日本でも最近、深圳の話題をよく耳にするようになったが、観光地ではないのであまりいいガイドブックが見つからなかった。正確にいうと、探す努力もしないまま現地に赴いたということだ。
ホテルも、いつものBooking.comで適当に決めた。
深圳の電脳街「華強北」の駅近くにあるというのが、決めた理由だった。
マカオから船で深圳の蛇口港に到着し、そこから地下鉄2号線に乗って「華強北駅」に着いたのは夕方の6時半だった。
ホテルは駅前、すぐに見つかった。
ホテルのロビーは、23階にあった。
シースルーのエレベーターからは、メリークリスマスの飾り越しに眩く光る華強北の電気街が見える。
23階のホテルロビー。
中国人観光客の混雑もなく、スムーズにチェックインができた。ただし、クレジットカードでデポジットを取られた。
大きなベット2台が並ぶ、ゆったりとしたツインルーム。
特別変わった部屋ではないが、基本的な設備はちゃんと整っていた。
これで2泊で1万6000円ほど。香港やマカオに比べて圧倒的に安い。
バスタブはなく、シャワーのみ。
寒冷注意報が発令される深圳としては異常な寒さだったので、バスタブは欲しかった。
曇りガラスのスライドドアをシャワールームとトイレで共用するアイデアはちょっと面白かった。
カーテンを開けると、深圳の夜景が広がる。
そう、この部屋は26階。街が一望できる素敵な部屋だった。
唯一気になったのは、クローゼットに入っていたこの怪しい箱。
火事の時にかぶる防火頭巾なのだろうか?
これをかぶると煙を吸い込んでも大丈夫なのか?
逆に、「このホテルで火事に遭遇したらおそらく死ぬ」という意味であろうと天邪鬼な私は理解した。まあ、その時は仕方あるまい。自ら選んだ旅だ。
さて、ホテルにチェックインして荷物を置くと、すぐに「深圳ライトショー」を見にいくが空振りに終わる。その話はすでに別の投稿で書いた。
がっかりした私は、華強北駅に戻り地下街で夕食を食べることにした。
チェーン店ばかりのようではあるが、一人で食べるには簡単で手頃だ。
深圳初日の夕食に選んだのは、「魚你在一起」というお店。
魚を使ったスープのお店だろうか?
写真と英語も書かれているので、「老坛酸菜魚」(29元)というのを頼んでみた。
この店を選んだのは、写真の料理が美味そうだったという理由のほかに、客で混んでいて内装も可愛かったからだ。
中国でも魚と言えば、猫ということになるらしい。
まずカウンターで注文してお金を払う前払いのシステムで、ビールを頼むとバドワイザーの缶ビールをその場で渡された。
ビールは8元。この日の夕食は、合わせておよそ700円ほどだった。
思ったよりも、量が多い。
唐辛子もたっぷり、そしてこの高菜漬のような酸菜がポイントのようだ。
この酸菜が美味い。旅行で疲れた体に、この酸っぱさはたまらない。
そして外で冷えた体が、温かいスープで緩んでいくのがわかる。
スープの中を探ると、淡白な白身魚がいっぱい出てきた。
臭みはまったくない。
チェーン店とは言え、このお店はオススメだ。
この地下街には、美味しいパン屋さんもあった。
私が買ったのは、このクロワッサン。
初日はマンゴー、2日目はイチゴのクロワッサンをデザート代わりに買い求めた。
1個12元。これは美味い。特にマンゴーはとても美味しかった。
このホテルは深圳の秋葉原とも言われる電脳街にある。
ホテルの隣にある「華強電子世界」。
ここは深圳が誇る電脳街の中核施設だ。
6階建ての建物は、すべて電気店で埋め尽くされている。
やはり深圳の秋葉原だ。
大型テレビもあれば・・・
ドローンや・・・
ロボット・・・
そして、VR。
どんなものでも見つけることができるのだろう。
ただ、私は電子部品に興味がないので、この建物だけちらっと見て早々に引き上げた。
華強北の電脳街は、夜になると一段と怪しい光を放つ。
しかし、電脳街は予想したほど賑わってはいなかった。
私が行った時間のせいかもしれないが、秋葉原に比べても活気を感じなかった。
華強電子世界の入り口にある大型ビジョンには、時折、中国政府のスローガンが映し出されていた。
やはりここは中国。米中戦争の影響がこの街にも忍び寄っているのかもしれない。
さて、2日目の夜、私はやはり華強北の地下街で夕食を食べた。
この日は肉を食べようと思い、看板にひかれて中国の人気ファストフード店に入ってみた。
注文したのは「脆香大鶏腿」(28元)。
台湾の定番「魯肉飯」的なご飯と・・・
ケンタッキー的な鶏もものフライドチキン・・・
そして温かい豆乳のセットメニューだ。
この豆乳がこの店の看板メニューらしく、本当は朝ごはんに強みを持っているという。
中国にしては店内が綺麗だが、前日に食べた魚のスープのようなインパクトはない。
正直、失敗だった。
失敗といえば、深圳を出発する日の朝食。
店を探すのも面倒なので、ホテルのビルの1階に店を構えるスターバックスに行ってみた。
店の作り自体は日本とさして変わらない。
私が注文したのは、カフェラテとトースト。合わせて41元だ。
スタバでトーストなど頼んだことはなかったが、バターもつかない。
仕方がないので、ハチミツでもかけて食べようと考えていたのだが・・・
あてにしていたハチミツも、ない。
というか、スタバなのにコンディメントバーがスカスカ。
ハチミツどころかミルクさえもない。さすが、中国。きっと置いておくとみんな持って行っちゃうんだろうな。
結局、トーストに砂糖をかけて食べてみた。
ところが、このトースト、異様に硬い。こんな硬いトーストを食べたのは初めてかもしれない。パンが古いのだろうか?
というわけで、深圳のスタバは今回の旅行で最低の食事だった。
深圳に行くなら華強北のホテルは何かと便利でオススメだが、スタバでトーストを注文するのは絶対にやめた方がいい。
Booking.comの評価8.3、私の評価は9.0。