<きちたび>鎌倉の旅2024🇯🇵 “最強”台風が列島を縦断する中、鎌倉の民泊で5泊のバケーションに突入

🇯🇵 神奈川県/鎌倉市 2024年8月28日~9月2日

非常に強い台風10号の接近を受け、気象庁は28日、鹿児島県に暴風や波浪、高潮の特別警報を出した。

中心の気圧は935ヘクトパスカル、最大瞬間風速70メートルという「最強クラス」の台風がいよいよやってきた。

台風発生当初は27日か28日あたりに日本列島に上陸する予報だったが、寒冷渦に引っ張られる格好でどんどん進路を西に変え、迷走している間に偏西風に乗り損ねてしまった。

誠にドジな台風である。

おかげで台風を運ぶ風はなく、人が歩くぐらいの「ゆっくり」としたスピードでどこに進むか専門家でも予想が難しい。

気象庁も交通機関の台風の進路を睨みながら右往左往だが、私も数日前から1日に何回も台風情報をチェックする生活を送っている。

なぜかといえば、今日から5泊、来週の月曜日まで鎌倉の民泊を借りてバケーションの計画を立てていたからだ。

台風はまだ九州の近海にあるものの、九州から東北まで日本列島の全域で不安定な天気が続くこの1週間、もろに私の休暇にぶつかってしまった。

妻は知らない土地で台風に遭遇するのは怖いと、一時は旅行に行くのを嫌がったが、台風がノロノロとしてなかなか進まず、今日のところは関東への影響は大したことがなさそうだと分かり、とりあえず行って予報を見ながらヤバそうになる前に逃げ帰るという約束でスーツケースを押して電車で鎌倉に向かうことになった。

お昼、吉祥寺を出発する時には青空も広がっていた。

お天気アプリでチェックすると、鎌倉の天気も29日の昼ごろまでは大丈夫そうである。

午後1時ごろに自宅を出発し、総武線、新宿湘南ライン、江ノ島電鉄を乗り継いでおよそ2時間。

長谷駅に到着したのは午後3時ごろだった。

この駅で降りたのは何十年ぶりかだが、ホームは昔とさほど変わっていないものの、駅舎は新しく建て替えられていた。

予約している宿は、この長谷駅の北口から歩いてすぐのはずである。

駅前の狭い路地を抜けると、予約した宿はすぐに見つかった。

築9年の2棟の白い建物の一角にギャラリーなどと共に「長谷壱番館」という一棟貸しの宿がある。

「AirBnB」で見つけた民泊なのでフロントなどはないが、指示された通り併設のギャラリーのインターフォンを押すと、ご夫婦らしき中年の男女が出てきて、すぐに部屋を案内してくれた。

入り口は2棟の建物の間に設けられた洒落たアプローチの奥にあった。

小道を彩る植栽もよく手入れされていて素敵だ。

玄関を入ると右手に広いリビングダイニングがあった。

大きな食卓とフルサイズのキッチン、食器など必要なものは一通り揃っている。

妻とは以前、こうしたキッチン付きのコンドミニアムを借りてヨーロッパを旅行したものだが、妻がすっかり飛行機嫌いになり海外に一緒に行けなくなったため、近場で似たような体験をと思って鎌倉の民泊を思いついたのだ。

