<吉祥寺残日録>波乱の年のお正月!心に刻んでおきたい桑田佳祐さんからのメッセージ #230101

あけましておめでとうございます。

今年もぼちぼち自分のペースでブログを書いて、衰えゆく記憶の穴を埋めながら生きていこうと思っています。

2023年の元旦、吉祥寺からもとても穏やかな初日の出が拝めた。

七井橋の上には今年もたくさんの人が集まり、太陽が昇る瞬間をカメラに収めている。

我が家は妻と2人だけの静かな元日、午前中は岡山に暮らす親たちに順番に電話して、みんなの元気な声を確認し、弟や息子からも電話をもらい大阪にいる孫たちの顔をオンラインで見ることができた。

お昼過ぎにはいつものように井の頭弁財天に初詣に出かける。

さすがに元日には参拝客が多く、拝殿の前には長い行列ができていたので、私たちは参拝はせず、おみくじを引き、裏の銭洗い弁財天でお札を洗っただけで帰ってきた。

また空いた頃を見計らってお参りさせてもらおうと思っている。

今年のおみくじは私も妻も「吉」だった。

『このみくじにあたる人は、これまでうもれぎの如く世にしられざりしもじせつ来りて開運に向いたり、この時あせらずゆるゆる考えて事をなしてよし』

まあ、焦らずに「ゆるゆる」考えればいいとの御宣託である。

我が意を得たり。

さらに・・・

『職はのぞみたかき事より、身の安楽なる事を望むべし』

神様は私のことをすでにお見通しのようである。

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しかし、そんな呑気な私のお正月の一方で、世界の情勢は今年も厳しいものになりそうである。

新年を前にロシアのプーチン大統領は、前線部隊を率いる南部軍管区を訪問し、兵士たちをバックに次のように国民向けの演説をした。

『われわれはロシアの未来と独立、歴史的にロシア領だった新たな地域に住む国民のために戦っている。ただ前進し、家族や祖国のために戦って勝利するだろう』

勝利を収めるまで戦争を継続する意志を改めて示すとともに、さらに・・・

『祖国の防衛は先祖と子孫に対する神聖な義務だ。道徳的かつ歴史的な正しさは我々の方にある』

この戦争が祖国防衛の戦いだと強調した。

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一方のウクライナ。

年末年始もロシア軍のミサイルが各地に着弾する中でゼレンスキー大統領は国土の奪還を国民に呼びかけた。

『新年は、われわれの領土、捕虜になった兵士やこれまでどおりの生活を取り戻す年にしよう。そのために戦う準備はできている』

一時はロシア軍の兵器不足や士気の低下が指摘されたものの、プーチン大統領は兵器の製造現場に徹底した増産を指示していて、戦争は完全にこう着状態に陥っている。

2023年も世界のブロック化が進み、エネルギーや食糧の逼迫が続く見通しだが、こうした中で今日から日本は国連の非常任理事国となり、G7の議長国の大役も務めることになる。

岸田総理は年頭所感を発表したが、その中には次のようなメッセージが含まれている。

 昨年は、新型コロナ・オミクロン株の大流行、ロシアによるウクライナ侵略、エネルギー危機や急速に進展する円安による物価高、さらには、安倍元総理の銃撃事件。歴史を画するような出来事が次々と起こる、正に、激動の一年となりました。

 なぜ、こうした出来事が続いているのか。それは、今、私たちの世界が、経済も国際秩序も、歴史的な分岐点を迎えているからだと考えています。

 この時代の大きな転換期にあって、その場に立ちすくむのではなく、皆の努力で、我々自らを変えることで、新しい時代にふさわしい日本を創り上げ、この困難な時代を乗り越えていく決意です。

 そのために、戦後日本が直面し、積み残してきた多くの難しい問題、「先送りできない問題」に、正面から立ち向かい、一つ一つ答えを出していく。これからも、この覚悟で、政権運営に取り組んでまいります。

引用:岸田総理 年頭所感

昨年12月に一気に決めた防衛方針の大転換はまさにこうした時代認識から決断したことだ。

そのうえで、G7議長国として『力による一方的な現状変更や核による脅しを断固として拒否するといった我々の強い意思を、歴史に残る重みをもって示していきたいと思います』と決意を述べている。

岸田総理は早速、イギリス、フランス、イタリアの3カ国を訪問し、5月の広島サミットへの地ならしに動く。

ある意味、日本がこれまで議長国を務めた中で、最も厳しく真価が問われる1年になるだろう。

そんな2023年の始まりにあたって、ひとつの曲を心に刻んでおきたいと思う。

それは昨夜の紅白歌合戦で歌われた桑田佳祐さんの曲『時代遅れのRock’n’Roll Band』。

ウクライナ侵攻後の去年5月に桑田さんが作詞作曲し、同じ年のミュージシャンである、佐野元春、世良公則、Char、野口五郎と一緒に発表したメッセージソングである。

その歌詞にはいくつもの共感できるフレーズが含まれていた。

この頃「平和」という文字が
朧げに霞んで見えるんだ
意味さえ虚ろに響く

世の中を嘆くその前に
知らないそぶりをする前に
素直に声を上げたらいい

旅路の果ては空遠く
まだ夢叶わずに
回り道を繰り返して

One Day Someday
いつの間にか
ドラマみたいに時代は変わったよ

目の前の出来事を
共に受け止めて
歌え Rock’n’Roll Band!!

我々が居なくなったって
この世の日常は何ひとつ
変わりはしないだろう

そんなちっぽけな者同士
お互いのイイとこ持ち寄って
明日に向かって
Twist and Shout, C’mon!!
…Shake It Up, Baby!!

子供の命を全力で
大人が守ること
それが自由という名の誇りさ

No More No War
悲しみの
黒い雲が地球を覆うけど

力の弱い者が
夢見ることさえ
拒むと言うのか?

One Day Someday
いつになれば
矛盾だらけの競争(レース)は終わるんだろう?

この世に大切な
ひとりひとりが居て

歌え Rock’n’Roll Band!!

闇を照らす

ダサい Rock’n’Roll Band!!

『世の中を嘆くその前に 知らないそぶりをする前に 素直に声を上げたらいい』

『そんなちっぽけな者同士 お互いのイイとこ持ち寄って 明日に向かって』

『子供の命を全力で 大人が守ること それが自由という名の誇りさ』

『力の弱い者が 夢見ることさえ 拒むと言うのか?』

さすが桑田さん、ちょっとリベラルな60男の素直な心の声がきっちり言葉になっている。

紅白で聞くまでこの曲を知らなかったこと自体、私の不見識そのものだが、面白くもなくチャンネルを回しながらチラ見した紅白歌合戦もこの一曲によって私にとっては得難い時間に変わったのだ。

桑田さんのように「お互いのイイとこ持ち寄って」、大きな悪に対して諦めずに声をあげていくこと。

その積み重ねしか、世界を変える方法はないように思える。

岸田さんには、「被爆地・広島出身の総理大臣」として、防衛力の強化一辺倒ではない多面的な平和外交を期待したいものである。

イマジン

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