<吉祥寺残日録>ウクライナ危機🇺🇦 ロシアの軍事侵攻始まる!世界史の転換点になる可能性があるこの危機を記録する #220224

世界中が恐れていたロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻がついに始まった。

しかも、軍事作戦の規模は多くの人が予想したよりもはるかに本格的で、首都キエフなど大都市近郊の軍事施設も精密兵器による攻撃目標となった。

ロシア軍による攻撃の全容はまだはっきりしないが、日本経済新聞の記事を引用しておく。

ロシア軍は24日、ウクライナの軍事施設へのミサイル攻撃を開始した。キエフなどの軍司令部が対象とみられる。ロシアのプーチン大統領が同日にウクライナ東部で特別軍事作戦を行うことを決めたと発表した。タス通信などロシアメディアが一斉に報じた。ロシアが支援する親ロシア派武装勢力が一部地域を占領するウクライナ東部の住民の保護が目的と述べ、「ウクライナの占領は計画に含まれない」と主張した。

ウクライナのクレバ外相はロシアがウクライナへの大規模な再侵攻を始めたと述べた。複数の都市が標的となっているとして「全面的な攻撃だ」と非難した。ロシア軍がウクライナ南部の港湾都市オデッサやマリウポリに上陸作戦をしかけているとの報道もある。米CNNは24日、現地時間早朝にウクライナの首都キエフで複数の爆発音が聞こえたと報じた。

プーチン氏の決定を受け、バイデン米大統領は「悲劇的な死と苦しみをもたらす計画的戦争を選んだ」と非難した。

プーチン氏は24日早朝(日本時間同日正午前)に国営テレビで放送したビデオ声明で表明した。「(ウクライナ東部の住民が)ロシアに支援を求めている。ウクライナ政権によるジェノサイド(集団殺害)にさらされている人々を保護するために(地域の)非軍事化を目指す」と説明した。あくまで人道目的での軍事作戦だと強弁した。

「ロシアの計画にはウクライナの占領は含まれていない」と説明し、ウクライナに抵抗を諦めるよう迫った。

引用:日本経済新聞

ロシア軍の攻撃を前にウクライナ政府は全土に「非常事態宣言」を発出していたが、攻撃後これを「戒厳令」に改めた。

ウクライナ危機は、イラン戦争などと違って、一つ間違えば核戦争の危険を孕むかつて経験したことのない本当の危機なのだ。

間違いなく、「キューバ危機」を超えるような歴史的な出来事として記憶されることになるだろう。

もしかすると、冷戦終結後の世界秩序を揺るがす歴史的な転換点となるかもしれない。

そこで私は、このウクライナ危機がどのように推移していくのか、同時進行的に記録していくことにした。

隠居暮らしとなった今、自分で現地取材はできないが、世界のメディアを毎日チェックし気になった記事をピックアップしてこのブログに書き残すスタイルで、どのように戦争が起きるのか、または戦争を防げるのかをウォッチし続けようと決めたのだ。

私は今、太平洋戦争に至る昭和の戦争の歴史を勉強しているが、第二次世界大戦の時の教訓とも照らし合わせながら、現代の指導者たちの決断を見つめていくつもりだ。

まずは、私が契約している日経電子版を利用して、ウクライナ危機のこれまでの推移を振り返っておく。

【10月18日】 ロシア、ウクライナ経由のガス追加入札を見送り

日本経済新聞の「ウクライナ情勢」には今日までに541本の記事がまとめられているが、その中で一番古い記事がこれだった。

ロシアは、冬に向けて需要が増えるヨーロッパ向けのガス供給について、ウクライナを経由したパンプラインの使用を絞ろうとしていたのかもしれない。

ロシアの国営ガス大手、ガスプロムは18日、ウクライナが実施した2021年11月分の天然ガスパイプラインへの追加輸送の入札への参加を見送った。欧州では天然ガスの需給逼迫で電力料金の上昇が続く。ガス供給の拡大に積極的ではないロシアの姿勢に批判が高まりそうだ。

ロシアと対立するウクライナ経由での供給を抑え、ほかのパイプライン経由の供給を増やす思惑があるとみられる。プーチン大統領は現在のペースで供給が進めば、2021年の欧州への供給量が過去最高を更新するとの見通しを示している。

ロシアには新たなガス管「ノルドストリーム2」の早期稼働を実現する狙いもあるとみられる。ガスプロムが9月に完工を発表したが、欧州連合(EU)の独占禁止を巡る規制の適用除外が認められず、稼働にはなおハードルが残る。

引用:日本経済新聞

【10月20日】米、対ロシア最前線に武器売却加速 米欧結束へ布石

バイデン米政権はウクライナやジョージアへの武器売却を加速させる方針だ。ロシアの脅威にさらされる最前線にある両国の自衛力強化を後押しする。ロシアに対抗する姿勢を明確にし、欧州との関係立て直しにつなげる思惑が透ける。

「ウクライナの主権や領土の一体性に対する米国の支持は揺るがない」。オースティン米国防長官は19日、ウクライナの首都キエフで開いた記者会見で力説した。ロシアは2014年にウクライナ領クリミア半島を併合した。今春には国境近くに10万人以上とみられるロシア軍が集結するなど依然として両国の緊張が続いている。

引用:日本経済新聞

アメリカは、ウクライナなどロシア周辺国への軍事的な関与を強めており、こうした動きもプーチン大統領を刺激したのかもしれない。

そして、今回の危機に直接つながるロシア軍の動きについて、アメリカ政府が公式に警告を発し始めたのは11月に入ってからだった。

【11月5日】米「ロシア軍が異常な活動」ウクライナ国境付近で

米国防総省のカービー報道官は5日の記者会見で「ウクライナ付近での異常なロシア軍の活動を監視していく」と述べた。ロシア軍がウクライナ国境近くで部隊を増強していると懸念を示したものだ。

ロイター通信によるとウクライナ国防省は2日夜、ロシア軍9万人がウクライナ国境付近で活動していると主張した。大規模な軍事演習を終えた後も部隊が国境付近にとどまっているという。

カービー氏はロシア軍について「あらゆる攻撃的行動を強く懸念する」と強調した。「ロシア軍の活動で異常なことは規模だ」と指摘したが、具体的な数字には触れなかった。

引用:日本経済新聞

【11月10日】ウクライナ国境再び緊張 米、ロシアの侵攻警戒

ブリンケン米国務長官は10日、国務省でウクライナのクレバ外相と会談した。会談後の共同記者会見で、ロシアが14年にウクライナ領クリミア半島を併合したことを念頭に「ロシアが14年の企てを焼き直すような深刻な過ちを犯すかもしれないと懸念している」と表明した。

クレバ氏も「国境でロシアの極めて攻撃的な行動を目の当たりにしている」と危機感をあらわにした。ウクライナの大統領報道官は7日の地元テレビ番組でロシア軍の結集を「確認していない」としていたが、クレバ氏は強い懸念を示した。

米ウクライナ両外相は10日、戦略的パートナーシップに署名した。合意文書に「両国はウクライナの主権や独立、領土の一体性について揺るぎない責任を強調する」と明記した。「ロシアが地域の平和と安定を脅かし、ルールに基づく秩序を弱体化させている」と名指しで非難した。

ロシア外務省は、ロシア軍が結集しているとの米国の主張について「フェイク(偽情報)だ」(ザハロワ情報局長)として真っ向から反発している。

引用:日本経済新聞

アメリカとウクライナの外相が「戦略的パートナーシップ」に署名したという事実は知らなかった。

【11月17日】[FT]ウクライナへの野心を隠さないプーチン氏

日本経済新聞が提携するイギリスのフィナンシャルタイムズは、この時点で次のような分析を行なっていた。

ロシアのプーチン大統領はこの春、ウクライナとの国境付近に集めていた数万人規模の兵力の撤収を命じた。この時点で、米政府の当局者らは地政学上の動乱を回避できたと考えていた。

ところが、この数週間で事情は変わった。撤収させたはずのロシアの兵力の大部分はウクライナの国境地帯を攻撃できる範囲にとどまっており、それが再び国境付近に集結し始めたことが明らかになった。西側当局者らが得た機密情報によれば、ロシアがウクライナへの侵攻を計画しているとみられる。

ウクライナの国防副大臣によると、米国が情報を分析した結果、ロシアがウクライナへの軍事上の侵略を一段と進める計画をたてている「可能性が高い」。ウクライナや米国の同盟国はまだ結論を下していないが、米政府の警告を受け、ロシアがウクライナ南部のクリミア半島を(一方的に)併合した2014年の時のような高い水準で警戒を強めている。

プーチン氏は最近、ロシア国営テレビで、北大西洋条約機構(NATO)がロシア側への通告なく、黒海で軍事演習を実施してきたことに懸念を表明した。これはロシアに対する「重大な挑戦」だとの認識を示した。

ロシアは、ウクライナ軍がドンバス地方の奪還を目指していると警戒する。紛争勃発後の数年間、ロシアの支援で優位に立った武装勢力を撃退できず、無力さをさらけ出したウクライナ軍も、米欧の助けを借りて技術面は大きく改善された。

プーチン氏が気にしているのは、ウクライナがトルコから軍用ドローン(無人機)「バイラクタル」を導入したことだ。シリア、リビア、ナゴルノカラバフ地域の戦場でロシアが支援する勢力に打撃を与えている兵器だ。ウクライナ当局が親ロシアの政治家ビクトル・メドベチュク氏を刑事告訴した件でもロシアは不快感を表明した。

「プーチンがウクライナに執着するのは、その問題が彼にとってなお片付いていない大事な仕事だからだ」とワイス氏は話す。「プーチンの頭の中では間違いなく、ウクライナがロシアの心臓部のすぐ近くで、NATOの空母のような役割を果たしているというイメージが膨らんでいるはずだ。米欧がウクライナの軍、情報機関に資金や人材を投入し、サイバー攻撃や政治工作の能力を向上させており、こうした活動をロシアとの融和のためだけに控える考えがないことも、プーチンは承知している」

ロシア政府がウクライナに敵意を見せる背景には、ウクライナのゼレンスキー大統領との協議が行き詰まったとの判断がある。プーチン氏と同氏の政権の幹部は、米国のいいなりになっているウクライナ政府との話し合いは無意味だと考えている。

ウクライナは何世紀も前から、帝国の一部だったり文化の影響を受けたりしてロシアとつながってきた。そんなウクライナにとって、同国東部を巡る紛争や危機の高まりは国の存亡に関わる問題だという事実を、ロシア政府は突きつけている。

プーチン氏は7月に書いたロシアとウクライナの「歴史面的な一体性」に関する5000語の論考の中でウクライナの国境の正統性に疑問を投げかけ、ロシア政府がウクライナを「反ロシア」には絶対にさせないと主張した。

政治分析会社R.ポリティークを創設したタチアナ・スタノバヤ氏は「プーチンはウクライナを国でなく、外国勢力が国土の外側で支配する領土だととらえている」と解説する。「ウクライナはロシアの勢力圏だ。そこではロシアが必要だと考えることは何をしてもよいと認めるよう、米国と話をする必要があると、プーチンは思っている」

ウクライナ東部紛争の重さは、ロシアと米国では異なる。足元の優先度はロシアにとっての方が、米国にとってよりも高く、その状態が続く限り、ロシアは米国が許容する対応策を上回る領域に踏み込もうとしているようにみえる。

引用:日本経済新聞

日本の専門家の話よりも具体的で、プーチンさんの頭の中が少し理解できるような分析である。

【11月26日】ウクライナで「クーデター企図の情報」大統領が発言

ウクライナのゼレンスキー大統領は26日の記者会見で「わが国で12月1日にクーデターがあるとの情報を得た」と明らかにした。ウクライナと対立するロシアが、ゼレンスキー政権と政商との関係悪化を利用し、背後で政変を画策しているとみている。ウクライナの通信社ウニアンなど同国メディアが伝えた。

クーデター企図の情報に関し、ゼレンスキー氏は「ウクライナの代表者たちがロシアの代表者たちと(ウクライナの有力な新興財閥を率いる)リナト・アフメトフ氏のクーデターへの参加について話し合っている」と指摘した。情報機関からの情報や、音声の録音データも得ていると語った。

引用:日本経済新聞

【11月26日】米大統領、プーチン氏との協議言及 ウクライナ情勢で

バイデン米大統領は26日、ロシアがウクライナとの国境近くで軍事活動を活発にしていることを「懸念している」と述べた。緊張緩和に向け、ロシアのプーチン、ウクライナのゼレンスキー両大統領と協議する可能性にも言及した。休暇先のマサチューセッツ州で記者団に語った。

