🇧🇦サラエボ~🇨🇭チューリッヒ~🇫🇷パリ 2024年11月1日
いよいよ11月に入り、私もバルカン半島を離れ昨夜パリに到着した。
今、バスティーユ広場近くの安宿でこのブログを書いている。
昨日ちょっとしたトラブルがあったので、旅の順序は前後するけれど、忘れないうちにそのお話を書いておきたい。

ボスニアヘルツェゴビナの首都サラエボの空港には、余裕を持ってフライトの2時間以上前に到着した。
サラエボからスイスのチューリッヒで乗り換え、パリまで行くスイス航空のフライトを予約してすでにオンラインでチェックインも済ませていた。

出国手続きも問題なく通過して、プライオリティパスを使ってラウンジで時間を潰す。
ラウンジで昼ごはんを食べるつもりだったけれど、サラエボのラウンジにはまともな食い物がなく、小さなパンと塩のきいたアーモンドをつまみ、ビールを飲む。
考えてみれば、この辺りから運が悪くなり始めていた。

ラウンジで出発が20分遅れて15時ちょうどになるというメールを受け取った。
チューリッヒ空港での乗り継ぎ時間は1時間5分しかない。
乗り継ぎ時間がない時に限って、フライトが遅れるというのは不思議なほどよくあること。
旅人にとって、まさに「マーフィーの法則」である。

しかもさらに出発は遅れ、午後3時になってもまだ飛行機に乗れていない始末。
これはかなりヤバい状況だとは思いつつ、きっとスイス航空のことだから何とかしてくれるだろうと、それほど心配はしていなかった。
これまでも最初の便が遅れて乗り継ぎが難しい状況でも地上係員が待っていてなんとかしてくれたことが何度かあったからだ。

しかし、悪い時には悪いことが重なるもので、チューリッヒ空港ではターミナルに直接降りられずバスに乗らなければならなかった。
おまけに、私の座席が後ろの方だったため、タラップを降りるとまさに1台目のバスが扉を閉めたところ。
時間がないのでなんとか1台目にとアピールしても、2台目に乗れと無視される。
もうこの時点で、出発まで30分と迫っていた。

ターミナルビルに着くと、乗り換え口に走る。
私と同じく焦っている人たちが何人かいる。
しかし、まずは手荷物検査。
レーンが一つしか空いていなくて待たされる。
続いて入国審査。
ここも一つしかブースが開いておらず、かなり時間を食う。

ようやく全ての手続きが終わりゲートに走るが、これがまためちゃくちゃ遠い。
おそらく空港の端から端へ走ったのでないかと思うぐらい走った。
ゲートにたどり着いたのは、出発の5分前。
しかしゲートにはもう誰もいない。
スイス航空の女性スタッフから、「申し訳ありませんが、搭乗は先ほど締め切られました」と通告される。
ガーン!
たいていフライトは遅れるのに、どうしてこういう時だけ定刻で出発するんだ。
しかし、もうどうにもならない。

スイス航空の女性スタッフは「代わりの便に振り替えますのでご心配なく」と慣れた口調で告げ、私に「トランスファーデスク」に行って手続きをするようにと指示した。
彼女に文句を言っても仕方がないので、トボトボと歩いてトランスファーデスクを探す。
さんざん走ったせいでもう汗だくである。

ゲートに全力疾走したルートをかなり逆戻りしたところにトランスファーデスクはあった。
対応してくれた女性スタッフは、私の予約していたチケットとサラエボからのボーディングパスを確認したうえで、「次のスイス航空の便は満席なので、エアフランスの便になります」と事務的に言った。
おそらくフライトが過密なヨーロッパでは、こういう乗り継ぎのトラブルはよくあることなのだろう。

スイス航空のトランスファーデスクではエアフラの発券はできないと言われ、引換券のようなものを渡されて、これを持って搭乗ゲートで搭乗券と交換するように言われる。
スイス航空のゲートはAブロックだが、エアフランスのゲートはBブロック、これがまた離れている。
しかも日本の空港のような動く歩道もないので、ただひたすらに歩くしかない。

乗る予定だったスイス航空のゲートはAブロックの一番奥だったが、エアフラの代替便のゲートもBブロックの一番奥にあった。
ついていない時はたいていそういうものだ。
何から何までツキがない。
それでもエアフラの男性スタッフは、引換券を渡すとテキパキと処理をしてくれて、無事に代替便の搭乗券を受け取ることができた。
やれやれである。

エアフラ便の出発時刻は18時50分だったが、この便もまた遅れた。
待ち時間にトイレに行って汗でびっしょりになったシャツを着替える。
これで少し気分が落ち着いたので、後は野となれ山となれ、ゆったりとした気持ちで待つことができた。

30分遅れで飛び立ったエアフランスの機内では、小さなサンドイッチと飲み物が配られた。
私は温かい紅茶をもらう。
心がホッとした。
スイス航空は小さなミネラルウォーターとチョコレートが配られるだけで、それ以外の食べ物や飲み物は全部有料なのだが、エアフラは今でも昔ながらの軽食が無料でもらえるらしい。
中にはしっかりビールを飲んでいる客もいる。

かつてパリ特派員時代にたいていエアフラを利用していたことを思い出す。
今はANAのマイレージを利用しているため、ルフトハンザやスイス航空といったスターアライアンス系の航空会社を優先的に利用しているが、昔お世話になったエアフラが今も頑張っているのを感じて少し懐かしい気持ちを抱きつつ、パリのシャルルドゴール空港に無事降り立った。
EU域内ならば1時間の乗り継ぎ時間でも大丈夫だが、ボスニアのような域外からのフライトではやはりもう少し時間に余裕をみた方がいい。
それが今回の教訓。
もう歳なので、空港を走るのはこりごりである。