早いもので、もう2月も今日で終わり。
首都圏以外では今月で緊急事態宣言が解除されるが、東京は暖かくなるに従って多くの人が街に繰り出し、この分では予定通り3月7日で宣言が解除されるかどうかも怪しくなっている。

それでも、我が家のトイレのカレンダーを見ると季節は確実に春に向かって進んでいて、今日から七十二候の「草木萌動」となる。
カレンダーでは「そうもくきざしうごく」とルビがふられているが、一般的には「そうもくめばえいずる」と読むらしい。
『陽気にさそわれ草木が萌え出す頃』ということで、晴天の井の頭公園で、草木の「萌え」を探してみた。

まずは梅園に・・・。
井の頭公園の梅は少し遅めだが、さすがに2月も末、ほとんどの木で花が咲いていた。
いろんな種類の梅があるように思えるが、名前は書かれていない。

121種類の梅の花の名前が写真入りで紹介されているサイトを見つけ、井の頭公園に咲く梅の名前を突き止めてみようと照合を始めたが、すぐに断念した。
同じ白梅でも似たような品種がいくつもあって、さっぱり区別がつかない。

ここは諦めて、異なる品種だろうと思う梅の写真だけを並べるだけにしようと思う。

紅梅にも、いろんな種類があるようで・・・

八重っぽいものもあれば・・・

一重のシンプルな梅もある。
この紅梅は私の好みかもしれない。

梅とくれば、やっぱりウグイス?
梅の蜜を吸っているのだろうか、目の前の梅の木に2羽の小鳥がいた。

梅の花を比べると、その大きさがわかる。
ウグイスって、こんなに小さかったっけ?
と思っていたら、教えていただいた。
この鳥は、ウグイスではなく、メジロという。
慌てて調べてみると、確かにメジロのようだ。
目の周りも白い。

『梅に鶯』ならぬ、『梅にメジロ』。
ウグイスはメジロに比べて地味な色をしていて、我々が「うぐいす色」と認識している黄緑色は、実はメジロの色だったのだ。
世の中は本当に知らないことだらけ、また一つ勉強させていただいた。
でもこの写真が、草木が「萌え出る」一枚であることは間違いないだろう。

「草木が萌え出す」といえば、ほかの植物でも・・・。
梅園に何本か植えられた「サンシュユ」の黄色い花も咲き始めた。

ここにも、知らない黄色い花が・・・。
調べてみると、どうやら「ヒイラギナンテン」という植物らしい。

井の頭池の畔では、「コブシ」の木に白い花が開き始めていた。
猫柳のような産毛の生えた蕾を破って白い花弁が飛び出している木もあれば、まだ硬く引き締まったままの木もある。
同じ植物でも、一本一本の木によって時の進み方は違う。

「アジサイ」の枝の先からも若葉が顔をのぞかせている。

こちらは「ヤナギ」。
一見すると冬の装いのままだが、よく見ると枝の節々から薄緑の芽が・・・まさに「萌え出て」きていた。

白いツバキも可憐に咲いていた。
その後ろを水鳥が、ぬるみ始めた水を楽しむように、悠々と泳いでいる。
立春からの1ヶ月、何度か公園を歩き回り、密やかに進む春への歩みを眺めてきた。
まもなく、63歳の誕生日を迎えるが、初めて知ることばかりの新鮮な早春の日々だった。
【トイレの歳時記2021】
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おはようございます。季節を感じるブログが大好きで、井の頭公園の記事をいつも拝見させていただいています。ところで、この鳥、もしかしたら、メジロではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
いつも、ありがとうございます。
確かに、メジロのようですね。
勉強になりました。