引用:日本経済新聞

【11月30日】ウクライナ情勢緊迫 欧米・ロシアが非難の応酬

「最悪の事態に備える必要がある」。ラトビアの首都リガで11月30日に始まった北大西洋条約機構(NATO)外相理事会。ストルテンベルグ事務総長は記者会見でウクライナ国境で軍事力を増強しているロシアへの警戒を呼びかけた。9万人超のロシア兵がウクライナ国境に集まっているとの情報があり、緊張が増している。

会合に出席したブリンケン米国務長官はロシアがウクライナを攻撃すれば「深刻な結果を招くだろう」と警告した。AP通信によると、米国は欧州諸国にロシアがウクライナに侵攻する可能性を伝えている。

引用:日本経済新聞

【12月1日】「ロシアと直接交渉を」 ウクライナ大統領が年次教書

ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、最高会議(議会)で年次教書演説を行った。東部紛争などロシア側との軍事対立について「ロシアとの直接交渉なしには戦争を止められない」と述べ、緊迫する情勢の打開に向けて対話を求めていく方針を強調した。

軍備増強を急ぐ考えも表明した。「すべての可能性を利用し東部の領土を奪還するために戦う」として、2022年の安全保障・防衛予算に3200億フリブナ(約1兆3000億円)を投じると明らかにした。トルコの軍事用ドローン(無人機)の国内生産も始めると述べた。

引用:日本経済新聞

【12月2日】米ロ外相が会談 ウクライナ情勢巡り緊張緩和模索

ブリンケン米国務長官とロシアのラブロフ外相は2日、スウェーデンのストックホルムで会談した。

両外相の会談は欧州安保協力機構(OSCE)閣僚会合に合わせて行った。ブリンケン氏は会談の冒頭でウクライナ情勢を念頭に「ロシアが対立を求めれば、深刻な結果を招くだろう」と述べた。ラブロフ氏は「ロシアはいかなる紛争も望んでいない」と話した。タス通信は、会談は約40分で終了したと報じた。

引用:日本経済新聞

ブリンケン氏は同日に実施したロシアのラブロフ外相との会談について「非常に率直な意見交換だった」と話した。ウクライナ情勢をめぐる和平への道筋を示した「ミンスク合意」に基づき「外交を通じて誰の利益にもならない危機を回避することができる」と表明した。

ラブロフ氏との会談を踏まえ「(米ロの)両大統領が近い将来に直接話すことになるだろう」と語った。電話かオンライン形式での協議になる見込みだ。両首脳の対話が実現すれば7月に電話で話し合って以来となる。

引用:日本経済新聞

【12月2日】ロシア、NATO東方拡大阻止へ新提案

ロシアのラブロフ外相は2日、スウェーデンのストックホルムで開かれた欧州安保協力機構(OSCE)閣僚会合で演説し、欧州安全保障の立て直しに向けた新たな合意の枠組みを、近く米欧に提案すると表明した。新たな合意にロシアが猛反発してきた北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大の停止を盛り込むことと引き換えに、ウクライナ情勢を巡る緊張緩和に応じる構えだ。

ロシア外務省が公表した演説内容によると、ラブロフ氏は、プーチン大統領が1日の演説で、米欧中心の軍事同盟であるNATOのさらなる東方拡大や、ロシア領近くへの武器配備を排除する「具体的な合意の作成」を米欧との対話で主張していくと述べた、と指摘した。

その上で、ラブロフ氏は「近くその提案をする」と語った。新しい合意の枠組みは、米欧諸国やNATOとロシアとの間で、欧州安保に関する包括的な条約や協定を締結することを念頭に置いているもようだ。

引用:日本経済新聞

【12月3日】ロシアがウクライナ侵攻計画 22年早々にも 米紙報道

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は3日、米情報機関が作成した報告書の内容などとして、ロシアが来年早々にも大規模なウクライナ侵攻を計画していると報じた。

米情報機関によると、ロシア軍はウクライナ国境地帯の4カ所に集結しており、新たに戦車などが配備された。米当局者は「ロシアは早ければ2022年初めのウクライナへの軍事攻撃を計画している」と警告。「計画には推計17万5000人の兵士から成る大隊100隊による広域行動が含まれる」と予想した。

引用:日本経済新聞

さすがアメリカの情報機関、ロシア政府内にスパイがいるのだろう。

この情報は、記者の努力によるものか、それとも当局のリークなのか?

【12月6日】[FT]米、異例の機密共有 ロシアのウクライナ侵攻警戒

欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が、ロシアがウクライナを侵攻する構えかもしれないという米バイデン政権の評価を一気に支持するようになっている。ロシア政府の軍事態勢について米国が前代未聞の情報共有に踏み切ったためだ。

米国は何週間も欧州各国の政府と交渉を重ね、通常は最も緊密な同盟国だけに限定されている情報を提供した。これにより、ロシアが近く軍にウクライナ侵攻を命じる可能性に懐疑的だったドイツなど一部の欧州諸国も納得するようになった。米国の努力により、ロシアの軍事攻撃の抑止へ向けて、強力な制裁を警告する必要性を支持する声が一気に高まった。

引用:日本経済新聞

【12月6日】米欧、ロシアの脅威に「協調して対処」 5首脳が協議

英国のジョンソン首相は6日、米国のバイデン大統領やドイツ、フランス、イタリアの各首脳と緊張が高まるウクライナ情勢について協議し、ロシアの脅威に協調して対応する必要性を確認した。協議はオンラインなどで行われたとみられる。英政府が同日発表した。

協議は7日に予定するバイデン氏とロシアのプーチン大統領とのオンライン協議に先だって行われた。欧州からはまもなく正式に退任するメルケル独首相のほか、マクロン仏大統領、ドラギ伊首相が参加した。

引用:日本経済新聞

【12月7日】米ロ首脳協議、ウクライナ巡り応酬 平行線も対話継続へ

バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は7日、オンライン形式で2時間協議した。焦点だったウクライナ情勢を巡り、バイデン氏はロシアが軍事侵攻すれば欧州の同盟国と「強力な経済措置で対抗する」と伝えた。プーチン氏は「北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大を排除する信頼ある法的に定められた保証」を求めた。

バイデン氏は7日の協議で、最近のロシア軍の動向について深い懸念を表明した。ロシアが軍事行動をエスカレートさせれば「米国と欧州の同盟国は強力な経済的措置などで対抗する」と伝えた。一方でウクライナを含む外交による事態収拾も促した。

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は7日の記者会見で、ウクライナへの武器供与を加速させるほか、NATOに加盟するバルト3国やルーマニア、ポーランドの軍事力強化を支援する可能性に触れた。ウクライナに侵攻すれば「東方戦線のパートナーは自国の安全に懸念を強めるだろう。米国は積極的に対応したい」と語った。

米国は経済制裁の一環としてロシアのガスパイプライン「ノルドストリーム2」を稼働させないようドイツに迫る。ロシアとドイツをつなぐ計画で、プーチン氏はドイツに早期稼働を認めるよう求める。サリバン氏は「ガスが流れるのを望んでいるなら、プーチン氏はウクライナ侵攻のリスクを取りたくないかもしれない」とくぎを刺した。

ロシア大統領府の発表によると、プーチン氏は「NATOの東方拡大を排除する信頼ある法的に定められた保証」を求めると伝えた。ロシアはウクライナがNATOに加盟すれば、勢力圏を大きくそがれ、対立する米欧中心のNATO軍がロシアに接近して自国の安全保障が損なわれると懸念する。

ウクライナのNATO非加盟要求に加え、攻撃兵器をロシアの隣接地域に配備しないことも「保証」に盛るよう要求した。

ロシアがウクライナとの国境近くで軍事行動を活発にしているとの欧米からの批判については「ロシアに責任を転嫁すべきではない」と反発。NATOが武器の供与などを通じてウクライナへの関与を強めていることを「危険な試みだ」と主張した。

引用:日本経済新聞

【12月8日】バイデン氏、ウクライナへの軍派遣否定

バイデン米大統領は8日、ロシアがウクライナに侵攻した場合でも同国に米軍を派遣することに否定的な考えを示した。ホワイトハウスで記者団からウクライナに米軍を駐留させることに慎重かと問われ「それはテーブルの上にない」と明言した。

バイデン氏は「米国が一方的に武力を行使して、ロシアのウクライナ侵攻に対抗する考えは現時点ではない」と語った。ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)に加盟しておらず「(米国は条約に基づく防衛)義務がおよばない」と話した。

引用:日本経済新聞

【12月10日】ロシア、NATO決定の無効要求 ウクライナ将来的加盟で

ロシア外務省は10日、ウクライナとジョージア(グルジア)の北大西洋条約機構(NATO)の将来的な加盟を認めた2008年のNATO首脳会議の決定を、無効とするよう求める声明を発表した。

NATOのストルテンベルグ事務総長は10日「NATOとウクライナの関係は、NATO加盟国とウクライナによって決定される」と指摘、ロシアをけん制した。

引用:日本経済新聞

【12月11日】米大統領が対ロ警告 ウクライナ侵攻なら「東欧に増派」

バイデン米大統領は11日、ロシアがウクライナに侵攻すれば米国と北大西洋条約機構(NATO)が中東欧などに軍を増派すると警告した。「(ロシア)経済に壊滅的な影響を与える。大変な代償を払うことになる」とも述べた。欧州と協調してロシアに打撃となる経済的措置を講じる考えを改めて示した。

米東部デラウェア州ウィルミントンでの記者会見で明らかにした。バイデン氏はロシアがウクライナに侵攻した場合「ロシアによる攻撃から防衛するため、我々が防衛義務を負う中東欧9カ国や全てのNATO諸国に米国やNATOの軍を派遣しなければならない」と明言した。

引用:日本経済新聞

【12月12日】G7外相、ウクライナ侵攻なら「ロシアに厳しい代償」

開催中の主要7カ国(G7)外相会合で議長を務める英国のトラス外相は12日、記者会見した。11日までの議論でロシアがウクライナに軍事侵攻した場合、ロシアには「厳しい代償が伴う」との見解で一致したと表明した。

トラス氏はG7の総意は「ウクライナへの侵略はやめろということだ」と強調した。軍事侵攻に至れば「あらゆる選択肢を検討している」と圧力をかけた。欧米諸国は侵攻時の経済制裁を検討している。

引用:日本経済新聞

【12月15日】ロシア、米国に安全保障案を提示

ロシアのウシャコフ大統領補佐官は15日、新たな欧州安全保障体制をつくるための提案を米国側に示したと明らかにした。インタファクス通信が伝えた。ウクライナ情勢などを巡って高まる米欧とロシアの緊張緩和に向けた手がかりにしたい考えだ。

モスクワを15日に訪れたドンフリード米国務次官補(欧州・ユーラシア担当)に安全保障案を手渡した。ドンフリード氏は同日、ロシアのリャプコフ外務次官と会談していた。具体的な内容については明らかにしていないが、米主導の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大の停止のほか、定期的な軍事連絡、黒海などでの事故を防ぐため軍艦と航空機の最大接近距離に関する合意などが盛り込まれている可能性がある。

15日に開催したプーチン大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とのオンライン協議でも、プーチン氏から習氏に対し、ロシアが米国に安全保障の提案を示したと説明したという。

ウシャコフ氏は「ロシアの安全保障の確保に関わるこの極めて重要な問題について、直ちに交渉を開始する用意がある」と強調し、米国やNATO加盟国が前向きに反応するようプーチン氏が期待を示したと述べた。今後の欧州の安全保障に関する米国との協議には、ロシア側代表としてリャプコフ氏が参加する。

引用:日本経済新聞

【12月17日】ロシア、東欧から軍撤収要求 米欧との安保案公表

ロシア外務省は17日、米欧との緊張緩和に向けて提案した安全保障に関する新たな合意文書の全文を公表した。北大西洋条約機構(NATO)の拡大停止に加え、東欧からの事実上の軍撤収や核兵器配備を自国内に限ることを求めた。さらに旧ソ連をロシアの勢力圏と認めるよう暗に要求した強硬な内容で、協議は困難が予想される。

米政府高官は17日、記者団に対してロシアの提案をめぐり、受け入れられない項目と協議の余地が残る項目が両方とも含まれていると説明した。欧州の同盟国と協議し、来週中にはロシアに対して米欧としての具体的な提案をすると明らかにした。

