<吉祥寺残日録>ウクライナ危機🇺🇦 国連でロシア非難決議が採択された夜、私はプーチンと会食した夢を見た #220303

変な夢を見た。

大きなテーブルに座って、プーチン大統領と会食をしている夢だ。

プーチンはいろんな人を順番に会食に招いていて、普通の人には刺身を出すのだが、気に入った人だけには「サザエのつぼ焼き」が付くというのだ。

本当はこんな会食に行きたくないのだが、行かないわけにはいかないので、テーブルの隅に腰掛けながら「サザエは好きじゃないからただの刺身がいい」と私は思っているという夢である。

なぜ唐突に「サザエ」が出てきたかというと、トイレにかけてあるカレンダー「和食の暦」にサザエが載っていて、それを毎日見ていたからだと思う。

夢というのは本当に不思議なものだ。

連日テレビで報じられるウクライナの悲惨な映像ではなく、プーチン大統領が大きなテーブルで側近ともすごく距離を置いて座る不思議な映像が私の潜在意識に残っていて、それがサザエと化学反応を起こしたのだろう。

あまりにシュールな夢なので、目覚めてから自分でもおかしくなった。

でも、この気乗りしない会食の感覚、実際に経験したことがあるとも思った。

そう、パワハラ系の上司から食事に誘われた時のあの嫌な感じだ。

40年近いサラリーマン生活、私は比較的恵まれた環境で過ごすことができたのだが、それでも苦手な上司の下で働かざるを得ない時も何度かあった。

ウクライナ東部の2州の独立を承認する際にプーチンさんが一人一人閣僚たちから意見を聞く場面、おどおどした閣僚たちの姿がいかにもパワハラ系上司の前に出た気弱な部下たちの姿と重なって見えた。

ワンマン社長の周りにはイエスマンばかりが集まる。

私は誰からに媚びへつらったりゴマスリをするのが苦手な人間なので、幸い理不尽なミッションを命じられることは少なかったが、パワハラ系上司との距離感はとても難しかった。

理不尽なプーチン的な人間は、どこの国にも、どんな会社にも、私たちの周りにもいるのだということを夢は教えてくれていたのかもしれない。

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ウクライナへの軍事侵攻から1週間が経ち、戦闘は予想通り激しさを増してきている。

首都キエフの中心部はまだ静かなようだが、ちょっと郊外に出ると住宅街が戦場と化している。

上の写真は、キエフの北西15キロほどにあるイルピンという街の様子だ。

ウクライナ軍はキエフに通じる橋を自ら爆破した。

アメリカも、「キエフは数日以内に陥落する可能性がある」との厳しい見通しを明らかにしており、私が予想した通り首都キエフへの総攻撃も迫りつつあるようだ。

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東部ドネツク州でも砲撃によって住宅地に被害が出続けている。

プーチン大統領が東部2州の支援を軍事作戦の口実にした割には、東からのロシア軍の侵攻はさほど変化はなく、戦線は膠着しているように見える。

この地域では長年戦闘が続いてきたため、ウクライナ軍がある種要塞化していたことが影響しているのかもしれない。

首都キエフ、第2の都市ハリコフと並んで、とても心配なのが南部の様子だ。

ジャーナリストがいる大都市と違ってあまり映像が入ってこないので状況がよくわからないが、ロシア軍は軍事拠点となっているクリミア半島から部隊を投入して、一つはアゾフ海沿いに東進してドネツクなど東部2州と支配地域をつないで自由に往来できる回廊を作ろうとしている。

これは私が取材していたボスニア紛争の際にも見られた戦争の常套手段である。

そしてクリミアから西に向かう舞台は、黒海沿いの軍港オデッサの占領を目指していると見られる。

オデッサを抑えれば、ウクライナは海への出口を失い、物資の搬入がストップして息の根が止まってしまう。

こうした同時並行的に各地で行われているロシア軍の動きを少しでも阻止するため、武器を持たない一般のウクライナ人たちがウクライナ国旗を手に道路を封鎖し抵抗を試みている。

