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<きちたび>フランスの旅2024🇫🇷 30年ぶりのパリ!古き良きバスティーユの老舗ビストロと空前の日本食ブームに沸くサンタンヌ通りを探索する

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🇫🇷 フランス/パリ 2024年11月2日

「芸術の都」「ファッションの都」と呼ばれるパリは、もちろん「美食の都」でもある。

私は観ていないが、今年のお正月映画として公開された木村拓哉主演の『グランメゾン・パリ』も大ヒットしたらしく、ミシュランの三ツ星レストランを目当てにパリまでわざわざレストラン巡りに訪れるお金持ちも少なくない。

とはいえ、グルメではない私には超高級レストランはあまり縁はない。

パリ特派員時代、後学のため無理して三つ星レストランに行ったことはあるが、残念ながら特別美味しかったという記憶もない。

しかし、そこはパリ。

高級レストランに馴染めない私のような人間にも楽しめる様々なジャンルのレストランが街には溢れている。

だから、30年ぶりに訪れた今回のパリでも、お店選びはいろいろ考えた。

ランチに選んだのは、宿泊したバスティーユのホテル近くにあるビストロ『LE TEMP DES CERISES』。

この店名は「さくらんぼの実る頃」という意味で、フランスの有名なシャンソンのタイトルでもあるそうだ。

訪れたのはもう午後2時を過ぎたランチには遅い時間。

路地裏のお店の周りはひっそりとしていて、営業しているのか不安になりながらその扉を開けた。

ところが、そんな私の不安を吹き飛ばすように店内は大賑わい。

私の姿を見た店員は、「1人?」と確認した上で、にこやかに奥のテーブルに案内してくれた。

Googleマップを頼りに選んだお店だったけれど、私の好みにドンピシャ、こういう肩の凝らないビストロが私の大好きなお店なのだ。

メニューはもちろんフランス語。

日本にいるとフランス語と接する機会はほとんどないので、もともとほとんどできないフランス語をさらに忘れてしまっている。

それでもメニューを眺めていると、いくつか単語を思い出したりして、店員のおすすめも聞きながらなんとか注文をすることができた。

まずは、グラスの赤ワイン。

1杯6ユーロ(約1000円)ぐらいのワインの中から適当に選ぶ。

どのワインもそれぞれ飲みたい量に応じて、ボトル、デキャンタ、グラスが用意されているのでおひとり様にはありがたい。

そして料理は、店員おすすめの「Souris d’agneau confite」。

仔羊の骨付きスネ肉「ラムシャンク」のコンフィ、すなわち低温の油でじっくり煮た料理のようだ。

しかし、そのボリュームは予想以上。

一人でこんなに食えるだろうか?

おまけに、付け合わせと呼ぶには大量すぎるマッシュポテトが大皿で添えられている。

高級レストランの繊細な料理とは似ても似つかぬこれぞビストロ料理。

量には圧倒されつつも、美味いものをたらふく食うというパリっ子たちの変わらぬ食欲に、少し嬉しくなった。

おしゃべりに興じる他の客たちを眺めながら、私はただひたすらに肉を食らう。

見た目の通り、甘口のソースで味付けされたラム肉は濃厚。

だが思いのほか胃にもたれることもなく、どんどん私のお腹に収まっていく。

もちろん、美味い!