新たな安全保障案はロシアと米国の条約案と、ロシアとNATOの協定案の2つが公表された。米欧がロシアによるウクライナへの再侵攻に警戒を強める中、ロシアは15日に米国に、16日にはNATO加盟国にそれぞれ案を提示した。協議が始まれば、米欧側が求める条項を加える可能性があるとしている。

米国との条約案は全8条からなる。プーチン大統領がウクライナの加盟阻止へ求めていたNATOの東方拡大停止のほか、①バルト3国を除く旧ソ連諸国に軍事基地を設けず軍事協力も発展させない②中距離ミサイルや核兵器を自国の外に配備しない③互いを攻撃できる地域への重爆撃機や軍艦の派遣を控える――ことを盛り込んだ。

一方、NATOとの協定案は9条ある。「互いに敵として見なさない」ことを定めた上で①欧州での軍配備はNATOの東方拡大前の1997年までの状態に戻す②ウクライナや他の東欧諸国、コーカサス、中央アジアで軍事行動をしない③ロシアの国境に近い地帯で軍事演習などをしない――ことなどを求めた。

米国、NATOとの交渉を担当するリャプコフ外務次官は17日、米欧とロシアの関係について「一触即発の(危険な)状態だ」として今回の提案を無視しないよう求めた。ただちに米国とNATO双方との協議を始めたい考えも強調した。

引用:日本経済新聞

アメリカとの条約案で「バルト3国を除く」とあえて書いているように、ロシア側が最初からアメリカが飲めない案を出してきたとは思えない。

まさに、ロシアが安全保障上必要だと思っている本音が書き込まれている印象を受ける。

【12月20日】[FT]ロシアの脅威下で新興財閥と闘うウクライナ大統領

ロシアと米欧の駆け引きが活発化する中で、当のウクライナでは何が起きているのか、英フィナンシャルタイムズの記事は興味深い。

米国の機密情報によると、ウクライナの国境近くに10万人以上のロシア軍兵士が集結し、同国は全面侵攻の脅威にさらされている。だが、窮地に立たされているゼレンスキー大統領はこの危険な局面に、同国で最有力の「オリガルヒ」(新興財閥の政商)であるリナト・アフメトフ氏との対決姿勢を強めている。

ゼレンスキー氏は先月下旬の記者会見で、ウクライナの情報機関はロシアを後ろ盾にしてアフメトフ氏からの支援獲得を目指すクーデター計画を把握したと証拠を示さずに発表した。

ゼレンスキー政権で国家安全保障国防会議の書記を一時務めたオレクサンドル・ダニリュク氏は、同氏の弱点は「ロシアによる侵攻の脅威が高まる中で、社会とエリート層を結束させる意思や能力がないことだ」と語る。

ウクライナと密接に協力したことがある欧米のある外交官は「ロシアが攻撃すると脅してきている今、ウクライナの親欧米勢力が協力し合うことが本当に重要になる。今のウクライナ国内の争いは有害だ」と述べた。

ゼレンスキー氏はウクライナ東部での戦争終結と汚職根絶を約束し、2019年の大統領選で勝利した。前者についてはほとんど進展がなく、改革の実績については功罪相半ばする。期待されたパンデミック(世界的大流行)からの力強い景気回復は失速した。

鉄鋼、エネルギー業界の大物実業家であるアフメトフ氏は、クーデター計画への関与疑惑を「嘘」だと否定した。専門家は同氏のテレビ局が次第にゼレンスキー氏に批判的になり、ウクライナきっての実力者2人の対立が激化したと指摘する。

多くの有権者が前任者への抗議票を投じた19年の大統領選に勝利して以降、ゼレンスキー氏の支持率は急落している。最近の世論調査は、ゼレンスキー氏が再選を目指す選挙で負ける可能性があり、今秋ウクライナ議会の議長を解任された元盟友のドミトロ・ラズムコフ氏が決選投票でゼレンスキー氏を破る位置につけていることを示している。

引用:日本経済新聞

【12月21日】プーチン氏、欧米が敵対的行動続ければ「軍事的措置」

ロシアのプーチン大統領は21日、北大西洋条約機構(NATO)が敵対的な行動を続ければ、ロシアは軍事的な対抗策をとると警告した。ロシアは2022年1月以降、米国やNATOとウクライナ情勢を巡って協議する見通しで、交渉を有利に進める思惑とみられる。

プーチン氏は同日のロシア国防省の会合で「西側諸国が明らかに攻撃的な政策を続けるなら、ロシアは適切な軍事的・技術的対抗策をとる」と語った。16日までに米国などに文書で示した欧州安全保障の合意案について「法的義務をともなう長期的合意がなくてはならない」とも述べた。

合意案はNATOの東方への拡大停止や東欧からの事実上の軍撤収を求めており、協議は難航しそうだ。タス通信によると、プーチン氏は21日、合意案について「最後通告ではない」とも語った。軍事行動をちらつかせ、交渉のカードにしたい考えとみられる。

引用:日本経済新聞

【12月27日】台湾・ウクライナに防衛支援 米国防権限法が成立

米国の国防予算の大枠と国防政策の方針を盛った2022会計年度(21年10月~22年9月)の国防権限法が27日、成立した。「統一」を目指す中国の威嚇にさらされる台湾、ロシアとの軍事的な緊張が高まるウクライナの防衛を巡る支援を強化する姿勢を鮮明にした。

上下両院で超党派の賛成多数により可決していた国防権限法案にバイデン米大統領が署名した。予算総額は7780億ドル(約89兆円)で、21会計年度より5%増えた。伸び率は前の年度比0.3%だった21会計年度を大きく上回る。

対ロシアも重点項目だ。22年早々にロシアが軍事侵攻するとの見方も浮上するウクライナの支援に3億ドルを費やす。バイデン政権は同国の主権・領土保全を支える方針を繰り返し示しており、軍備増強を支える。緊迫する現地の情勢を踏まえ、要求額の2億5千万ドルから増額した。

米国はロシアがウクライナに侵攻した14年以降、25億ドル以上の軍事支援を実施してきた。高度になるロシアの攻撃能力に対抗するため、ミサイルの軌道を解析するレーダー装置の設置や空軍基地の運用改善を進めるもようだ。ドローン(無人機)を撃ち落とす航空機システム、サイバー・電子戦の能力を高める訓練や機器などにあてることも想定する。

欧州の防衛強化を目的に創設した「欧州抑止イニシアチブ」には40億ドルを使う。34億ドルほどだった要求額を上回る。親ロシアのベラルーシやロシアと国境を接するバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の安全保障支援には1億5000万ドルを投じる。

引用:日本経済新聞

【12月30日】米ロ首脳異例の再協議 プーチン氏「制裁なら関係断絶」

バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は12月30日、軍事的緊張が続くウクライナ情勢を巡り電話協議した。12月7日にもオンライン形式で話したばかりで、首脳協議を月内に2回開催するのは異例だ。

米側の説明によると、今回の協議はロシア側が要請した。ホワイトハウスによると、バイデン氏は対話を通じた外交を支持する一方、ロシアがウクライナに侵攻すれば同盟国などとともに断固とした対応をとると警告した。経済制裁を含む対抗策を準備していると改めて伝えた。

一方、ロシアのウシャコフ大統領補佐官は、米側が制裁措置をとった場合、プーチン氏が「ロシアの欧米との関係の完全な断絶につながる」と応じたと述べた。インタファクス通信が伝えた。

引用:日本経済新聞

米ロ首脳による12月30日の電話協議は、ロシアのプーチン大統領の方からバイデン米大統領に開催を提案した。ロシア側は、12月中旬に提案した欧州安全保障の新たな合意案に対し、米欧側には消極的な姿勢が見えるとのいら立ちを募らせている。欧州安保を巡る1月の話し合いを前に、協議の進展を米欧に迫った。

ロシア側には、米欧が新たな欧州安保体制を巡る協議にきちんと向き合うのか、疑念がある。交渉担当者のリャプコフ外務次官は12月28日、「米国は協議のテーマを際限なく出すべきではない」と指摘した。1月に始まる米ロ、NATOロシアなどの協議ではロシアが求める安保の法的保証の問題に集中すべきだと主張した。

引用:日本経済新聞

こうして、米ロの溝が埋まらないまま、新年を迎えることになる。

【1月2日】米大統領、ロシアに改めて警告 ウクライナと電話会談

2022年は、バイデン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談から始まった。

バイデン米大統領は2日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、ロシアがウクライナに侵攻した場合には「米国と同盟国、友好国は断固とした措置を取る」と伝え、ロシア側に改めて警告した。

その上でバイデン氏は「ウクライナのことをウクライナ不在の場では決めない」との立場を強調した。NATOの東方不拡大の法的保証を求めるロシアに対し、ウクライナなどの意向を無視して決めることはないとの見解を重ねて示した。

引用:日本経済新聞

【1月4日】[FT]ロシアの侵攻に備えるウクライナ市民 戦闘訓練参加

ロシア軍による軍事侵攻の現実味が増す中、ウクライナの一般市民の間でも緊張が高まったきた。

ウクライナの首都キエフ郊外、いてつくような松林での戦闘訓練に初めて参加する39歳の女性オリガ・サロさんは、ピンクのスキージャケットに濃色のブルージーンズといういでたちだった。

世界の大部分がクリスマスを祝っていた2021年12月の酷寒の土曜日、博物館のガイドとして働くサロさんは、ロシアが本格侵攻してきた場合にはウクライナの国土を守ろうと志願した数百人の民間人とともに隊列を組んだ。

新規の志願者は木製の模型銃を手にしていた。それよりも経験のある志願兵や予備役は多くが迷彩服に身を包み、自動小銃を携えていた。

「最悪のシナリオに備えて、正しく対応できるようにしておく必要がある」とサロさんは話した。「準備ができていれば、事は起きないかもしれない。正規の軍隊だけでなく一般人の抵抗にも遭うとわかっていれば、敵は攻めてこないと思う」

ロシアがウクライナ国境沿いに10万人の兵力を集結させているとの報を受けて侵攻の準備ではないかとの不安が広がり、緊張が増すなかでの志願者の殺到だ。

サロさんが参加したのは、ウクライナ領土防衛軍が国内各地で毎週実施している定期訓練の一つだ。同軍は数年前にウクライナ軍から分かれて発足し、戦争勃発時に補助的な役割を担う数十万人の非常勤の予備役を訓練している。

21年から新規の志願者も訓練に参加できるようになり、全国的な募集広告に応じる人や、応募者に対して訓練や領土防衛軍への入隊を促すソーシャルメディア上での呼びかけに応える一般市民が増えている。

総人口4400万人のウクライナでキエフ国際社会学研究所が12月に行った世論調査では、男性の58%、女性のほぼ13%がロシア軍から国を守るために武器を取る覚悟があると答えている。男性の約17%、女性の25.5%は抗議や転覆活動など他の方法で反撃するとしている。

引用:日本経済新聞

【1月7日】NATO、ロシアの拡大停止要求を拒否 外相会合

北大西洋条約機構(NATO)は7日、外相会合をオンライン形式で開き、ウクライナ近隣で軍事的圧力を強めるロシアへの対応策を討議した。会合終了後に記者会見したストルテンベルグ事務総長は、ロシアが要求するNATOの拡大停止ついて「基本原則で妥協することはない」と拒否する考えを表明した。

ロシアはNATOの加盟拡大停止やロシアの近接地帯での軍事演習をやめるよう求める。ストルテンベルグ氏は「すべての国が自らの道を選ぶ権利がある」と述べ、ロシア側の要求に応じない姿勢を示した。NATO加盟にはウクライナやフィンランドが関心を示す。

NATOとロシアは12日、約2年半ぶりのNATOロシア理事会をブリュッセルで開く。外相会合ではNATO加盟国で意見をすりあわせた。

引用:日本経済新聞

【1月10日】米ロ、欧州安保協議 ウクライナ巡り溝深く

米国とロシアの両政府は10日、スイス・ジュネーブで2国間の「戦略的安定対話」を開いた。ロシアが2021年12月に提案した欧州安全保障体制に関する本格的な協議になる。ロシア軍の国境地域への部隊集結で緊迫するウクライナ情勢をめぐり接点を探るが、両者の溝は深い。

米国からシャーマン国務副長官、ロシア側はリャプコフ外務次官らが出席した。米国務省によると、シャーマン氏は9日にリャプコフ氏と会談し、主権と領土の一体性という原則を重んじると強調した。ロシアの国営テレビによると、リャプコフ氏は10日の対話を前に「譲歩しなければならないのは米国の方だ」と語った。