ダイニングから一段上がったリビングにはソファーとテレビが置いてあったが、案内の女性の口から意外な言葉が出た。

「このテレビ、すいませんがユーチューブしか映りません。地上波テレビなどは見られないので年配の方は皆さん驚かれるんです」

日々変わる台風情報を見るため、いつも以上にテレビが必要なタイミングだが、見られないものは仕方がない。

パソコンやipadは持ってきているので「NHKプラス」でチェックしよう。

玄関前の階段を上がると2階には小部屋が4つあった。

一つはメインのベッドルーム・・・

そのお隣には小さなリビングスペースがあり、ソファーベッドを倒すとこの部屋にも寝ることができる。

それぞれの部屋にはクローゼットもあり、持ってきた洋服をぶら下げるには十分だ。

ただ、どの部屋も民家が隣接しているせいか窓がとても小さい。

階段の反対側にもシングルベッドが置かれた寝室があった。

仕切り壁のロックを外すと・・・

隣の部屋と繋がって一気に広々とした空間になった。

この宿、最大7人まで泊まることができるとされていて、それを私たち2人で使うのである。

三男が妻子を連れて泊まりに来たいと言っていたので、もし台風が大丈夫ならばこの広い部屋を彼らに提供するつもりだ。

洗面所やお風呂も2階にある。

決して広くはないが、きちんと掃除され、タオルやシャンプーの類も整っていた。

嬉しいのはランドリースペース。

洗濯機のほか、洗剤や洗濯物を干すための小物もちゃんと用意されている。

そして、私がこの宿を選んだ最大の理由がこの階段の上にある。

そう、この2階建ての一棟貸しの宿にはルーフテラスがあったのだ。

広さにすれば8畳ぐらいはあるだろうか。

木製の椅子とテーブルが置かれ、南側には洗濯物を干すためのスペースもある。

昔チェコのプラハで泊まった宿にもこんなルーフテラスがあり、そこからの絶景に圧倒されたことを思い出す。

鎌倉の住宅地の中なので、テラスから見えるのは長谷駅と近隣の住宅だけだが、広い空を見上げられるだけですごい開放感がある。

これで宿泊費は5泊で13万円弱。

どこか遠出することを考えれば、リーズナブルだと感じた。

部屋に荷物を置くと、とりあえず妻を伴って近隣の探検に出かけた。

どこにどんなお店があって、何が買えるのか、何が食べられるのかを把握するためだ。

宿の前の路地を進むとパン屋さんがあった。

「ベルグフェルド 長谷店」。

鎌倉で愛されるドイツパンの老舗だそうで、本店は鎌倉の雪ノ下にあるという。

とりあえずお店が閉まる前に翌朝食べるパンを買って、さらに他のお店を探しに行く。

スーパーマーケットを探すが、長谷の界隈にはないらしく、仕方なくコンビニでミネラルウォーターや卵など最低限の食料を買い、一旦宿に置いてから海の方に行ってみることにする。

宿の前の路地を先ほどとは反対の南に進むと、大きな住宅の間を抜けて、数分で海沿いの大通りに出た。

こんなに海が近いんだ。

浜に降りてみると、外国人観光客が盛んに写真を撮っていた。

一時の猛暑は去り、このところ最高気温も30度ちょっとに下がっている。

台風のおかげで強い海風も吹いていて、とても気持ちがいい。

やっぱり海はいいな。

いつか海の近くで暮らしたいというのが若い頃からの夢で、今回鎌倉での滞在を選んだのも海の近くに住む擬似体験がしたかったというのも理由の一つだった。

ただ、海の近くに暮らすということはリスクとも向き合わねばならない。

関東大震災級の地震が起こったら、揺れから8分で鎌倉に津波が押し寄せると言われているのだ。

私たちが宿泊している長谷界隈の避難場所は高台の長谷寺である。

万一に備えて、長谷寺までの道順を覚えるため夕暮れのお寺を訪ねてみた。

すでに開館時間は終わっているらしく、お寺の門は閉ざされていた。

もしも夜中に地震が起こったらこの門を開けてくれるのだろうか?

門のある位置はそれほど高い場所ではなく、境内に入って本堂がある高台に逃げる必要がありそうなのである。

やっぱり知らない土地で災害に遭うとわからないことが多くて大変だ。

部屋に蚊が入ったのを目撃したらしく、妻はドラッグストアでワンプッシュで蚊を退治できるスプレーを買いたいと言い出した。

長谷の薬局に行ってみたが小さいサイズの奴が見つからず、街まで買いに行きたいと言う。

江ノ電で鎌倉まで出て、西口の薬局で聞いてみると、妻が探していた小さなスプレーが見つかった。

ただ地図で探してみたが、鎌倉にはサンドラッグやマツキヨなど大手のドラッグストアがないと言うのはちょっと驚きであった。

薬局の先に紀ノ国屋を見つけ、トマトなどの野菜を少し買った。

鎌倉も吉祥寺同様、高級スーパー紀ノ国屋が生き残れる街なのだ。

スーパーの前にあるフラワーショップには、かなりセンスのいい苗木がたくさん売られていた。

値段は高いが、岡山ではなかなかお目にかかれないお洒落な植物が並んでおり、鎌倉の住宅街を歩いていて綺麗な庭をよく見かけるのはこういうフラワーショップがあるおかげなのかと感心した。

こうして始まった短い鎌倉暮らし。

知らない街で暮らすのはやっぱり楽しい。

台風の影響で関東の太平洋岸も明日には激しい雨に見舞われそうだが、なんとか避難するような大事にならず、6日間の滞在が無事終わることを願うばかりだ。

<きちたび>「夫婦旅行はコンドミニアム」プラハ編 スタジオ・カレル・モスト

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