予報通り、寒くなってきた。
週末から寒くなるという予報は当たったが、ずっと晴れの日が続くと言っていた週間予報は外れたようで、今朝は吉祥寺にも雨が降った。

この冷え込みで、井の頭公園の紅葉も一気に進み、ベランダからは木々が織りなす見事がグラデーションを楽しむことができる。
太陽に照らされて色鮮やかに輝く紅葉もいいが、こうして太陽光が直接当たらず、全体均一に弱い光に浮かび上がる紅葉も捨てがたい魅力があるものだ。
風邪のため昨日の集まりに参加できなかった三男から、昨夜SOSの連絡が入り、妻は午前中から三男のマンションまでまた手伝いに出かけていった。

妻がいない日のランチは、妻が嫌いな料理を食べにいくには絶好の機会だ。
悪天候にも関わらず、クリスマス商戦が始まった吉祥寺の街は、人でごった返していた。
寒くなってくると、美味しく感じるのがラーメン。
実は昨夜から私はラーメンを食べると決めていた。
お目当てのお店はいくつかあったが、その中で選んだのは、今年オープンしたばかりの新しいお店だった。

「風雲児 吉祥寺店」。
ダイヤ街に面する一等地に店を構えるこのお店は、つけ麺で有名な新宿の超人気ラーメン店の3号店なんだとか。
食べログの百名店にも選ばれ続けている新宿本店は外国人観光客にも人気で、当然行列が絶えないお店である。
ちょうどランチタイムだったので、私も行列覚悟で吉祥寺店に向かったが、幸いカウンター席がちらほら空いていてすんなり入店ができてしまった。

お店の看板メニューは「得製つけめん」。
『国産の丸鶏、鶏ガラ、昆布、カツオ節、うるめいわしなどを丁寧に8時間煮出した鶏白湯を6時間かけて濾し1日熟成させたこだわりのスープ』が店のこだわりだと書いてある。
まずは店内に入り、私もこの「得製つけめん 並盛」(1150円)の食券を買い求める。
ちなみに、並盛は麺の量が200グラム、これが300グラムの大盛ならば1250円、400グラムの特盛ならば1350円となる。

まだオープンから半年の新しいお店なので、カウンターも厨房もピッカピカだ。
奥にはいくつかテーブル席もあるらしい。
男女3人のスタッフがテキパキと客をさばき、つけ麺を作っていくので、見ていて気持ちがいいほどスムーズに店が回っている。

案内されたカウンター席に座ると、目の前に回転寿司店のようなサーバーがあり、席で自分で水を汲めるようになっていた。
余計な作業を省略することで、客の回転率を上げているようである。

しばらくお店の様子を眺めていると、「カウンターから失礼します」と声がかかり、私の前にまず麺が置かれた。
とてもツヤツヤした中太のストレート麺だ。
見るからに美味そうである。

間髪入れず、今度は小ぶりな丼に入ったスープが置かれる。
ドロッとしたスープから顔を出しているのは、味付け玉子と刻んだネギと海苔だけ。
通常、ラーメンの主役を争うチャーシューやメンマの姿がない。

その代わりに目を引くのは、スープの中央にうずたかく積まれた魚粉。
この店の魚粉はシンプルに花鰹を砕いたものだそうで、これをドロドロの鶏白湯に混ぜることで魚介の旨味が自慢のスープにさらに深みを加えることになる。

深めの丼の底には刻んだチャーシューやメンマがたくさん沈んでいた。
このスープに麺をつけた口に運ぶと、文字通り濃厚な旨味が口中に広がった。
これは、美味い。
何より、酸味が強いスープが実に私好みである。
具材もそれぞれ丁寧に仕上げられていて、正直文句のつけようがなかった。

国産小麦にこだわった麺もとても素晴らしい。
口当たりも良く、雑味がなく、いくらでも食べられそうな気がしてくる。
とはいえ、この濃厚なスープですぐにお腹がいっぱいになり、頑張れば大盛も行けそうではあるが、私にはこの並盛ぐらいがちょうどいい感じだ。

最後にカウンターに置かれた熱々のスープを注いで、全部完食する。
満足、満足。
期待した以上の満足度であった。

私の中では、「えん寺」「東池袋 大勝軒」「麺屋武蔵 虎洞」がお気に入りのつけ麺の店だったが、間違いなくこの中に割り込み、トップに躍り出るようなお店となりそうである。
そして駅近で、ダイヤ街という地の利もあり、すぐに行列の絶えない吉祥寺を代表するつけ麺のお店に成長する予感がプンプンである。
食べログ評価3.40、私の評価は4.50。
「風雲児 吉祥寺店」 電話:0422-23-0065(予約不可) 営業時間:11:00~23:00(スープ売り切れ次第終了) 定休日:年中無休 https://www.fu-unji.com/