引用:日本経済新聞

米国とロシアの両政府は10日、緊迫するウクライナ情勢をめぐる協議を継続する方針で一致した。ロシアが2021年12月に提案した欧州安全保障体制に関する双方の溝は埋まらず、12日以降に開く北大西洋条約機構(NATO)などの議論も踏まえ調整を続ける。

引用:日本経済新聞

【1月12日】ロシア軍、クリミア半島などで軍事演習 1万人規模

ロシア軍の南部軍管区は12日、ロシアが実効支配するウクライナのクリミア半島などで1万人以上が参加する軍事演習を実施したと発表した。タス通信が伝えた。クリミア半島のほかロシア南部地域にある20以上の訓練場で、射撃や戦車などによる訓練を実施した。

引用:日本経済新聞

【1月17日】ウクライナ前大統領が帰国 国家反逆容疑で逮捕の恐れ

国家反逆容疑で捜査対象になっているウクライナのポロシェンコ前大統領が17日、ポーランドからウクライナに帰国した。空港前で支持者に演説後、拘束の可否を判断する審理のため裁判所に向かった。

ポロシェンコ氏は2014~15年、ウクライナ東部の親ロシア派を石炭密輸で支援した疑いなどが持たれているが、容疑を否認し、ゼレンスキー大統領が失政から目をそらすため罪をでっち上げたと反論してきた。審理の休憩中も裁判所に集まった支持者を前に演説し「(ゼレンスキー政権は)混乱している。プーチン(ロシア大統領)と戦う代わりに私たちと戦おうとしている」と現政権を非難した。

審理の中で検察は、ポロシェンコ氏に保釈金として10億フリブナ(約40億円)を要求した。

14年に大統領となったポロシェンコ氏は、再選を目指した19年の大統領選でゼレンスキー氏に完敗した。現在は国会議員となっている。

引用:日本経済新聞

ロシアは、この人を利用してウクライナに親ロシア政権を復活させるつもりなのだろう。

【1月18日】欧州安保「対話の用意」 ロシア・ドイツ外相会談

ロシアのラブロフ外相とドイツのベーアボック外相は18日、モスクワで会談した。ロシアが提案した欧州安全保障について、ベーアボック氏はロシアと対話する用意があると会談後に述べ、ロシアと米欧の主張が対立する緊張関係の緩和に取り組む考えを示唆した。

タス通信などが同日伝えた。会談では、ロシアが米国や北大西洋条約機構(NATO)に2021年12月に提案した欧州安保に関する合意案について議論した。ベーアボック氏は会談後の会見で「欧州共通の安全保障を強化するための相互協定や措置について、(ロシアと)真剣に対話する用意がある」と述べた。

引用:日本経済新聞

【1月19日】[FT]ロシアが進める「脱ドル」欧米の制裁強化を見越す

ロシアは、想定される西側の経済制裁に備える準備も始めていたという。

英フィナンシャルタイムズの記事は、日本メディアより多角的で役に立つ。

ロシアが世界の金融システムへの依存を減らす体制づくりを進めている。欧米諸国がウクライナへの新たな攻撃があれば制裁を科すとロシアに警告しているなか、制裁が科されても耐えられる体制を整えつつある。

アナリストらは、投資家がロシア政府の「フォートレス(要塞)ロシア」戦略が相対的に成功しており、欧米諸国の脅しは以前ほど大きな抑止力にならないだろうと話している。一方、欧州連合(EU)はロシア産ガスへの依存を断っておらず、ロシアからのエネルギー輸入を制限したら、EUにとって自傷行為となるかもしれない。しかもロシアが供給を制限して報復するという可能性も残る。

現在欧米諸国が議論しているロシアへの制裁は、ロシアが2014年にウクライナ領のクリミア半島を併合した後に実施された制裁の域を大きく超える可能性がある。イランと北朝鮮を世界経済から事実上切り離したような、懲罰的な制裁のようなものになるかもしれない。

だがロシア財務省は、米財務省の外国資産管理局(OFAC)が打ち出す可能性のある措置への対抗策に取り組む部門を立ち上げ、過去何年も最悪のシナリオを念頭にストレステストを実施してきた。そのため、ロシア経済は米国の制裁措置にさえ耐えられると話している。

引用:日本経済新聞

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【1月19日】米大統領「ロシアのウクライナ侵攻想定」

バイデン米大統領は19日、ホワイトハウスで記者会見し、ロシアのプーチン大統領が2014年に続きウクライナへの軍事侵攻に踏み切るとの見方を示した。「私の推測では彼は侵攻するだろう」と述べた。侵攻した場合はロシアの銀行によるドル取引を停止する措置を検討していると明かした。

20日に就任から1年になるのを前に開いた記者会見は2時間近くにおよんだ。バイデン氏はプーチン氏について「中国と西洋の間で自分の居場所を見つけようとしている状況だ。彼は何かしなければならない」と指摘した。

バイデン氏は大規模な侵攻と別に「小規模な侵攻があった場合にどう対処するか議論する場合もある」と言及した。小規模な侵攻だった場合は制裁も弱める意向を示唆した発言とみられる。

ウクライナに侵攻すれば「ロシアにとっては最悪の事態になる」と改めて警告した。欧州の同盟国などと協力し「ロシア経済に厳しい代償と大きな損害を与える準備ができている」とも語った。

ロシアは21年12月に欧州の新たな安全保障体制に関する合意案を提示した。バイデン氏はロシアが強く要求する北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大停止を確約するのは難しいとの考えを示した。一方、NATOがウクライナに戦略兵器を配備しない保証については「何かできるかもしれない」と話した。

米欧はロシア軍がウクライナ国境付近に10万人規模の部隊を展開していると分析。14年に続きウクライナに侵攻できる態勢が整っていると警戒する。バイデン氏はロシアが懸念するウクライナのNATO加盟について「近いうちに加盟する可能性は高くない」と明言した。

引用:日本経済新聞

アメリカ大統領が「侵攻するだろう」と公式な場で述べたことは衝撃的で、その意味合いは非常に大きい。

それだけ確かな情報が情報機関から上がっていたということだ。

ロシア政府内部の中枢にもスパイがいることを示すちょっと危険な発言だが、この時点でバイデンさんは機密情報をオープンにすることで、ロシアの動きを鈍らせたいという戦略を決断したのだろう。

【1月20日】米財務省、親ロ派ウクライナ人に制裁

米財務省は20日、ウクライナの不安定化を狙うロシアの活動を支援したとしてウクライナの元政府関係者ら4人に制裁を科したと発表した。声明によると、ロシアと対立するウクライナ政府高官の誤情報を意図的に流したり、同国の重要インフラに対するロシアのサイバー攻撃に協力したりした。

今回の制裁対象となったのはウクライナの現職国会議員2人と元政府関係者2人。財務省によると、情報機関であるロシア連邦保安局(FSB)の指示を受け、ウクライナや米国などでロシアの影響力を高めようする役割を担った。制裁の発動により、米国にある資産は凍結され、米国内での金融取引なども禁じられる。

議員のひとりは影響力を持つ報道機関を使ってウクライナのゼレンスキー大統領の側近を誹謗(ひぼう)中傷し、大統領をおとしめるFSBの計画を支援。別の議員は米国の選挙に影響を与える情報をロシア政府に提供した。ロシアに亡命したウクライナの元政府関係者はロシアによるウクライナのエネルギー関連インフラへのサイバー攻撃を支えた。

引用:日本経済新聞

戦争となると実際に戦闘が行われる最前線だけでなく、敵の内部を混乱させるこうした作戦も至る所で展開される。

こうした雑報にこそ、戦争の真の恐ろしさが潜んでいるように感じる。

【1月21日】カナダ、ウクライナに財政支援

カナダのトルドー首相は21日、米欧とロシアが対立し緊迫するウクライナ情勢をめぐり、ウクライナに最大で1億2000万カナダドル(約108億円)を融資すると表明した。「ロシアは経済面も含めてウクライナを不安定にしようとしている」と述べ、財政支援を通じ、国境付近での軍備増強を進めるロシアをけん制する考えを示した。

トルドー氏は「ロシア軍のウクライナへのいかなる動きも絶対に容認できず、国際社会の明確な対応が必要だ」と語った。カナダは自国内にウクライナ系カナダ人や移民を抱える。

引用:日本経済新聞

ウクライナ危機に対しどのようなメッセージを打ち出すかは、まさにリーダーの資質に関わる。

【1月22日】ウクライナに親ロシア政権画策か 英が警告

英外務省は22日、ロシアがウクライナに親ロシア派の政権を樹立させようとする動きがあると警告した。親欧米路線のゼレンスキー現政権を失脚させ、親ロシアのムラエフ元ウクライナ最高会議(議会)議員を首班とする政権を発足させる工作が検討されているという。英外務省はロシアがウクライナへの侵攻と占領を計画しているとしている。

英外務省はアザロフ元首相ら4人の名前を挙げて、ロシアの情報機関が「接触を続けているとの情報がある」とも指摘。4人の中にはロシア情報機関の工作に関与したとして米財務省が20日に経済制裁を科したウクライナの元政府高官も含む。英外務省は4人の中にロシアのウクライナへの侵攻計画に現在も関与している人物がいると分析した。

引用:日本経済新聞

【1月24日】米、ウクライナ大使館員家族に退避命令

米国務省は23日、在ウクライナ米大使館に勤務する職員の家族に国外への退避命令を出した。2014年に続くロシアによるウクライナ再侵攻を想定した措置になる。緊急業務にかかわらない職員には自発的な退避を認め、現地に滞在する民間の米国人には退避を勧告した。

国務省は23日の声明で「ウクライナ国境沿い、ロシアが占領したクリミア、ウクライナ東部の治安状況は予測不能で、予告なしに悪化する可能性がある」と今回の措置の理由を記した。

引用:日本経済新聞

【1月24日】外務省、ウクライナに渡航中止勧告 在留邦人に出国促す

外務省は24日、ウクライナ全土の危険情報を「レベル3」(渡航中止勧告)に引き上げた。4段階の危険情報のうち退避勧告に次ぐ2番目の措置だ。ロシアによる軍事行動の脅威で緊迫する情勢を踏まえた。

在留邦人には「事態が急変する場合に備え、商用便などを利用して出国することを強く勧める」と促した。外務省の統計によるとウクライナには20日時点で250人ほどの在留邦人がいる。

引用:日本経済新聞

【1月24日】NATO、東欧に加盟国軍増派 米英はウクライナ退避命令

北大西洋条約機構(NATO)は24日、ウクライナ情勢の緊迫化を受け、同国周辺の東欧地域に加盟国の艦船や航空機などを増派すると発表した。米紙ニューヨーク・タイムズは、米政府も東欧に数千人規模の米軍派遣を検討していると報じている。

NATOのストルテンベルグ事務総長は声明で「(欧州)東部地域の強化を含め、すべての同盟国を防衛するために必要なあらゆる措置をとり続ける」と表明した。

フランスはルーマニアに部隊を派遣する用意があると表明した。オランダはブルガリアに戦闘機を送り、デンマークはフリゲート艦をバルト海に派遣することを決めた。

引用:日本経済新聞

【1月24日】EU、ロシアに警告 ウクライナ攻撃なら制裁

欧州連合(EU)は24日開いた外相理事会で、緊迫するウクライナ情勢を討議した。ロシアによるウクライナへの軍事的攻撃は「深刻な結果とコストをもたらす」と警告する文書を発表。具体的な制裁措置に向けた準備を進めるとともに、ウクライナ政権を支持する姿勢を鮮明にした。

ウクライナのゼレンスキー大統領とEUのミシェル大統領は24日に電話で協議した。AFP通信によると、ゼレンスキー氏はEU側が団結してロシアに対応することが重要だと呼びかけた。ウクライナはEU各国に武器を提供するよう呼びかけているが、ドイツが拒否していることなどが念頭にあるとみられる。

これとは別にEUのフォンデアライエン欧州委員長は24日、ウクライナに12億ユーロ(約1500億円)を追加支援すると発表した。同委員長は「紛争によって生じた資金需要に対処するのに役立つ」と述べた。

