<きちたび>箱根の旅2026🇯🇵 思い立ったが吉日!当日予約で1泊してきた箱根湯本の宿「箱根パークス吉野」 @温泉

三男の家の手伝いと岡山で一人暮らしをする母の病気でバタバタした今年の夏。

なんとなくスタンバイ状態のまま練馬の新居でおとなしく過ごしている間に、気がつけば8月ももう下旬である。

「電車に乗ってどこか行こうか?」と妻に声をかけたのは、20日の朝のことだ。

最初はあまり乗り気ではなかった妻も「遠くじゃなければ」ということで了解してくれた。

さて、どこに行こう?

湘南や横浜なども候補に上がったが、最終的に箱根、しかもその玄関口である箱根湯本に落ち着いた。

会社の寮があったこともあり、箱根にはこれまで何度となく訪れているが、山の麓に位置する箱根湯本に泊まったのは仕事の関係で訪れた一度きりだ。

「旅慣れた」と自認する私には、あまりに下世話すぎるイメージがあって、これまで箱根湯本温泉のことをなんとなくバカにして本能的に避けていたようにも思う。

でも考えてみれば、一周回ってちょっと新鮮な感じもしてきて、多くの観光客が訪れる箱根最大の温泉街をこの際探索してみよう、そんな気分になったのである。

そうと決まれば、話は早い。

いつも利用する旅行サイト「エクスペディア」で空いている宿を予約して、リュックに洗面道具や着替えを放り込む。

正午ごろに家を出て、新宿駅の「DEEN&DELUCA」でパンとドーナツを買い、13時発のロマンスカーに乗り込んだ。

ロマンスカーに乗るのは一体いつ以来だろう?

新幹線とは違い、私鉄の特急電車はなぜか行楽気分が高まるものだ。

おまけに片道特急券込み2470円と料金もリーズナブルである。

1時間半ほどの電車旅。

最近乗り物が苦手になっている妻にはちょうどいい距離だったようで、ベタな箱根旅行を予想以上に楽しんでいる。

私も、これまで箱根に来るときは車が多かったので、ロマンスカーから降り立つ箱根湯本駅はちょっと新鮮で、徐々に旅行気分が盛り上がってきた。

駅から予約した旅館までは歩いても15分くらいということなので、温泉街をぶらぶら冷やかしながら歩くことにした。

途中、妻が昔好きだった和菓子の「ちもと」に立ち寄り、旅館で食べるお茶受けとして名物の「湯もち」を2つ購入する。

昔訪れた時に比べて建物が綺麗になっていることに妻が気づき尋ねると、やはり2018年に建て直したというだった。

かつて東海道だった賑やかな駅前の通りを曲がり、早川にかかる湯本橋を渡ると、景色は一気に温泉街らしくなる。

歴史を感じさせる建物の向こうに箱根の山が迫る。

この辺りに来ると一段と外国人観光客の比率が高まるようだ。

確かに東京から少し電車に乗るだけで、いかにも日本的な風景と温泉旅館があるのだから、外国人にはちょっと刺激的だろう。

箱根湯本といえば、駅前のごちゃごちゃした土産物屋ばかりがイメージされていたが、一歩入れば結構落ち着いた風情があるではないか。

私の中で、箱根湯本の悪いイメージがどんどん払拭されていく。

何事も先入観にとらわれては良くないと猛省する。

川沿いの緩やかな登り坂を歩いていくと、この日の朝予約した旅館が目の前に見えてきた。

「箱根パークス吉野」

名前からして最近オーナーチェンジした少しいかがわしい旅館かななどとあまり期待せずに訪れたのだが、幾つもの温泉旅館が立ち並ぶ須雲川沿いに建つなかなか立派そうな宿であった。

調べてみると創業は1951年、当初は「吉野旅館」という名だったが、ラテン語で「やすらぎ」を意味する『PAX』を足して現在の名称になったらしい。

『PAX』には、「パックス・ロマーナ」「パックス・ブリタニカ」などで使われる「平和」という意味もある。

チェックイン開始の午後3時に到着。

建物が外観はいささかくたびれていたが、内部は今風にリニューアルされていて古さは感じない。

すっきりしたロビーにはいろいろな新聞や本が置かれていて、近頃新聞好きになった妻はわざわざ新聞を読みにロビーを利用していた。

フロントスタッフは全員外国人、私たちの対応をしてくれたのはネパール人の男の子だった。

まだ流暢とは言えない日本語で一生懸命説明してくれる姿勢に好感を抱く。

こうしてわざわざ日本まで来て人手不足を補ってくれる外国の若者たちが、偏狭な排外主義で傷つかないことを願うばかりだ。

お部屋は、3階の内風呂付付き川側和室ローベットタイプツイン。

40平米以上あるゆったりとしたお部屋で、畳の上に低いセミダブルベッドが2台並んでいた。

なかなかモダンで悪くない。

カーテンを開けると、目の前には一面の緑が広がる。

下には須雲川が流れており、自動車の音は全く聞こえない。

箱根湯本駅からさほど離れていないのに、そこは絵に描いたような温泉宿の景色。

なるほど昔から多くの人に愛された人気温泉街だけのことはある。

部屋には、広々とした洗面所と今風のシステムバスも付いていた。

私は利用しなかったけれど、この内風呂でも出るお湯は温泉なんだという。

妻がお茶を淹れてくれた。

途中で買ってきた「湯もち」をいただきながら、一休みだ。

若い頃にはさほど感じなかったが、この歳になると温泉旅館はやはりくつろぐ。

しばし休んだら、早速浴衣に着替えてお風呂に向かう。

夏の温泉、果たしてどんな感じだろう?