気がつくと肉は完食、ポテトもパンもほぼ食い尽くしていた。

日本にいると、こんなに大食いすることもない昨今だけれど、まだその気になれば食えるものだ。

ということで、この日のランチ代は38.50ユーロ(約6150円)。

30年前もサンドイッチだけで2000円ぐらい取られるのがパリの物価だったので、まあこんなものだろう。

その日の夜。

路線バスでエッフェル塔や凱旋門を回った後、ルーブル美術館までやってきた。

「そういえば、あのうどん屋さんは今もあるのかな?」

そんな疑問が私の頭に浮かんだ。

私の在任中にオープンした高知のうどん屋さん、確か「くにとら屋」というお店がルーブルからオペラ座に向かう途中にあったことを思い出した。

ネットで調べてみると、今もあるようなので訪ねてみると、私の記憶しているお店とは違うものの、確かに「国虎屋」という文字が見える。

30年前は日本料理店はいくつかあったものの、日本の美味しいうどんが食べられるこの店がオープンした時には嬉しくて、しょっちゅう食べに行っていた。

しかし、あいにく店内は満席。

外に行列までできていた。

これは結構待つことになりそうだ。

店内を覗くと、客も従業員もほぼ全員が外国人。

日本人の姿はない。

仕方ない、少し近くをぶらぶらするか。

そう思って、この界隈を歩いてみると・・・

30年前から営業していたパリの老舗ラーメン店「ひぐま」の前にも大行列。

日本の「どさん子」チェーンの海外進出1号店だというこちらのお店の前にも行列。

そして、こちらの「サッポロラーメン」もご覧の通り。

「おいおい、どうなってるんだ?」

パリのラーメン事情に正直驚かされる。

こちらのうどん屋「十兵衛」も・・・

そば・うどん・お好み焼きの「aki」も・・・

こちらの日本料理店「かどや」も行列。

どれも私がいた頃にはなかったお店だけれど、いつの間にかこの「サンタンヌ通り」は日本食街になっていて、どの店も行列ができる超人気店になっていた。

中でも特に目を引いたのが、こちらのお店。

サンタンヌ通りの1本東側リシュリュー通りにあった「こだわりラーメン 築地」というお店だ。

薄暗い路地にそこだけ行列ができていて、中を覗くと日本語の看板やダンボール箱、ビニール袋などが積み上げられ、まさに築地市場の雰囲気が再現されていた。

あとで調べてみると、この店のオーナーはフランス人の元パイロットだそうで、とにかく日本が大好きで日本中のラーメン店を食べ歩き、自ら修行して2016年にパリに最初のラーメン店をオープン。

ここは2号店なのだそうだ。

魚を使ったラーメンが売りで、客は見る限り全員フランス人。

パリの日本食ブームは、私が知らない間にすごいことになっている。

こうしてしばらく驚くべき日本食ブームの現場を見て回ったのち、最終的に入ったのは唯一行列ができていなかったこちらの洒落たレストラン。

今ではすっかり日本人街となったサンタンヌ通りにある「来々軒」というお店である。

他のお店に比べると席数が多く、客はほぼすべて外国人。

日本人客は見渡す限り私だけのようだ。

並ぶことなくすんなりカウンター席に座ることができたが、テーブル席はほぼ満席で、みんな仲間たちと楽しそうに語らっている。

メニューを開くと、ラーメンの種類が多いだけでなく、チャーハンや餃子、そのほか中華料理のメニューがたくさん載っている。

どうやらこのお店、日本の企業が営業する町中華のお店らしい。

その中からこの夜私が選んだのは「タンメン」。

30年前と違って、海外旅行先でラーメン店を見かけることは珍しくなくなったけれど、野菜たっぷりの「タンメン」がメニューに載っている店はここが初めてである。

果たしてどんなタンメンが食べられるのか、私のチャレンジ精神が刺激された。

こちらが、その「タンメン」だ。

値段は13.5ユーロ、日本円でざっと2150円といったところ。

パリで食べられる外食としてはかなりリーズナブルでとにかく野菜たっぷりだが、やはり日本で食べるタンメンとはどことなく違う。

それでも、野菜を煮込んだスープは優しい味で、海外旅行で疲れた胃袋にはありがたい。

量も日本のラーメンよりもしっかりあって、もうこれ1杯でお腹いっぱいである。

日本人の店員さんに「パリっていつ頃からこんなラーメンブームなの?」と聞いてみると、「15年ぐらい前からですかね」との答えが返ってきた。

私がパリで生活していた1990年代。

オペラ座の近くに小さな日本の食材店「京子」があり、我が家もたびたびお世話になったものだ。

そこからこの界隈にぽつりぽつりと日本料理を食べさせるお店ができていたが、まさか30年の間にここまで人気の日本人街が出来上がるとは予想もしなかった。

フランスには日本の漫画やアニメ、ゲームのファンが多いと聞く。

「失われた30年」と言われるが、海外での日本の存在感はこの30年の間に逆に大きくなっているように感じる。

この日本食ブームがいつまで続くのか、またパリを訪れることがあれば、ぜひサンタンヌ通りを訪ねてみたいと思った。

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