引用:日本経済新聞

【1月24日】米欧首脳が緊急協議 ウクライナ情勢巡り

バイデン米大統領が24日に欧州の首脳とオンラインでの緊急協議を開いた。緊迫するウクライナ情勢をめぐり、対話を通じてロシアとの緊張緩和をめざすべきだとの認識で一致した。ロシアの行動を抑止するため、ウクライナへの再侵攻を想定した東欧地域での軍備増強や経済制裁についてすり合わせた。

協議にはジョンソン英首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らが参加した。

緊迫するウクライナ情勢をめぐり首脳間で対ロシア政策で足並みをそろえる狙いがある。ウクライナと国境を接するポーランドのドゥダ大統領も参加した。

引用:日本経済新聞

【1月24日】対ロシア、バルト海も緊迫 スウェーデンが要衝に派兵

ウクライナを巡る米欧とロシアとの緊張が北欧にも広がってきた。バルト海におけるロシア軍の動きが目立ち、スウェーデン軍は要衝のゴットランド島に数百人規模の部隊を派遣した。緊張が一段と高まれば、軍事的な影響が及びかねないとバルト海沿岸の国々は警戒している。

ロシア海軍は24日、軍艦20隻を戦闘訓練のためバルト海に展開させたと発表した。タス通信が伝えた。実弾を使い、対潜水艦、防空、機雷対策を2月にかけて訓練する予定だ。

「我々はバルト海地域やそれ以外の地域で同じ課題に直面している」。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は24日、フィンランド、スウェーデンの両外相との会談後、共同記者会見でこう語った。

引用:日本経済新聞

戦争というものは周辺地域にも影響を与える。

ロシアは世界最大の国土を持つ国だけに、その周辺で何が起きるのか、こういう情報にも注意しておきたい。

【1月25日】ウクライナ、ロシア再侵攻説の否定に躍起 米に同意せず

ウクライナがロシアによる早期の軍事侵攻の可能性を躍起になって否定している。ウクライナに対するロシア軍侵攻が間近に迫っているとの見方は主に米国が示しているが、ゼレンスキー大統領や国防相らが真っ向から否定し、後ろ盾である米国との足並みが乱れている。

「(ロシア軍は攻撃の可能性を示すような)攻撃部隊を編成していない」。ウクライナ国営通信社ウクルインフォルムによると、レズニコフ国防相は25日、ウクライナの国境近くに集結しているロシア軍ついてこう述べ、現時点ではロシア軍による侵攻の可能性はないと否定した。

バイデン政権の警鐘に当事国のウクライナは同意できない。ダニロフ国家安全保障国防会議書記は24日、「大規模な攻撃が準備されていると確認できる根拠は全くない」と述べた。ゼレンスキー大統領に至っては19日、国民への呼びかけで米国政府や米英メディアによる再侵攻の情報を「フェイク(偽ニュース)」と呼んだ。

なぜウクライナが否定するのか。まず実際にそう認識している可能性がある。14年の侵攻以降、ロシア軍はウクライナとの国境近くに多数の部隊を維持して圧力をかけ続けてきた。ダニロフ書記は2021年末、約10万人のロシア軍部隊が集結しているとの米情報について、9万人が10万人に増えただけで特筆すべきことではないと指摘した。

タス通信によると、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表も24日の記者会見で「直ちに攻撃があるとの恐怖を募らせるような何かがあるとは思えない」と早期の再侵攻の恐れはないとの見方を示した。ウクライナや欧州は、米国が軍事圧力を強めるロシアへの対抗措置として意図的に再侵攻説を強めている情報戦と見て、自分たちが騒いでもロシアを利するだけとみなしているようだ。

ウクライナには、米国による再侵攻の情報が国内の政治や経済に及ぼす影響を防ぎたいとの狙いもある。ゼレンスキー氏は「パニック」を起こさないよう国民に呼びかけ、クレバ外相は通貨安や外国投資の減退に懸念を示した。通貨フリブナの対ドル相場はロシア軍部隊集結の見方が広がった昨年11月中旬以降、約10%下落した。

さらにウクライナは、14年から親ロシア派武装勢力との間で続く東部紛争の解決に向けた協議で、ロシアの軍事圧力を理由に譲歩を迫られかねないとも懸念しているようだ。和平への道筋を示した15年の「ミンスク合意」の履行をロシアから求められており、1月26日にはパリで独仏ロとの4カ国協議がある。ロシアの要求に屈したくないゼレンスキー氏は昨年12月、東部紛争に関して国民投票で問う考えも示唆した。

引用:日本経済新聞

自分たちの頭越しに危機がどんどん作られている状況の中、ウクライナのリーダーたちが軍事侵攻を否定し国民を落ち着かせようとする行動は、とても興味深い。

果たしてそれが責任ある行動なのかどうか、議論が分かれるところだろう。

【1月26日】北海ブレント一時90ドル台 ウクライナ情勢で上昇

26日のニューヨーク市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格は一時87ドル台まで上昇した。ウクライナを巡り米ロの緊張が高まるなか、地政学リスクを意識した買いが優勢となった。ロンドン市場でも北海ブレント先物価格が上昇、一時1バレル90ドル台で取引され、2014年以来の高水準となった。

引用:日本経済新聞

【1月26日】米欧「原則譲らず」ロシアに回答、東方拡大停止拒否

米政府と北大西洋条約機構(NATO)は26日、ロシアが提案した欧州の安全保障体制構想について、それぞれ書面で回答したと発表した。ロシアが強く求めるNATOの東方拡大停止の確約を拒む一方、米国は双方が軍事演習を制限する案などを提示した。ロシアの対応が焦点になる。

米国のサリバン駐ロ大使が26日、ロシア政府に書面回答を渡した。ブリンケン米国務長官は近くロシアのラブロフ外相と会談し、米国が示した内容などについて話し合う。両氏は21日にもスイス・ジュネーブで協議した。

引用:日本経済新聞

この回答に対して、ロシアは当然反発した。

ロシア外務省が27日公表したラブロフ外相の発言によると、同外相は米国の書面回答について「主要な問題で肯定的反応はない」と述べ、NATOの東方拡大停止の拒否に不満を示した。「真剣な対話を始める希望が見いだせるのは副次的な問題だけだ」とも語った。

ラブロフ氏は「省庁間で調整しプーチン大統領に報告する」としたうえで「彼(プーチン氏)が今後の措置を決める」と述べた。ペスコフ大統領報道官によると、プーチン氏はすでに米国の書面回答を読んだという。

引用:日本経済新聞

【1月27日】中国外相「ロシアの懸念重視を」米国務長官と電話協議

米中両国政府は27日、ブリンケン米国務長官と中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が電話協議したと発表した。ブリンケン氏はロシアがウクライナを再侵攻した場合に世界にもたらす安全保障と経済のリスクを強調し、緊張緩和と外交が責任ある道だと伝えた。

中国外務省の発表によると、王氏は「欧州安全保障のメカニズムを形成すべきで、ロシアの合理的な安全保障上の懸念を重視し、解決すべきだ」と強調した。ロシアが21年12月に提案した北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大の停止を柱とする合意案を支持する考えを伝えた。

引用:日本経済新聞

【1月28日】プーチン氏、米書面回答に不満表明 仏ロ電話協議

ロシアのプーチン大統領は28日、フランスのマクロン大統領と電話で協議した。米国と北大西洋条約機構(NATO)がロシアに示した欧州安全保障に関する書面回答について、NATOの東方拡大の停止などロシアの主な要求が無視されていると不満を示した。書面回答を注意深く検討した上、今後の行動を決めるとした。

ロシア大統領府によると、欧州安保を巡っては、ロシアが2021年12月に米国とNATOにそれぞれ合意案を提案し、最も重視する項目としてNATOの東方拡大停止などを盛り込んだ。これに対し、米国とNATOは1月26日、主な要求を明確に拒否する一方、対話継続へ軍備管理交渉の可能性や演習の制限などを示した書面回答をロシアに渡した。

米国とNATOの書面回答に対するプーチン氏の反応が伝わったのは初めて。

28日のマクロン氏との電話協議では、親ロシア派武装勢力と政府軍の間で続く東部紛争にも触れた。プーチン氏は停戦と和平への道筋を示した2015年の「ミンスク合意」の履行の重要性を強調した。東部紛争を巡っては26日、独仏ロとウクライナによる実務協議がパリで開かれた。プーチン氏は4か国協議を継続する意向を示した。

欧州側は米国と協力しつつも、主体的に緊張緩和に向けた外交努力を続ける考えだ。ベーアボック独外相とルドリアン氏は近くウクライナのキエフを訪問し、同国政府と東部紛争をめぐる協議の条件などについて擦り合わせる。ロシアも含めた4カ国高官による協議も約2週間後にベルリンで開く予定だ。

引用:日本経済新聞

ロシアが出した安全保障案に対して、アメリカやNATOがゼロ回答で返したことがプーチンさんの決断を促したのか?

それとも最初から計画通りだったのか?

【1月28日】ベラルーシ大統領、「攻撃されれば戦争」年次演説で

ベラルーシのルカシェンコ大統領は28日の年次演説で、緊迫するウクライナ情勢などに関連して「(ベラルーシから)戦争は起こさない。戦争が起きるのはベラルーシとロシアが攻撃された場合だ」と攻撃されれば対抗する考えを示し、米国と北大西洋条約機構(NATO)の動きをけん制した。

ベラルーシ国営ベルタ通信が伝えた。ベラルーシはロシアと同盟関係にあり、エネルギーや金融分野などでの経済統合強化にも取り組んでいる。ルカシェンコ氏は「ロシアは第一のパートナーだ」と関係の深さを強調した。

ベラルーシとロシアは2月中旬にベラルーシ国内で大規模な合同軍事演習を予定しており、米欧は懸念を示している。ロシア軍はすでにベラルーシへの移動を始めている。ルカシェンコ氏は「防衛力を高めるために自国の軍隊を強化する必要がある」と述べ、西側諸国の武力による脅威が高まっているとの考えを示した。

引用:日本経済新聞

ここから、厄介な脇役が登場する。

ベラルーシの存在は、ウクライナ東部への侵攻や直接NATOと対峙しているという位置関係からプーチンさんにとっても重要性が一段と増してきている。

【1月28日】ウクライナ大統領「経済安定に5000億円」 ロシア侵攻説で

ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、キエフで記者会見し、ロシア軍によるウクライナ侵攻が近いとする米欧の首脳の発言やメディアの情報で国の内外に動揺が広がり「経済の安定のために40億~50億ドル(約4600億~5700億円)を費やすことになる」と苦境を訴えた。

ウクライナの通信社ウニアンなどによると、ゼレンスキー氏は28日、米欧のメディアによってウクライナで戦争が起きているかのような印象が与えられていると指摘し、「こうしたパニックは不要だ」と述べた。ロシアによる再侵攻の危険は「以前と比べて大きくエスカレートしているとは思っていない」と指摘した。

ゼレンスキー氏のこうした発言の背景には、国家体制の維持にとって最大のリスクは「国内の不安定化だ」との危機感がある。ウクライナでは国民や外国人投資家の間で懸念が広がり、通貨フリブナの対ドル相場が急落した。同氏は通貨単位には言及せず「125億のお金がウクライナ経済から流出した」と語った。

引用:日本経済新聞

【1月31日】中国、ウクライナ問題でロシア支持

ウクライナ情勢を巡る米欧と中国の立場の違いが鮮明になってきた。中国は1月31日の国連の会合で米欧を批判し、ロシアが示した欧州の安全保障体制構想を支持した。中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は台湾有事の試金石になり得るウクライナ問題を巡り、米国の対応を注視する。

国連の安全保障理事会が開いたウクライナに関する公開での緊急会合で、中国の張軍国連大使は「ロシアの正当な安全保障上の懸念を真剣に受け止めるべきだ」と主張した。

張氏は「北大西洋条約機構(NATO)は東西冷戦の産物だ。21世紀には冷戦のメンタリティーを捨てるべきだ」と断じた。「交渉を通じてバランスの取れた、持続可能な欧州の安保枠組みを考え出す必要がある」と提起した。

その前の1月27日、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相はブリンケン米国務長官との電話協議で「ロシアの合理的な安全保障上の懸念を重視し、解決すべきだ」と伝えていた。ロシアがこだわるNATOの東方拡大停止を確約しようとしない米欧を非難した。

引用:日本経済新聞

結局、漁夫の利を得るのは中国。

中国はウクライナとも良好な関係を保っているが、ここはロシア寄りの中立を保ち、ただただ平和解決を主張していくのだろう。

【1月31日】米カタール首脳、LNG安定供給へ協議 ロシア侵攻に備え

バイデン米大統領は1月31日、ホワイトハウスでカタールのタミム首長と会談した。ロシアがウクライナ再侵攻後に欧州への天然ガス供給を停止する事態に備え、両首脳は生産国であるカタール産の液化天然ガス(LNG)の安定供給を確保する方策を話し合った。米政府が発表した。