この宿の大浴場は、最上階の5階にあった。

男性用は、午後3時から翌朝2時までは奥の「桂」で、翌朝5時から9時半までは手前の「絹」と、男女入れ替え制になっている。

お風呂にはカメラを持ち込めないため、宿のホームページから写真を拝借する。

私がまず利用したのは、こちらの「桂」。

内湯は全面ガラス張りで、向かい側の斜面の緑が目に優しい。

一部サッシが開けられるところがあって、窓を開けると爽やかな風が流れ込み気持ちがいい。

窓から下を覗くと、須雲川のせせらぎを眺めることもできる。

とはいえ、私はほとんどの時間をこちらの露天風呂で過ごした。

大浴場の外側にやや細長で設えられた露天風呂は、半分屋根がかかっているが、私は川に近いオープンなところに陣取り、目の前の山と空を眺めながら入浴を楽しんだ。

しかし、長く浸かるには湯の温度がいささか高く、少し入浴したら風呂のへりの石に座り風に吹かれるといった塩梅だ。

秋や冬とは違い、湯から出ても全く寒くはなく、むしろ全裸で日光浴をするような感じで、これが不思議な解放感を与えてくれる。

この日は幸い薄曇りだったので、ずっと屋外に裸体を晒していても耐えられなくならないのが良かった。

ちなみに、こちらの湯本温泉は「アルカリ性単純温泉」で、無色透明無味無臭。

神経痛、慢性消化器病、冷え性などに効果があり、さらに自律神経や不眠症、うつ状態にも効くらしい。

どれも私にはあまり関係なさそうだけれど、軽度の高血圧にも効果があるようなので、夕食を済ませて戻った午後7時ごろにも再度入浴し、山際が暮れゆく様を眺めながら1時間ほど全裸の時間を楽しんだのだった。

お風呂を上がると、広々とした休憩所がある。

この奥には3つの有料の貸切風呂もあって、カップルには人気らしい。

休憩所には無料のマッサージチェアも置かれていて、このところストレスゼロでマッサージのお世話になることも全くなくなった私だが、久しぶりにマッサージチェアを試してみた。

昔に比べれば格段に改良されてはいるが、人の手に比べるとやはり硬い。

この日の夕食は宿ではなく、近くにある老舗のお蕎麦屋さんで。

さすが箱根湯本、そこらの温泉街とは違い質の高い料理を堪能できる。

でもこの話は、改めて別に投稿する。

翌朝7時、ホテルで朝食。

食事場所は2階にあるダイニングルームだ。

広々とした窓の外は、薄陽に照らされた緑が広がり気持ちがいい。

朝食はビュッフェスタイル、和食中心の構成だ。

個人的にはお部屋でいただく朝定食が好きだが、人手不足の昨今、それを望むならもっと高い宿に泊らねばならない。

この宿の朝食ビュッフェは、ご飯のお供がとても充実している。

イカの塩辛、ワサビ漬け、昆布に明太子、さらに漬物まで。

気がつけばご飯のお供だけでお皿のかなりのスペースが埋まってしまい、後半の用意されていたおかずを載せる余地がない。

でも、それはそれ。

数々のお供に誘われて珍しく、ついついご飯をおかわりしてしまった。

しじみの味噌汁も美味しくて、古から日本人の食事の原点に立ち返ったような心持ちになった。

朝食を済ませた後、再び風呂に向かう。

日が改まり、朝はもう一つの大浴場「絹」である。

こちらは基本的に女性用として作られており、脱衣所にはベビーベッドも置かれていた。

目隠しに十分配慮して作られた岩風呂は、「桂」の露天風呂に比べても開放感があり、個人的にはとても気に入った。

誰もいない風呂で体を伸ばし、岩風呂の脇に置かれたサマーベッドに寝転んで風に吹かれる。

実に気持ちがいい。

箱根湯本、どうしてどうして捨てたものじゃない。

東京から近くて、歴史ある宿が多数存在する箱根。

歳をとり行動範囲が狭くなればなるほど、私にとってその価値は高まっていくだろう。

どうせなら、妻の体調のいい日に突然思い立って、いろんな宿に泊まり、箱根をもっともっと知りたいと思った。

ちなみに今回の宿、当日予約で朝食付き、2人で1泊3万8322円だった。

駅に向かう途中、妻がお土産にと小さな梅干しを買った。

3年ものだそうで、1パック1000円だった。

家に帰って早速1個摘んでみると、塩の効いた昔ながらの酸っぱい梅干しであった。

「箱根パークス吉野」
住所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋139-5
電話:0460-85-8111
https://www.pax-yoshino.com/

【シニアになったら温泉めぐり♨︎】

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