<吉祥寺残日録>妻の誕生日は、深夜の偏頭痛に始まり肺炎が悪化した三男の手伝いに終わる #231127

今日は、妻の66歳の誕生日。

しかし残念ながら夜中に激しい偏頭痛で寝られなかったらしく、朝から全く元気がない。

一昨日、息子たちと会食して岡山の農地などについて現状を伝え、相続について一緒に考えていきたいと伝えた。

孫たち抜きで息子たちと大人の話をする機会はほとんどないので、妻もとても楽しそうで、その後、次男の家族が揃って吉祥寺まで来て妻の誕生日を一足早く祝ってくれた。

それでも妻は、体調不良のために会食に参加できなかった三男のことが気がかりだったらしく、翌日、SOSの連絡を受けて、孫の世話のために出かけて行った。

こうした疲れが重なって、自分の誕生日には頭痛で何もできない状態に陥ってしまったのだ。

健康診断の予約を入れていた私は、妻の頭痛が少し改善したのを見届けてからかかりつけのクリニックに向かった。

朝ごはんは食べてはいけなかったので、その心配をしなくてよかったのは妻の負担を多少緩和したかもしれない。

小さなクリニックなので、健康診断といっても、レントゲンと心電図、血液検査など簡単なものである。

帯状疱疹ワクチンの2回目の接種も予定していたが、1回目の時に注射の後が結構痛かったので、妻のアドバイスもあり12月1日からの海外旅行後に先延ばしすることにした。

健康診断を終えて、いつもの血圧の薬ももらうと午前10時を回っていた。

ちょうど花屋がオープンする時間だ。

吉祥寺駅にある花屋を覗くと、ちょうど妻が好きそうなフラワーアレンジメントが目に止まった。

白い花ばかりで構成されたシンプルなもの。

ラッピングの紙も緑色で、白と緑だけのまさに妻が大好きな組み合わせである。

値段は6000円といつも買う花よりも高かったが、弱った妻にはこれが一番のプレゼントだろうと即決で買うことにした。

家に帰ると、妻はだいぶ元気さを取り戻していて、私が持ち帰った花を見てとても喜んでくれた。

最近ではケーキも頭が痛くなるからと食べないし、「ケーキの代わりに和菓子でも買う?」と聞いても、今日はお腹の具合が良くないからやめとくと言う妻。

誕生日のお祝いにフランス料理のお店を予約しようかと提案した時も、あまり乗ってこなかったのでそのままとなり、結局この花だけが66歳の誕生日プレゼントとなった。

お昼ごはんは昨夜の残り物。

妻はそれさえもお腹が空いていないからと言って食べなかった。

三男からの連絡が入ったのは昼飯を食べ終わった頃だったろうか。

会社を休んで医者に診てもらったら、中度の肺炎だと診断されたらしい。

抗生物質をもらってマンションで寝ているという。

妻は自分の体調はそっちのけで、三男に差し入れる料理を作り始めた。

野菜スープと肉じゃが。

これを三男のマンションに届けがてら、もしも入院することになったら手伝うという。

三男の奥さんは孫を保育所に預けて会社に出勤。

でも昨夜から少し風邪っぽいという話も三男から聞かされた。

妻一人で行かせるのも心配なので、私も荷物持ちとして同行することにする。

旅行前に病気をもらうのも心配だが、どうやら妻の様子からしてかなりの重症らしい。

マンションに到着した妻は、干してあった洗濯物を畳んだり、散らかっていた孫のおもちゃを片付けたり、さすがプロの主婦としてテキパキと働く。

こうして世話をしていると、家にいる時よりも元気そうに見える。

それに引き換え私は、何か手伝いできることもなく、ソファーに座ってテレビを見るだけ。

「もういいから、先に帰ったら」と妻に促され、一足先に吉祥寺に戻ることにした。

上空で音がしたので夕暮れの空を見上げると、旅客機が低空で頭上を通過していくところだった。

ちょうど目黒駅前の高層ビルの真上を飛んでいく。

そうか、目黒は羽田への着陸ルートなんだ。

数日後には機上の人になる予定の私には、偶然目にしたその光景は妙に心に残るものだった。

妻が帰ってきたのは、午後8時ごろ。

誕生日のディナーは、三男のために作った野菜スープと肉じゃが、それと前の日の残り物であるポテサラだった。

ご飯も三男のところに持って行ったおにぎりの残り。

なんともシャビーな誕生日ディナーではあるが、息子の役に立ってきた妻の表情は朝よりもずっと明るかった。

人は幾つになっても、誰かの役に立つことが幸せなのだと思う。

こんな誕生日も、悪くないものである。

<吉祥寺残日録>誕生日の翌日に、妻が発熱した #211128

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