のエアコンを設置した #210710

長雨が上がり、朝起きると近くの山に霧がかかっていた。

介護を目的に、伯母が住む築100年の古民家に泊まり込んで1週間。

田舎での暮らしにもかなり慣れてきた。

田舎と言っても岡山市内で、直線距離にすると岡山駅から10キロほどしか離れていない。

そのため、車でちょっと走るとコンビニはもちろん、大型スーパーやドラッグストア、ホームセンターなどがたくさんあり、必要なものは全て調達できる。

自然に囲まれていながら不便ではないこの家のロケーションに、妻も魅力を感じ始めているようだ。

朝8時、1台のハイエースがやってきた。

長年の念願だったエアコンがついに伯母の家にやってきたのだ。

私はもうずいぶん前から伯母にエアコンを付けようと提案し続けてきた。

傘寿の祝いにエアコンをプレゼントしようとしたこともある。

その都度、伯母の強烈な拒否に遭ってきた。

しかし、今回同居したおかげで、私たちにはエアコンが必要だと感じたのだろう。

「エアコンつけてもいい?」と聞くと、呆気ないほどに「ええよ。つけりゃええが」と言ったのだ。

伯母の許可を得た私と妻は、その日のうちに近くのヤマダ電機でエアコンを購入した。

そして買った2日後には取り付け工事の職人さん2人がやってきた。

設置場所は台所。

キッチンの吊り戸棚の脇の空きスペースが82〜3センチ空いていたので、その場所に合う小さめのサイズのエアコンを選んだ。

エアコン用の穴やコンセントは当然ないので、ブレーカーから電気を取り入れて長いコードを台所まで伸ばす。

伯母は20〜30年前にキッチンなどをリフォームしてオール電化にしているので、その時這わせた電気コードに沿って新たなコードを設置する。

台所の外側は小さな裏庭のようになっているので、室外機の置き場には苦労しなかった。

外壁は昔ながらの焼き板で、そこにドリルでパイプを通すための穴を開ける。

配管を隠すためのカバーの色は、焼き板に合わせて黒を選んだ。

こうして作業開始から2時間で、無事にエアコン設置は完了した。

土壁の家だと、穴を開ける際に壁が崩れてしまう可能性があり、電気屋さんが工事をためらうようだが、この台所は後から増築した部分で、意外に簡単に設置してもらうことができた。

今回選んだ機種は富士通ゼネラルの「ノクリア AS-R561L2W」、横幅が通常より狭い72.8センチだが18畳用の大容量機種である。

取り付け作業が終わり、試運転が始まると冷たい風が台所に流れた。

伯母の感想は「涼しい風じゃな」、まんざらでもないらしい。

来週から岡山も天気が回復し暑い日が続く予報なので、ちょうどいいタイミングでエアコンを設置することができた。

これで夏の猛暑や冬の寒さでも、この家で過ごすことができそうだ。

今回の帰省で買ったのはエアコンだけではない。

オムロンの血圧計と体温計も購入した。

血圧計については私の血圧を図る目的もあるが、同時に高血圧の薬を飲んでいる伯母の血圧と体温を測ってあげようと思ったからでもある。

今朝初めて伯母の血圧と体温を測った。

伯母は最初少しためらったがすぐに受け入れてくれた。

血圧は140台、体温は37度、いずれも少し高い。

エアコン工事をしている最中に近所のおばさんがやってきて、温室栽培のブドウをくれた。

近所の人たちは食べ物を届けながら、伯母の様子をそれとなく気遣ってくれているのだ。

おばさんがくれたブドウの中に、私の大好物であるマスカットもあった。

早速冷蔵庫で冷やしていただく。

文句なく、美味い。

岡山に帰省して1週間。

降り続いた雨が上がって夕日が顔を覗かせたように、伯母の介護も少しずつ軌道に乗り始めている。

明日は特段の予定もない。

放置状態になっているブドウ畑を少し世話してみよう、妻とそんな話をした。

<吉祥寺残日録>マスカット・オブ・アレキサンドリア #200704

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