2021年のお正月、コロナで外出を控える中で、ちょっとだけ外の空気に触れようと妻と一緒に近所の和菓子屋さんに出かけた。

我が家が愛用する老舗「御菓子処 俵屋」。
安政二年(1855年)に京都で創業し、1990年頃に吉祥寺に移ってきた和菓子屋さんである。

年末年始も休まずに営業しているこのお店、元旦には行列ができていたと目撃した妻が言っていた。
おそらくお餅も作って売っているのだろうというのが妻の見解で、来年は我が家もここでお餅を買い求めるというオプションもあるだろう。
覚えていたらの話ではあるが・・・。

店員さんに「お正月らしいものと言ったらどれですか?」と尋ねてみると、「やっぱり上生菓子でしょうか」との答えが返ってきた。
ショーケースの一番目立つところに「迎春上生菓子」と朱色で書かれている。
色とりどりの和菓子が羽子板状の板の上に並んでいて、1個400円が相場らしい。

干支の丑をかたどったお菓子もあるがこちらは480円らしい。

こちらの「花びら餅」というのもお正月用だという。

非売品ではあるが、こんな手の込んだお菓子も飾られていて、この店に来ると、四季折々の自然を感じさせる和菓子の世界にしばし浸ることができる。

いろいろ悩んだ末に、それぞれ1個ずつ上生菓子を買って帰る。
生菓子の入った箱は「睦月」と書かれた包装紙に巻かれていた。

箱は上生菓子が2個ぴったりと収まる大きさに作ってあり、箱が傾いても菓子は形崩れしていなかった。

妻が選んだのはこちらの「寒桜」(480円)。
淡い紫色と細かい細工が美しい。

和菓子を批評する蘊蓄は持ち合わせていないが、切ってみると白餡の上に紫色の餡、それをさらに白い餡で包んだような感じだ。
要するに、3種類の餡で作った餡の塊のようなお菓子である。
もちろん甘いが、くどくはない。
妻が思い出したように「抹茶飲む?」と言って抹茶をチャチャっと作ってくれたが、その時にはすでに食い終わっていた。

私が選んだのは、「謹賀新年」(400円)というベタな名前のお菓子。
さすがにこれはお正月しかないだろうと思ったからだ。
羊羹の上に白い軽羹が載っていて、てっぺんに金色の印が押されている。

光ってよく読めないのだが、光線の角度を工夫すると「謹賀新年」という文字が浮かび上がる。
やっぱり、ベタだ。

カットしてみても、代わり映えはしない。
妻は美味しいと言っていたが、私はどうも軽羹というものがあまり好きではなく、もちろん不味くはないのだが別のお菓子の方がよかっただろうと思った。

『自然の色と味を大切に俵屋の和菓子は合成着色、保存料、酸化防止剤などの食品添加物は使用しておりません』
お菓子と一緒に入れられていた一枚の紙に、お店のプライドを感じた。

こうした手作りのお店が街から消えないよう、これからも時々利用させてもらおうと思う。
食べログ評価3.38、私の評価は3.40。
「御菓子処 俵屋」 電話:0422-49-5671 営業時間:10:00~19:00 定休日:月曜 https://twitter.com/wagashitawaraya
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