バイデン氏は会談の冒頭で「世界のエネルギーの安定供給、アフガニスタン支援の協力などについて話したい」と述べた。

カタールを「非北大西洋条約機構(NATO)同盟国」に指定するよう議会に通知すると明らかにした。すでに指定している日本や韓国などと同様に、軍事同盟であるNATOに加盟していなくても防衛装備品の共同研究・開発などが可能になる。

タミム首長は「アフガンでは我々の関係が強固で協力し合えるかを証明できた」と強調。「地域に平和をもたらすためにこれからも協調していく」と話した。

米欧はロシアが再侵攻すれば、大規模な金融・経済制裁に踏み切る方針だ。ロシアが対抗措置として欧州向けの天然ガスを止めるおそれがあり、米欧は供給不足と価格高騰を回避する対策を急いでいる。

米政府は十分な量の天然ガスを確保するため、中東やアジア、北アフリカなどの国や企業と安定調達に向けた交渉を始めた。有力な天然ガス産出国であるカタールも対象で、バイデン氏はタミム氏に安定供給を要請したとみられる。天然ガス消費量の3割をロシア産に依存する欧州の不安を和らげる。

引用:日本経済新聞

【2月2日】米、東欧などに3000人派兵 ウクライナ侵攻に備え

米国防総省は2日、東欧諸国などに計3000人規模の米軍を独自に派遣すると発表した。近く米国内や欧州の部隊を移動させる。ロシアによるウクライナへの再侵攻に備えて欧州に増派し、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する東欧の抑止力を高める。

国防総省によると、現在ドイツに駐留する1000人をルーマニアに移動させるほか、米南部ノースカロライナ州の米軍基地からポーランドに1700人、ドイツに300人の計2000人を派兵する。3カ国にはすでに米軍がいる。

引用:日本経済新聞

【2月3日】トルコ大統領がウクライナ訪問 対ロ仲介を提案

トルコのエルドアン大統領は3日、ウクライナを訪問してゼレンスキー大統領と会談した。トルコは緊張が高まるロシア、ウクライナ双方と密接な関係にあり、仲介を申し出た。ゼレンスキー氏は謝意を示したが、ロシアが応じるかは不明だ。

エルドアン氏は会談後に開いた共同記者会見で「ウクライナの領土の一体性を引き続き支持する」と述べた上で、ロシアとの緊張緩和に向け「2国間の対話の場を提供する用意がある」と述べた。

トルコにとってロシア、ウクライナはともに主要な観光客の送り出し国で、2021年は両国が人数ベースで3割を占めた。ロシアによる軍事侵攻が実現すれば観光業に深刻な打撃となりかねない。

トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国ながら近年はロシア製の地対空ミサイル「S400」を導入するなどロシアとも軍事的に接近している。トルコ領内のボスポラス、ダーダネルス海峡は黒海の出入り口で、緊張が激化すればNATOの軍艦通航などを巡って難しい対応を迫られる可能性もある。

引用:日本経済新聞

地中海から黒海への入り口を押さえるトルコは、意外に重要なポジションを占めることになるかもしれない。

【2月4日】中ロ首脳が相互支持 台湾・ウクライナ、民主勢と対決

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とロシアのプーチン大統領は4日、北京で会談した。緊迫するウクライナ情勢で習氏がロシアの立場を支持した一方、プーチン氏は台湾問題で中国の主張を受け入れた。米欧による安全保障強化の取り組みを批判し、民主主義勢力との対決姿勢を鮮明にした。

中ロが会談後に公表した共同声明は、領土など主権にかかわる問題で中ロが相互の立場を支持したのが特徴だ。ウクライナ情勢で焦点となる北大西洋条約機構(NATO)の拡大への反対を明記した。中国は「欧州の安保に関するロシアの提案を支持」と表明した。

一方、台湾問題ではロシアが中国の立場に賛同した。声明には「ロシアは(中国大陸と台湾が1つの国に属するという)『一つの中国』原則を支持し、台湾の独立に反対」と盛り込んだ。習氏は台湾の武力統一への意欲を隠していない。「核心的利益、国家主権、領土保全に対する相互支援を確認」とも記した。

欧米を中心とする民主主義陣営への対抗姿勢も示した。「民主主義と人権保護を口実にした内政干渉に反対」と記し、米欧の人権侵害批判を「内政干渉」と決めつけた。

プーチン氏は会談で「年100億立方メートルの天然ガスを極東から中国に供給する新契約を念頭に置く」と述べた。100億立方メートルはロシアから欧州への年間輸出量の5%強にあたる。ロシア大統領府によると、ロシア国営ガスプロムと中国国有企業が天然ガスの売買で合意文書に調印した。

引用:日本経済新聞

中国との貿易が保てれば、西側による経済制裁は怖くない。

プーチンさんは着々と準備をしていたことがわかる。

【2月6日】ロシアのウクライナ侵攻準備「非常に明確」米補佐官

米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日、米ABCテレビのインタビューでロシアがウクライナに再侵攻する可能性が「非常に明確にある」と述べた。想定される時期は「早ければ明日かもしれないし、数週間後かもしれない」として明確にはしなかった。

サリバン氏は、ロシアのプーチン大統領が「軍を配備し、いつでもウクライナを攻撃できる状態にしている」と語った。ロシアが事態を悪化させる手段を選べば「ウクライナの人々に莫大な犠牲を強いることになるだろう。同時に、プーチン氏にとっても真の戦略的な負担になる」と警告した。米政府はロシアの再侵攻で最大5万人の民間人が死傷すると分析している。

引用:日本経済新聞

【2月7日】ドイツ外相、対ロ制裁「代償」も覚悟 ウクライナを支持

ドイツのベーアボック外相は訪問先のウクライナで7日に記者会見し、ロシアに対して制裁に踏み切る場合には「(ドイツも)高い経済的な代償」を支払う覚悟ができていると語った。ドイツはロシアとエネルギー供給などで密接なため、ロシアに弱腰との批判があるが、「我々はウクライナの側に立っている」と強調した。

ロシアがウクライナに侵攻すれば、米欧は厳しい経済制裁を実施する方針だ。ただ、ロシアと関係が深いドイツなどの欧州各国は自国経済に悪影響が跳ね返ってくるため、強力な制裁に消極的との見方がある。ベーアボック氏は「誰もくさびを打ち込むことはできない」などと語り、米欧が一枚岩だとアピールした。

引用:日本経済新聞

EUの中核をなすドイツはロシアとの経済的結びつきが強く、アメリカなどと歩調を合わせられるか注目されていたが、この毅然とした姿勢、日本の指導者たちとは大きな違いがある。

国民に対し「高い経済的代償」を支払う覚悟をきちんと口にしたことは政治家としてとても勇気ある発言だと思う。

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【2月7日】米独、対ロシア制裁で一致 侵攻なら「ガス管稼働せず」

バイデン米大統領とドイツのショルツ首相は7日、ホワイトハウスで会談した。ロシアがウクライナに再侵攻した場合、ロシアに大規模な経済制裁を科す方針を確認した。バイデン氏は会談後の共同記者会見で、侵攻すれば独ロを結ぶ新たなガスパイプライン計画「ノルドストリーム2」は稼働しないと明言した。

バイデン氏は会見でロシアが再侵攻すれば「ノルドストリーム2はなくなる。我々はそれに終止符を打つ。できると約束する」と述べた。ショルツ氏も「我々は団結している。制裁に関しては一致して行動すると明確にしている」と語り、足並みをそろえた。これまでドイツは同計画が民間事業だとして介入を拒んできた経緯がある。

引用:日本経済新聞

【2月7日】仏ロ、ウクライナ問題平和解決で一致「今後数日カギ」

フランスのマクロン大統領とロシアのプーチン大統領は7日、モスクワで会談した。緊迫するウクライナ情勢について平和的な解決を目指すことで一致したが、具体的な行程は不透明なままだ。欧州はロシアとの交渉を加速する考えで、マクロン氏は「今後数日がカギを握る」と語った。

約6時間続いた会談後の記者会見で、プーチン氏は「ウクライナ情勢が平和的に解決することを望んでいる。事態打開の土台となる提案もフランス側からあった」などと語った。マクロン氏も「いかなる状況の悪化も防ぐよう努力しなければいけない。意見が一致する点も見つけた」と応じ、議論の成果を強調した。

ただウクライナ東部紛争解決への道筋を示した2015年の「ミンスク合意」の取り扱いについては、双方が従来の立場を繰り返した。プーチン氏はウクライナが「平和的に国の領土保全を回復するすべての可能性を無視し続けている」と語り、合意を履行していないとして批判した。マクロン氏は「合意の完全な履行を視野に、努力を続ける」などと表明するにとどめた。

北大西洋条約機構(NATO)を巡っても溝が残った。ロシアが求めるNATOの東方拡大停止を米国などが拒否したことに、プーチン氏は「ロシアの抱える中心的な懸念は残念ながら無視された」と不満を述べた。マクロン氏は拡大停止を決めるのは現実的ではないとの考えを示した。

引用:日本経済新聞

フランス大統領府は8日、ロシアが10日からベラルーシで本格化させる合同軍事演習について、終了後にロシア軍が部隊を撤収させる方針だと明らかにした。7日の仏ロ首脳会談でロシア側に確認したという。だが、ロシアはなおウクライナとの国境付近に10万人規模の部隊を展開している。緊張の緩和につながるかどうかは不透明だ。

合同軍事演習はロシアが極東地域などからも部隊を移動させ、10日からベラルーシ全土で本格的に実施する。20日に終了する予定だ。ロシア通信によると、両国軍合わせて6万~8万人が参加し、防空システムや戦闘機、戦車、装甲車などを投入する。

フランスのマクロン大統領は8日、キエフを訪れ、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。マクロン氏は会談後の共同記者会見で「ミンスク合意は、ウクライナが領土を守るための最良の手段となる」と述べ、合意の履行が今後の協議の軸になると語った。

引用:日本経済新聞

【2月8日】ウクライナにサイバー攻撃、検知倍増 ロシア関与か

ロシアによる軍事侵攻の懸念が高まるウクライナに向けたサイバー攻撃が急増している。SNS(交流サイト)上の不審な投稿など情報工作も含めた検知数は1月に倍増し、ウクライナ政府サイトも停止した。ロシア関与が疑われる。米欧も自国への波及に身構える。ウクライナを巡る緊張は、軍事力にサイバー攻撃や偽情報流布を組み合わせた「ハイブリッド戦」に拡大する恐れがある。

「ウクライナ軍のドローン攻撃で軍人1人が死亡」。1日夜、ロシア系メディアがツイッターで発信した「速報」が、またたく間にインターネット上を駆け巡った。事実なら軍事衝突のきっかけになりかねないが、その後、詳細な報道はみられない。ウクライナ関連では今、こうした真偽不明の情報が飛び交う。

ウクライナは工作に加え、直接的なサイバー攻撃にもさらされている。

1月中旬には外務省など約70の政府機関のウェブサイトが大規模サイバー攻撃を受けて停止した。これらサイトにはウクライナ語、ロシア語などで「最悪の事態を覚悟せよ」とするメッセージも表示された。ウクライナはロシアが関与したハッキングだと主張した。

ロシアは関与を否定した。だが、一連の工作や攻撃について、ロシア関与を疑う見方は多い。

引用:日本経済新聞

【2月8日】衆院、ウクライナ情勢「憂慮」決議 ロシア名指しせず

衆院は8日の本会議で、ロシアによるウクライナへの軍事的圧力に憂慮を示す決議を採択した。与党と立憲民主党、日本維新の会などの賛成多数で決めた。ロシアは名指しせず「いかなる国であろうとも、力による現状変更は断じて容認できない」と記した。

決議は「ウクライナ国境付近の情勢は国外勢力の動向によって不安定化し、緊迫した状況が継続している」と指摘した。「こうした状況を深く憂慮する」と強調した。参院も9日の本会議で同様の決議をする見通しだ。

