2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
5月に小さな地味な花をたくさんつける植物を2つ記録したい。
井の頭池のほとりに植えられた「マユミ」と「ハゼノキ」だ。
「マユミ(真弓)」

井の頭池の北側を歩いていた時、低木にモジャモジャしているものを見つけた。
「マユミ」という名前の木だという。
沖縄を除く日本全国の山地に自生するニシキギ科の落葉樹。紅葉や個性的な果実を観賞するため、古くから庭木あるいは盆栽として親しまれてきた。
出典:庭木図鑑 植木ペディア

目立たない地味な木なので、この植物に注意を払う人はいないが、昔は弓の材料として珍重されたようだ。
枝には柔軟性があり、よくしなる。弓(丸木弓)の材料になったことが縄文時代の遺跡によって証明されており、「真弓」と名付けられた。弓に使われた木には、イチイ、ミズメ、ケヤキ、ニワトコ、ヤマナラシなどがあるが、「真」は「最高の」意味があり、マユミが高級な弓材であったことが分かる。
出典:庭木図鑑 植木ペディア
最高の弓の材料だから「真弓」。
女の子の名前に多い「まゆみ」もこの植物から来ているのだろうか?

よく見ると、小さな4弁の花が密集して咲いている。
雌雄異株で、雌の木には雌花を、雄の木には雄花を咲かせるというが、この株は中心部に雌蕊が伸びているようなので雌花だろうか?

秋にはピンクの実がなるそうで、葉が落ちる頃、この植物が最も注目される季節になるという。
その頃、再び観察することとしよう。
花言葉は「あなたの魅力を心に刻む」。
「マユミ」 分類:ニシキギ科ニシキギ属 特徴:落葉広葉樹・小高木 花が咲く時期:5〜6月 実のなる時期:10〜11月
井の頭公園の「マユミ」はここ!

「ハゼノキ(櫨の木)」

「マユミ」の木を右手に見ながら池に沿って西に進んでいくと、「御茶ノ水」の泉の近くに植えられた樹木に緑色の花が咲いているのを見つけた。
これまた地味な花で、一般の人がこの花を愛でることはあるまい。

この木は、1月にこのブログでも記録したことがある「ハゼノキ」である。
天皇が重要な儀式の際に纏う装束「黄櫨染御袍」を染める黄色の染料はこの樹木の樹液から取る。
関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄にかけた海沿いの山地に分布するウルシ科の落葉樹。原産地は中国、東南アジア、インドなどだが、室町時代以降(諸説あり)に渡来し、その後に各地で野生化したと考えられている。
江戸時代から昭和初期までは、この果実から蝋を採取し、和蝋燭や鬢付け油などに用いた。別名をロウノキという。
出典:庭木図鑑 植木ペディア

円錐形に咲く花をアップで見ると、一つ一つの花はウイルスのような不思議な形をしている。
黄緑色の花弁は5枚、「マユミ」と同じく雌雄異株で、ウイルスのトゲのように見えるのは雄蕊のようなので、おそらくこの花は雄花だろうと推測した。

下から見上げると、枝のところどころに鳥の巣のようなモコモコしたものが見える。
これが全部、花序である。

公園を歩いていても、これまで目に止まらなかった地味な花たちにも気づくようになっただけ、今年に入ってからの自分の成長を実感し密かにほくそ笑んでいる。
花言葉は「真心」。
「ハゼノキ」 分類:ウルシ科ウルシ属 特徴:落葉広葉樹・高木 花が咲く時期:5〜6月 実のなる時期:9〜11月
井の頭公園の「ハゼノキ」はここ!

井の頭公園の植物2021
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