初めてのアカスリ

動線がよくわからないまま、みんなのいる方向へ進むと・・・

そこは風呂場だった。
そのまま中に入ろうとすると、おっさんが「服のままじゃダメだ。脱がないと」的なことをジェスチャーで示す。だけどその手前に日本のような脱衣所がない。
キョトンとしていると、先ほどの更衣室から全裸の人が次々にやってくる。「なんだ、最初から脱いで風呂に来ればいいんだ。でも、サウナはどこにあるんだ?」
そんな疑問を抱いたまま、更衣室に戻って服を脱ぎ風呂に入った。ここは日本のスーパー銭湯と同じで、様々な温度の風呂があり、泡風呂があり、水風呂もあり、寝湯もあり、打たせ湯もあり、サウナやシャワーもあった。
そしてその一番奥に、待ってました、アカスリらしき場所があった。ベッドが4つほど並んでいて、先客は1人だけだった。私が行ったのが1時過ぎでまだ空いていたのだろう。マッサージのおじさんたちもくつろいでいた。
私が入って来たのを見て、一人のおじさんが寄って来た。壁に貼られた料金表を見せる。

よくわからないまま、「ゴールドスペシャルマッサージ」(洗身+全身+顔(パック)+あんぽう)というのにした。7万5000ウォン(約9400円)と奮発した。
「あんぽう」という謎の言葉に惹かれたのだ。英語では「JJim-jil」と書いてある。
なんだかわからないままやってもらった。
ゴールドスペシャルマッサージ
まず、ベッドに仰向けに寝ろという。素っ裸で仰向けに寝る。おじさんはバシャバシャお湯をかけながら、アカスリを始める。かなり強めだ。
仰向けの次はうつ伏せ、そして横向き。何度もお湯をかけながら、丹念に全身を洗う。
ここで一旦シャワーを浴びてこいという。戻るとマッサージが始まった。こちらもかなり荒っぽい。肘を使っているのか? おじさんの骨を感じる。でも不思議と痛くはない。うつ伏せになり、首の裏側をゴシゴシしごかれるのが痛気持ちいい。
続いて顔のマッサージ。何やらパックらしき乳液を塗っている。時間が経つとちょっとヒリヒリした感触が・・・。
そしていよいよ「あんぽう」。しかし、実際何が行われているのか、最後までわからなかった。先ほどの全身マッサージに比べてツルツルした感触で全身をマッサージしている感じ。オイルマッサージともちょっと違う。あえて言えば、石鹸水で全身を撫でている感触だろうか?
「あんぽう」とは「罨法」と書き、『身体の一部に温熱または寒冷刺激を与えて行う治療法』だそうだ。ウィキペディアには「温罨法」という言葉が出ていた。
『温罨法(おんあんぽう)は、漢方医学の治療法の一つ。古くは熱熨法(ねついほう)とも呼んだ。人体(特に患部)を暖めることによって寒湿に由来する病状を緩和して、新陳代謝を活性化させる効果があると言われている。北京原人の遺跡から熱した石が発見されており、この時代にルーツを求める考古学者もいる。後に鍼の原型である砭石(べんせき)を用いる治療法が出現し、更には表面が丸や平らになった温罨法の専用の砭石が出現するようになり、これが温石のルーツとなった。』
ひょっとして、あのスベスベした感触は石だったのだろうか?
最後に頭もバシャバシャ洗ってもらい、こうして初めてのアカスリ体験が終わった。疲れた体には良い刺激だった気がする。疲れた足もスッキリしたようだ。