2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
今日は井の頭公園の西南端にある野球場周辺に咲いている花をまとめてみた。
旧暦4月を表す「卯月(ウヅキ)」の語源となった「ウツギ」の仲間である「ヒメウツギ」と「タニウツギ」、さらに侵略性の強い外来植物「ナヨクサフジ」である。
「ヒメウツギ(姫空木)」

最初にこの花に気づいたのは、野球場ではなく自然文化園分園の入り口だった。
コロナのせいで閉園が続くゲートの前の花壇に白い花がたくさん咲いていた。

植物識別アプリで調べると『ヒメウツギ』と表示された。
「ウツギ」は茎が中空なことから「空木」と名付けられたが、別名「卯の花」とも呼ばれる。
古くから初夏の風物詩とされており、清少納言の随筆『枕草子』には卯の花と同じく初夏の風物詩であるホトトギスの鳴き声を聞きに行った清少納言一行が卯の花の枝を折って車に飾って帰京する話がある。近代においても唱歌『夏は来ぬ』で歌われるように初夏の風物詩とされている。
出典:ウィキペディア
旧暦の4月はこの卯の花が咲く季節という意味で「卯月」と呼ばれた。
豆腐の搾かす(おから)を「ウノハナ」と呼ぶのも、この純白の花に似ているからだという。

「ヒメウツギ」は小型の「ウツギ」であり、管理しやすいためよく庭木に利用されるそうだ。
ある意味、地味な低木ではあるが、よく見るとその花はとても可憐だ。
私は一発で、「ウツギ」のファンになってしまった。

この「ヒメウツギ」を野球場の裏手で見つけた。
よりによって、「犬のフンは、飼い主が持ち帰って下さい。」という案内板の脇に植えられている。
これではせっかくの「卯の花」も浮かばれないだろう。
日本人が昔から大切にしてきた花なのに、今ではほとんど話題にされることもないのは残念だ。
花言葉は「秘密」。
「ヒメウツギ」 分類:ユキノシタ科ウツギ属 特徴:落葉広葉樹・低木 花が咲く時期:5〜6月
井の頭公園の「ヒメウツギ」はここ!

「タニウツギ(谷空木)」

一方、赤い花を咲かせた低木も野球場の近くにあった。
「Picture This」で調べてみると「ハコネウツギ」と表示されたのだが、後で調べてみると「ハコネウツギ」は花の色が白から赤に変化する特徴があり、どうも違いそうだ。
似た種類で咲き始めから赤い花をつけるものに「タニウツギ」があった。
だが、正直この花が「タニウツギ」かどうか自信はない。

野球場の外野の土手にひっそり植えられているが、「ヒメウツギ」のように美しくはない。
それもそのはず、「タニウツギ」はスイカズラ科の植物で「ウツギ」とはまったく別種なのだ。
花言葉は「豊麗」。
「タニウツギ」 分類:スイカズラ科タニウツギ属 特徴:落葉広葉樹・低木 花が咲く時期:5〜6月
井の頭公園の「タニウツギ」はここ!

「ナヨクサフジ(弱草藤)」

野球場周辺で私が気になったのが、あたり構わずいろんな植物に絡まって紫色の花をつけているつる草だった。
ここではアジサイに絡まって這い上がり、アジサイを覆い尽くそうとしている。

「Picture This」で調べると、『ナヨクサフジ』と表示された。
ナヨクサフジは、ヨーロッパ南部~中央部、北アフリカ、南西アジア原産のマメ科ソラマメ属の一年草(稀に二年草、または多年草)です。
出典:ガーデニングの図鑑
飼料や緑肥として世界に広く導入されている植物で、逸出したものが各地で野生化しています。
現在ではすべての大陸において帰化植物として定着しており、田畑や道端、空き地などで見ることが出来ます。
日本には1943年に導入されて以来、北海道から沖縄まで、急速に分布域が拡大しています。

こちらでは植えられていた低木をよじ登り、私の背丈ほどの位置に花を咲かせている。
つるは1.5〜2mにも伸びるそうで、これだけ絡みつくと除去するのも一苦労だろうと要らぬ心配をしてしまう。
飼料や肥料として海を渡り世界中に拡散するとは、恐るべき「侵略性」である。

「ナヨクサフジ」が放出する化学物質は他の植物の育成を阻害・除去する「アレロパシー効果」を持つ。
在来種にとっては脅威だが、トマトなど相性の良い作物と一緒に植えると雑草を除去し成長を促す「コンパニオンプランツ」の役目を果たすという。
何事も使い方ということなのだろう。
花言葉は「世渡り上手」、なるほど。
「ナヨクサフジ」 分類:マメ科ソラマメ属 特徴:一年草 花が咲く時期:5〜8月
井の頭公園の「ナヨクサフジ」はここ!

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