文面にはロシアへの批判はなく「非難」という言葉も使わなかった。衆院は1日に中国の人権状況に懸念を示す決議をした。その時と同様に曖昧な表現にとどめた。

引用:日本経済新聞

【2月9日】ベラルーシにロシア軍の演習部隊到着

ロシア国防省は9日、10日からの合同軍事演習に参加する部隊が隣国ベラルーシに到着したと発表した。演習を指揮するゲラシモフ参謀総長も現地入りした。ロシア主要メディアが伝えた。ロシアがウクライナへの侵攻を準備していると主張する米欧は強く警戒している。

演習は「同盟の決意2022」で、20日までの予定。ロシア国防省は、地対空ミサイルS400がベラルーシ南西部の演習場に配置されたことも明らかにした。ロシアメディアが搬入される様子を映像で伝えた。

引用:日本経済新聞

【2月9日】欧州へのLNG融通、経産相表明 3月に数十万トン規模

萩生田光一経済産業相は9日、欧州に液化天然ガス(LNG)の一部を融通する方針を表明した。政府の要請に応じた日本企業がLNGを積んだ船を3月に欧州に着くように数隻向かわせるという。1隻に積めるLNGは7万トンとされ、数十万トン規模になる。

ウクライナ情勢が緊迫する中、バイデン米大統領の協力要請に応じて協調する姿勢を示す。岸田文雄首相は9日、記者団に「同盟国の米国からの要請と、欧州の厳しい天然ガス不足の状況を踏まえた」と語った。

引用:日本経済新聞

【2月10日】ロシア外相、国内の軍撤退要求は「遺憾」 英外相と会談

ロシアのラブロフ外相と英国のトラス外相は10日、モスクワで会談した。緊迫するウクライナ情勢や欧州安保を巡る議論は双方の意見の応酬に終始した。

インタファクス通信などが伝えた。トラス氏は会談後の記者会見で「もしロシアが本気で外交をしたいのなら、軍隊を移動させて脅しをやめるべきだ」と指摘。「ウクライナとの国境付近に(ロシア軍が)10万人の軍隊を駐留させる理由は、脅すため以外に考えられない」と断じた。ラブロフ氏は「自国領内での軍隊撤退の要求は、控えめに言っても遺憾だ」と応じた。

トラス氏はロシアとベラルーシが10日にベラルーシ国内で開始した合同軍事演習にも懸念を示した。ラブロフ氏はロシア軍はベラルーシでの演習終了後、自国に戻ると強調した。

引用:日本経済新聞

【2月10日】ロシア、ベラルーシで軍事演習 ウクライナで高まる緊張

ロシアとベラルーシの合同軍事演習が10日、ベラルーシ国内で始まった。ベラルーシ南部の国境からウクライナの首都キエフまではわずか100キロメートルしかない。米国や欧州の部隊も東欧に到着し、ウクライナ情勢は一段と緊迫してきた。

軍事演習「同盟の決意2022」は20日まで。ロシア通信によると、参加人数は計6万~8万人。北大西洋条約機構(NATO)はこのうちロシア軍は3万人とみる。演習場5カ所、飛行場4カ所で戦闘機や戦車の訓練を展開し、地対空ミサイルS400も配備した。

ベラルーシとロシアは同盟関係にある。ベラルーシのルカシェンコ大統領は1月に「戦争が起きるのはベラルーシとロシアが攻撃された場合」と述べた。合同軍事演習は通常なら2年に1度、秋に展開し、2021年9月に計20万人で実施したばかりだ。

黒海にも8日、ロシア海軍の艦隊が入った。大型揚陸艦3隻を含み、黒海に面するウクライナへの上陸作戦も可能とみられる。ロシアはウクライナとの国境付近に10万人規模の兵士を配備済みで、北・南・東と3方向からウクライナに侵攻できる態勢を整えた。

引用:日本経済新聞

【2月10日】バイデン氏「米国民は今すぐ退避を」

バイデン米大統領は10日、米NBCテレビのインタビューで、ロシアによる侵攻の懸念が高まるウクライナに滞在する米国人に「今すぐ退避すべきだ」と呼びかけた。米国民を救出するための米軍の派遣を否定し「米国とロシアが互いに攻撃を始めれば世界大戦になる」と述べた。

米欧はロシアがウクライナ国境近くに10万人超の軍部隊を集結し、2014年に続いてロシア軍が再び侵攻すると警戒を強める。バイデン氏は「我々はテロ組織を相手にしているわけではない。世界最大級の軍を相手にしている」と指摘。緊迫するウクライナ情勢について「これまでと全く異なる世界にいる」との認識を示した。

引用:日本経済新聞

「ウクライナ国内のアメリカ人を救出するために米軍を派遣しない」という発言はなかなかショッキングである。

「我々はテロ組織を相手にしているわけではない。世界最大級の軍を相手にしている」とのバイデンさんの言葉は重い意味を持っている。

さらに・・・

米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日の記者会見で、ロシアによるウクライナ侵攻について「いつ始まってもおかしくない」と述べた。「脅威は差し迫っている」とも語り、同国に滞在する米国人に48時間以内に退避するよう促した。

引用:日本経済新聞

【2月11日】ウクライナ全土で邦人退避勧告 外務省

外務省は11日、ウクライナ全土の危険情報を最も厳しい「レベル4」(退避勧告)に上げた。ロシアの軍事行動の可能性を踏まえ、在留邦人に速やかな退避を求めた。同省によると同日時点で150人程度いる。

「予断を許さない状況が続く。事態が急速に悪化する可能性が高まっている」と指摘した。「情勢次第で民間航空機の運航が停止される可能性も否定できない。商用機も含む最も安全な手段で直ちに退避してほしい」と促した。

首相官邸は退避勧告に伴い、危機管理センターにウクライナ情勢に関する連絡室を設置した。

引用:日本経済新聞

【2月11日】米軍、ポーランドへ3000人追加増派

オースティン米国防長官は11日、ポーランドに米兵3000人を派遣する方針を決めた。米国防総省高官が明らかにした。2月上旬に1700人の派遣を決めたばかりだが、ロシアによるウクライナ侵攻が差し迫っていると判断し、近隣の東欧諸国の守りをさらに固める。

引用:日本経済新聞

【2月12日】米ロ首脳が電話協議 バイデン氏「侵攻なら厳しい代償」

バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は12日、ウクライナ情勢を巡り1時間ほど電話で協議した。米ホワイトハウスの声明によると、バイデン氏はロシアがウクライナに再侵攻すれば、欧州の同盟国などと協調してただちに厳しい代償を科すと改めて警告した。一方、プーチン氏は米国と北大西洋条約機構(NATO)から受け取った欧州安全保障に関する書面回答について、ロシアの対応策を近く表明すると伝えた。

米政府高官は首脳協議後、記者団に「両大統領は米ロ政府間で今後も対話を続けることで合意した」と述べた。一方「数週間前からの状況に根本的な変化はなかった」と説明。「ロシアが侵攻に踏み切る可能性は十分ある」とも語った。

バイデン氏はプーチン氏に侵攻すれば多大な人を苦しめ、ロシアの国際的な地位を低下させるとも伝えた。対話の用意がある一方、制裁や東欧諸国への増派などを想定したシナリオもあると強調した。ウクライナ国境付近での軍事的緊張を緩和するよう促したもようだ。米ロ首脳が直接話すのは2021年12月30日以来になる。

米政府は12日、在ウクライナ米大使館に勤務する米国人職員に国外退去を命じた。ロシアも同日までにウクライナに駐在する外交スタッフの一部を国外に撤収させた。

引用:日本経済新聞

【2月13日】米「ロシア、この10日で軍備増強」ウクライナ侵攻警戒

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日、ロシアが「過去10日間、ウクライナ国境で軍備を増強している」と述べ、ウクライナ侵攻に改めて警戒感を示した。「ロシアの大規模な軍事行動が近いうちに始まる明確な可能性がある」とも強調した。

米CNNとCBSのテレビインタビューに答えた。ロシアが同国や隣国ベラルーシのウクライナ国境で軍備を増強していることで「軍事行動を極めて迅速に始められるようになっている」と指摘した。

ロシアのウクライナ侵攻が16日に始まるとの一部報道を巡り、サリバン氏は「いつかは正確に予測できない」としつつ「今週、北京冬季五輪が(20日に)閉幕する前」の可能性に重ねて触れた。

引用:日本経済新聞

【2月14日】ウクライナ西部に臨時の連絡事務所 政府、邦人保護巡り

松野博一官房長官は14日の記者会見で、ウクライナでの在留邦人保護を巡り同国西部リビウで臨時の連絡事務所の開設を準備していると発表した。一部を除く職員が退避し始める首都キエフの日本大使館の機能を補完する。

政府は在留邦人に国外退避を呼びかけている。松野氏は在留邦人の保護に向け「海外緊急展開チームを3週間程度にわたって派遣した。出国の働きかけなど大使館の領事業務を支援してきた」と説明した。

引用:日本経済新聞

一方、中国は・・・

中国外務省の汪文斌副報道局長は14日の記者会見で、在ウクライナ中国大使館が現地の中国人に「情勢の変化に細心の注意を払い、安全・防犯意識を強化するように指導している」と明かした。米欧日は現地の自国民に退避を呼びかけるが、ロシアと緊密な連携を維持する中国は注意喚起にとどめた。

汪氏は「(ウクライナに進出する)中国企業の安全と正当な権益を確実に守る」とも強調したが、現時点で退避勧告の可能性には言及しなかった。

引用:日本経済新聞

【2月14日】G7、経済・金融制裁の用意 ロシア侵攻なら

主要7カ国(G7)財務相は14日、緊迫するウクライナ情勢を受け、ロシアによる侵攻があれば「迅速かつ協調された強力な対応」を取るとの声明文を発表した。G7がロシア経済に「甚大かつ即時の結果をもたらす経済・金融制裁」を科す用意があると強調した。

引用:日本経済新聞

【2月14日】米、在ウクライナ大使館閉鎖 西部都市に機能移転

ブリンケン米国務長官は14日、ウクライナの首都キエフにある米国大使館を閉鎖すると発表した。ポーランド国境に近いウクライナ西部の都市リビウの拠点に大使館の機能を移す。ロシアによるウクライナ侵攻のおそれが高まっており、職員の安全を優先すべきと判断した。

ブリンケン氏は14日の声明で「ロシア軍の増強が劇的に加速しており、大使館業務を一時的にキエフからリビウに移す」と記した。 「ロシア政府との関わりを維持している。ロシアが誠意をもって関与すると選択すれば外交の道は残されている」と指摘した。ウクライナ政府への支援も継続すると強調した。

引用:日本経済新聞

【2月14日】NY原油、一時95ドル台 7年5カ月ぶり高値

14日のニューヨーク市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物が上昇し、一時1バレル95ドル台で取引された。ウクライナ情勢をめぐりロシアの侵攻が近いとの観測が強まり、2014年9月以来、7年5カ月ぶりの高値水準となった。

引用:日本経済新聞

【2月14日】プーチン氏、米欧との協議継続を了承 国営テレビ放映

ロシアのプーチン大統領は14日、モスクワでラブロフ外相と会い、欧州の安全保障に関する米国や北大西洋条約機構(NATO)との協議を継続することを了承した。米欧がロシアによる週内の「侵攻」の可能性について警戒を強めるなか、ロシア側の協議継続意向が緊張緩和につながるかどうかはなお予断を許さない。

協議継続はラブロフ外相が提案。国営テレビが会談の様子を放映した。

引用:日本経済新聞

【2月15日】首相、ウクライナ大統領らと電話 ロシアの侵攻懸念巡り

岸田文雄首相は15日夜、ウクライナのゼレンスキー大統領や欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長と相次ぎ電話で協議した。ロシアによる軍事侵攻の懸念を踏まえ緊張緩和に向けて外交努力を続けることで一致した。

首相は協議後、記者団に主要7カ国(G7)などと歩調を合わせ「仮にロシアの侵攻が発生した場合は起こった状況に応じて制裁を含めて対応する」と強調した。制裁にあたっては「日本の国益を念頭に考える」とも話した。

首相はゼレンスキー氏に少なくとも1億㌦規模の借款による支援の用意があると表明した。ウクライナの主権と領土の一体性への支持を伝え、在留邦人の保護についても意見交換した。

外務省によるとウクライナには14日時点で130人の在留邦人がいる。政府は11日に現地の危険情報を最も厳しい「退避勧告」に引き上げ、出国を呼びかけている。

フォンデアライエン氏は首相との電話協議で、日本政府による欧州への液化天然ガス(LNG)の融通に謝意を述べた。

引用:日本経済新聞

アリバイ的に遅まきながら首脳会談を行った岸田首相。

北方領土問題への影響を恐れて、ロシアを怒らせたくないのだろうが、これは北方領土など比較にならない大きな問題であり、何が本当の「国益」かをちゃんと考えて毅然と対応してもらいたいものだ。

