<吉祥寺残日録>月一農業2021年4月/今年は早くから草刈りを始める #210408

昨日の夕方、岡山から吉祥寺に戻ってきた。

1週間ぶりに眺める井の頭公園は一面グリーンのグラデーションに埋め尽くされていた。

今年はとにかく、例年に比べて季節の進み方が早い。

少し休んでから、また公園をひと回りしてこよう。

さて、4月1日から7日まで帰省した岡山での話も今回で最後だ。

主目的は年寄りの世話をすることだったが、帰省の後半は長く中断していた『月一農業』に励んだ。

「農業」と言っても今年も草刈りに終始することになりそうだ。

4月の畑はタンポポなど様々な野草に覆われていた。

雑草といえどもこの季節には瑞々しく、このまま成長しなければ放置しておきたい美しさがあるが、1ヶ月も経てばとんでもない状況になるのは目に見えている。

草刈りを始める前に、どんな草が生えているのかチェックしてみた。

こちらは井の頭公園にもあった「オオイヌノフグリ」。

この草は大きくなることはないので、放っておいても構わない。

「ツクシ」も生えていた。

春先に土の中から顔を出す人気者だが、その実態は『地獄草』の別名を持つ「スギナ」の胞子茎であり、農家泣かせの厄介な雑草だそうだ。

地下茎は地中で長く伸び、畑を耕して切断されても再生することができるので、人間の手による除去は困難である。春、根が深いことから『地獄草』の別名を持つ。

出典:ウィキペディア

畑のツクシは少ししか残っておらず、すでにその周辺に「地獄草」の「スギナ」が生えていた。

見た目の可愛らしさに騙されてはいけないということを学んだ。

この群生している草花は「オドリコソウ」。

井の頭公園に生えている「ヒメオドリコソウ」よりひと回り大きく、華やかさもある。

和名オドリコソウは、「踊子草」の意で、花が輪生したようすが、笠をかぶって踊る踊子に似ていることによる

出典:ウィキペディア

「ホトケノザ」といえば春の七草のひとつだが、調べてみると、春の七草として食べる「ホトケノザ」はこの草ではないらしい。

こちらの草は、「ホトケノザ」。

所々に固まって見事な花を咲かせている。

春の七草の1つに「ほとけのざ」が挙げられるものの、これは本種のことではなく、標準和名をコオニタビラコというキク科の草である。ところが、このためにこの種を七草の「ほとけのざ」であると誤解されている場合がある。本種は食用ではないため、注意を要する。

出典:ウィキペディア

「コオニタビラコ」は黄色い花が咲く雑草で見た目も全然違いのに、どうして混同されたのか不思議である。

この季節としては少し背の高いこちらの草は・・・

植物識別アプリ『Picture This』で調べると、アブラナ科の『ブラッシカ・ラパ』と表示された。

ブラッシカ・ラパ(学名: Brassica rapa)はアブラナ科アブラナ属の野草で、多様な栽培植物の原種と考えられている。特に命名されておらず、学名をそのまま読んで表記される。古代から西アジアから北ヨーロッパの大麦畑に生える雑草で、古代、農耕文化が伝播すると共に、作物の種子に紛れて移動したと考えられている。

アブラナ属の植物は交雑しやすい特色を持ち、変種が多い。とりわけラパは数多く、野菜として利用されているものが多い。

出典:ウィキペディア

カブや白菜など様々な野菜がこの草の変種だという。

そして春のこの時期、畑でもっとも勢力を拡大しているのがこちらの草。

「ヤハズエンドウ 」、通称「カラスノエンドウ」である。

原産地はオリエントから地中海にかけての地方であり、この地方での古代の麦作農耕の開始期にはエンドウなどと同様に栽培されて作物として利用された証拠が考古学的資料によって得られている。そのため、若芽や若い豆果を食用にすることができるし、熟した豆も炒って食用にできるが、その後栽培植物としての利用はほぼ断絶して今日では雑草とみなされている。

出典:ウィキペディア

こちらはもう少し地味な「スズメノエンドウ」。

カラスより小型なので「スズメ」という名前がついたという。

マメ科の植物は繁殖力が強いため、これらの草が生えている一帯にはセイタカアワダチソウなどが育ちにくいらしい。

とはいえ、「ヤハズエンドウ 」は成長すると1m以上の鬱蒼とした茂みとなり、ツルを伸ばしてお互いに絡み合うため始末におえない。

セイダカアワダチソウなど他の硬い草と合体すると、もはや鉄壁の守りとなり草刈機では歯が立たなくなるのだ。

さらに、将来手強い敵となりそうなのが、こちらの「スイバ」。

噛むと酸っぱい味がするため「酸(す)い葉」と呼ばれ、昔は子供のおやつだったそうだ。

しかし茎が太く、成長すると1mほどになるため、こいつも早めにやっつけた方がいい。

そして最大の敵は、まだ地面から顔を出したばかりの小さなこの葉っぱ。

これが去年この畑を支配した外来植物「セイタカアワダチソウ」の赤ちゃんだ。

こいつを放置しておくと、2メートルを超える高さとなり、幹も木のように太く、強い繁殖力で畑一面を覆い尽くす。

だから、まだ小さくて柔らかい今の時期に、見つけ次第片っ端から刈り取ってしまうのが今年の私の作戦である。

草刈りは去年足を踏み入れるのも苦労した畑の奥の部分から始めた。

いろんな草がマダラ模様に生えている畑を草刈機で少しずつ刈っていく。

去年刈り取ったセイタカアワダチソウの茎が枯れて黒い棒のようになり、それにマメ科の雑草が絡みついているのを刈っていくのは見た目よりも労力がいる。

1日2〜3時間づつ3日間作業したが、結局全部をきれいにすることはできなかった。

草の下にところどころ使わなくなったコンクリートの柱や針金が放置されていて、それが作業を妨害する。

マメ科やイネ科の雑草は草刈機に絡みついて、時々作業を中断して回転軸に絡みついたツルを手で取り除く必要もあった。

こうして草刈機で刈っただけでは草の根は取り除けないので、どうせすぐに再生して次回来たときにはもっと鬱蒼とした草むらになっているのは間違いない。

考えてみれば虚しい作業ではある。

それでも、刈った草を集めていくつもの山を作っていくと、少し気分がすっきりとする。

草刈りの要領も少しはわかってきたかもしれない。

ポイントは、草に花を咲かさせずタネを作らせないことだ。

そうして若いうちに刈り取ることを続けていると、次第に減っていくという話を以前どこかのサイトで見た気がする。

去年は息をするのも憚られるほど、草刈りの最中に雑草のタネが飛散しているのがわかった。

あの失敗を繰り返さないためには、帰省のたびに手間を惜しまず草を刈ること。

これが2021年月一農業の目標である。

ちなみに、去年11月、桃の木が植えられた小さな畑を耕して、大根とラディッシュのタネを蒔いたのだが、5ヶ月経って行ってみるとヒョロっとした茎の3本、その先に花が咲いていた。

「えっ?これだけ?」

出来が悪くても勝手に大根ができるだろうと予想していたので、正直この畑の様子にはガッカリした。

試しに抜いてみると・・・

細い大根の根が現れた。

全然成長していない。

土が固かったのか、肥料をやらなかったせいか、何が原因かはよくわからないものの、とにかく予想もしないほど無残な結果に終わった。

所詮、作物を育てるなど10年早い。

まずは草刈りを極めること、無意味な作業だとわかっていても私は結構草刈りにハマっている。

<吉祥寺残日録>月一農業2020年11月/小さな畑を耕し大根の種を蒔く #201103

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