私がもしウクライナ人だったら、同じように道路封鎖に参加するだろう。

ロシア軍が武力で蹴散らすつもりならほとんどなんの役にも立たないが、戦争慣れしていない若いロシア兵たちには一般人を殺して前進することには心の痛みが伴うはずだ。

こうして激しい戦闘が続く中、アメリカなどの呼びかけで国連総会の緊急特別会合が開かれ、ロシアを非難する決議が採択された。

安保理ではロシアが拒否権を行使したが、総会では拒否権は使えない。

3日間にわたり各国の大使が演説を行い、多くの国がロシアの侵略を最大限の表現で非難した。

そして2日に行われた採決の結果、賛成141、反対5、棄権35でロシア非難決議が採択された。

決議案に反対したのはロシアのほか、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリアの5カ国。

棄権したのは、中国、インドのほか、旧ソ連だったカザフスタン、キルギス、タジキスタンなど中央アジアの国々、キューバ、イラン、ニカラグアなど反米の国が目に付く。

個人的に気になるのは、アジアで棄権に回る国が比較的多かったという点だ。

ベトナム、ラオスといった東南アジアから、パキスタン、バングラデシュ、スリランカなどインド周辺の南アジア、イラン、イラクなど中東諸国まで広い範囲で曖昧な態度を取る国が広がり、ロシアだけでなく中国の影響力もうかがわせる。

ウクライナから他国に逃れる人の数も増え続けていて、国連難民高等弁務官事務所UNHCRは3日、ウクライナからの避難民が100万人を超えたと発表した。

EUはウクライナの隣国だけでなく各国が協同して避難民を受け入れると表明していて、日本政府も珍しくウクライナ人の受け入れを発表した。

そんな中で、ちょっと気になった情報があった。

「ウクライナ脱出、アフリカ市民「差別」 AUが抗議」という日本経済新聞の記事である。

アフリカ諸国が、ロシア軍が侵攻したウクライナから脱出する自国民が不公平な扱いを受けたとして抗議している。越境を妨げられたなどとする訴えが相次ぎ、アフリカ連合(AU)は2月28日「衝撃的な人種差別」だとする声明を出した。

ネット上ではアフリカ系の市民がウクライナからポーランド国境への列車への乗車を拒まれる様子とした動画などが拡散している。ナイジェリアのメディアは、白人が越境していく傍らアフリカの人々は足止めされたと報じた。同国のオンエアマ外相はウクライナのクレバ外相と電話協議し、自国民の脱出をウクライナの国境警備隊が妨げているとの情報に懸念を示した。

ウクライナは相対的に低コストで高等教育が受けられ、アフリカ出身の留学生が多く学んでいるとされる。

引用:日本経済新聞

真偽のほどはわからないものの、いかにもありそうな話である。

今回のウクライナの避難民とかつてのシリアからの難民では、ヨーロッパ諸国の対応が違って見える。

ウクライナは世界的に見ても「美人国」として知られ、涙を流す金髪の女性や人形のような子供たちが怯える映像は欧米の人たちの心を強く打つのは容易に想像できる。

それに対して紛争が絶えないアフリカや中東諸国では、難民の映像が日常化してしまっていて、「またか」の一言でスルーされてしまう傾向があるのではないか。

宗教的な問題も大きく関係しているかもしれない。

イスラム教徒に対する恐怖心から、シリアやイラク、アフガニスタンからの難民に対して厳しく門戸を閉ざしてきたヨーロッパ。

ところが、ウクライナはキリスト教の国である。

しかもカトリック教徒が多く、ロシア正教から迫害を受けたという宗教戦争的な意味合いを感じる人もいるかもしれない。

当然のことながらカトリック教会も救援活動に乗り出すだろうし、寄付も集まりやすいだろう。

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悲劇はウクライナだけで起きているわけではない。

大国の思惑で国を完全に破壊されたシリアの人たちの絶望感、大規模な市民運動が弾圧されて巨大な中国に飲み込まれていった香港の人たちの無力感。

一人一人の個人では、どうにもならない現実がある。

弱肉強食の帝国主義時代に逆戻りしないためにも、国際世論が一致団結して「悪いリーダー」と戦う必要があるのだろう。

今回のロシアに対する経済制裁は、一つのモデルケースとなるはずだ。

金融を中心に幅広いジャンルでロシアを孤立させることで「悪いリーダー」の政権基盤に打撃を与えることができるのか?

むしろその国の国民が被害者意識で団結して、逆に「悪いリーダー」の権力基盤が強化されることになってしまうのか?

私たちの未来を占う大きな賭けである。

東グータ地区

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