ちなみに、林外相はロシアの閣僚と・・・

林芳正外相は15日、ロシアのレシェトニコフ経済発展相とオンラインで協議した。日本の外務省によると林氏はウクライナ情勢について「緊張を緩和し、外交的解決を追求するよう求める」と伝えた。

「対話を続けていけることを望んでいる。ウクライナ情勢は重大な懸念をもって注視している」とも話した。

引用:日本経済新聞

【2月15日】プーチン氏、軍撤収は「状況次第」 独と協議継続で一致

緊迫するウクライナ情勢を巡り、ショルツ独首相とロシアのプーチン大統領が15日、モスクワで会談した。ロシア国防省は同日、演習を終えた部隊の撤収を発表し、ショルツ氏は「良い兆候だ」と評価した。ただ、プーチン氏は今後も撤収を続けるかは「状況次第」とし、米欧への揺さぶりを強めている。

「今の状況は厳しく深刻にみえても、それが絶望的だと言うつもりはない」。会談後の共同記者会見でショルツ氏はこう述べた。ロシアがウクライナ国境に10万を超える兵力を結集させて一触即発の状況が続いているが、ショルツ氏は「外交による解決の可能性は尽きていない」として、ロシアとの協議を続けていく考えを示した。

プーチン氏も会見で欧州の安保について「協議を続けていく用意がある」と語った。戦争を望んでいるかを問われると「望んでいない」と回答。米国と北大西洋条約機構(NATO)から1月下旬に受け取った欧州安保に関する書面回答について、不満を示すだけでなく「いくつかの(評価できる)考え方があった」とも語った。

ロシア国防省は15日、各地での軍事演習を終えた部隊から順に「駐屯地への進軍が始まる」と発表した。撤収するのは南部や西部の軍管区部隊としている。プーチン氏はウクライナ国境からの撤収を進めていくのかと問われると「状況次第」と指摘。本格的な撤収は今後の協議の進捗などにかかっているとの考えをにじませた。

NATOのストルテンベルグ事務総長は15日の会見で「現時点でウクライナ国境でのロシアの軍事的プレゼンス低下は見られない」と述べた。米国のジュリアン・スミスNATO大使も「精査して検証する必要がある」と記者団に語った。「過去には緊張緩和だと主張しながら実態を伴わないことがあった」と懐疑的な見方を示した。

引用:日本経済新聞

この日のロシア軍撤収のニュースには、私も完全に騙された。

この時点ではまだ、ウクライナ侵攻はないと私は考えていたからだ。

今にして思えば、プーチンさんは去年の段階でもう軍事作戦を決断していて、この撤収のデモンストレーションも完全に情報を撹乱させる計画された一手だったのだ。

【2月15日】米大統領、ロシア軍撤退「確認できず」侵攻可能性残る

バイデン米大統領は15日、緊迫するウクライナ情勢についてホワイトハウスで演説した。ウクライナ国境近くから演習を終えて軍部隊を一部撤収させたとのロシア側の説明について「確認していない」と述べた。「侵攻の可能性は明らかに残っている」と語った。

バイデン氏はロシアがウクライナと隣国ベラルーシの国境沿いに配置した軍部隊は15万人以上に膨らんでいると表明した。これまで米政府はロシア軍の規模は10万人超との見方を示していた。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長も同日の記者会見で国境付近では緊張緩和の兆しはないとの見方を示した。

ロシア国防省は15日、ウクライナ国境近くから演習を終えて撤収を始めたとする軍部隊の映像を公開した。バイデン氏はロシアの発表について「いいことだ」と指摘しつつ、「我々はまだ確認していない」と話した。

引用:日本経済新聞

【2月15日】ロシア下院、大統領に承認要請 ウクライナ親ロ派独立

ロシア下院は15日、ウクライナ東部2州で親ロシア派武装勢力が実効支配する2つの地域を独立国家として認める法案について、プーチン大統領に承認を求めることを決議した。ウクライナの反発は必至だ。

親ロシア派武装勢力はウクライナ東部のルガンスク州、ドネツク州の一部を実効支配している。下院はプーチン氏に直接承認を求める法案と、ロシア外務省など関係機関に意見を聞き、それを踏まえて大統領に承認を求める法案の2案を審議し、賛成多数で大統領に直接承認を求める法案を決議した。

引用:日本経済新聞

【2月17日】親ロシア派武装勢力、ウクライナ軍が砲撃と非難

ウクライナ東部ルガンスク州の一部を実効支配する親ロシア派武装勢力は17日、ウクライナ軍が親ロシア派の支配地域に向けて砲撃したと非難した。ウクライナ軍と親ロシア派勢力との緊張関係が一段と高まるのは必至だ。

ロシア通信が伝えた。親ロシア派勢力によると、ウクライナ軍は親ロシア派勢力の支配地域に向けて迫撃砲やグレネードランチャーを使って4回砲撃したという。

引用:日本経済新聞

いよいよ、軍事侵攻の最終段階、謀略を仕掛ける段階に入った。

【2月17日】ロシアが米に回答 安保巡り強硬姿勢

ロシア外務省は17日、米国側に欧州安全保障を巡る協議に関する考え方を文書で通知した。欧州でのミサイル配備の凍結などに同意する一方、主な要求である北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大停止との一体的な協議を求めた。米国の対応が焦点になるが、このままでは協議進展は難しいとみられる。

17日の米国への文書は約10ページあり、サリバン駐ロシア大使に渡した。米国が1月下旬の文書で提案した、欧州での中距離ミサイルの配備凍結の実現へ協議で合意を目指す考えを示した。国境近くでの大型爆撃機飛行についても合意が可能だと述べ、ミサイル発射施設の相互査察も検討する意向を示した。

NATOの東方拡大停止や中・東欧諸国からの米軍撤退など重視する要求も改めて主張した。ロシアはこうした問題で米欧が譲る可能性が低いことは理解しているが、ミサイル配備など軍備管理の協議も並行して進めたい考えだ。

文書ではNATOの東方拡大停止などの主要な要求と、中距離ミサイルの凍結など副次的な項目が「一体的な性格」を持つと主張した。主要な要求に応じる用意が示されない場合は「軍事技術的性格の措置を含めて対応せざるをえない」と強硬な姿勢を示しており、米国が協議に応じられるかは不透明だ。

引用:日本経済新聞

【2月17日】首相、プーチン大統領と電話協議「重大な懸念」伝達

岸田文雄首相は17日夜、ロシアのプーチン大統領と電話でおよそ25分間協議した。緊迫するウクライナ情勢に関しロシアによる軍事侵攻の可能性を念頭に「重大な懸念をもって注視している」と伝えた。

「力による現状変更ではなく外交交渉で関係国が受け入れられる解決方法を追求すべきだ」とも促した。首相が協議後、首相官邸で記者団に語った。

両首脳の電話は2021年10月以来で林芳正外相らが同席した。首相はロシアが侵攻した場合の制裁の検討状況を伝えたかどうかは明らかにしなかった。

ロシア大統領府も17日、プーチン氏が米国や北大西洋条約機構(NATO)との安全保障に関する交渉内容を首相に伝えたと発表した。ウクライナ国内での紛争の原因を巡るロシア側の立場なども説明した。

引用:日本経済新聞

【2月17日】米大統領、ロシア「数日内に侵攻も」偽装工作も展開

バイデン米大統領は17日、ホワイトハウスで記者団にロシアが侵攻する可能性が「非常に高い」と述べた。ウクライナ国境付近でのロシアの動向について「軍部隊を撤収させておらず、より多くの軍を投入している。攻撃するためにウクライナに入る準備をしている」と語った。数日内に侵攻するおそれがあるとの認識も示した。

引用:日本経済新聞

バイデン米政権はロシアによるウクライナ侵攻のおそれが高まっている根拠として国境周辺の軍増強に加え、意図的にデマを拡散させる偽装工作を挙げる。親ロ派への攻撃を自演する「偽旗作戦」と呼ばれる行動で、2014年にウクライナ領クリミア半島を併合した際にも侵攻を正当化する手段に利用したとして米欧は警戒する。

「ロシアはこの出来事を民族浄化やジェノサイド(大量虐殺)と表現するかもしれない」とも予測。「ここ数日間、ロシアはすでに誤った主張を広め、世論の怒りを最大限に高めて侵攻を正当化する根拠をつくりあげようとしている」と非難した。ロシア政府は危機に対処する「芝居がかった緊急会議を招集するかもしれない」と話した。

米シンクタンクのアトランティック・カウンシルによると、2月になってから親ロ派武装勢力が実効支配するウクライナ東部のドネツク州でウクライナ軍が砲撃を始めたなどとの報道がロシア系メディアで増幅した。噴煙のようなものが写る写真も掲載されたという。

ウクライナによる攻撃で子どもを含む130人以上の民間人が死亡したなどと伝えたほか、ロシアに近いウクライナの野党国会議員は「ゼレンスキー大統領がロシア人虐殺を準備している」とも吹聴した。米側は「いずれも全くの誤りで、これから数日間はロシア国営メディアなどからさらなる虚偽報道が出ると予想される」(政府高官)とみる。

国務省のプライス報道官は16日の記者会見で「ロシアは侵略を始める前に捏造した口実を示すことが多い。まさにクリミア併合でやったことだ」と指摘した。「我々が経験したことと不気味なほど似ている」と懸念を示した。

米ランド研究所のリポートによると、ロシアがこうしたプロパガンダ(宣伝活動)を導入し始めたのは同国が親米欧路線に転じた旧ソ連南西部ジョージアに侵攻した08年以降だ。インターネットやSNS(交流サイト)、テレビ、ラジオなどから大量の情報を発信し「14年のクリミア半島の併合時に全面展開された」と分析する。

バイデン政権は1月半ば、ロシアがウクライナ東部に工作員を送り込み、偽装工作を始めていると明らかにした。2月初めには侵攻を正当化するための動画をつくっていると公表し、内容まで詳細に説明する異例の対応をとった。本来は機密扱いの情報を開示してロシアに計画の再考を促し、侵攻の抑止を狙った。

引用:日本経済新聞

【2月18日】米大統領「プーチン氏がウクライナ侵攻決断と確信」

このバイデン大統領の演説は決定的であった。

ロシアの軍事侵攻に懐疑的だった私も、この日の演説を考えを変えたのだ。

バイデン米大統領は18日、ホワイトハウスで緊迫するウクライナ情勢について演説した。ロシアのプーチン大統領がウクライナへの侵攻を決めたかどうかを記者団に問われ「現時点で彼が決断したと確信している」と述べた。一方で「ロシアはまだ外交を選択できる。緊張緩和のため交渉のテーブルに戻るのは今からでも遅くない」とも呼びかけた。

演説では「ロシア軍が数日以内にウクライナを攻撃しようとしていると信じる理由がある。標的はウクライナの首都キエフだろう」と明言した。ウクライナ国境での軍増強に加え、ロシアが侵攻の口実にする偽装工作が増えている現状に触れ「米国と同盟国・有志国が何週間も前から警告してきたシナリオとも一致している」と指摘した。

バイデン氏は18日、英国のジョンソン首相、ドイツのショルツ首相らと電話協議し、制裁を含む対ロ政策での結束を申し合わせた。ロシアによる軍備増強への懸念を共有し、緊張緩和のための外交を継続する方針を改めて確認した。ロシアの脅威に対抗するため、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する東欧諸国の防衛強化も協議した。

引用:日本経済新聞

【2月19日】外相、ロシア侵攻なら日本も制裁 G7会合後に表明

林芳正外相は19日、ロシアがウクライナに軍事侵攻した場合に制裁を科す方針を表明した。ドイツで開いた主要7カ国(G7)外相会合後に記者団に語った。「国際社会と連携し、制裁を科すことも含め適切に対応したい」と述べた。

林氏はウクライナの主権と領土の一体性を支持すると語った。会合で「国際社会の根本的な原則に関わる問題で欧州の安全保障の問題にとどまるものではない」と説明したことを明らかにした。

引用:日本経済新聞

そして、G7外相会議は声明を発表した。

主要7カ国(G7)は19日、独南部のミュンヘンで緊急外相会合を開き、ウクライナ情勢に関する共同声明を発表した。声明では、ロシアによるウクライナ周辺での軍備増強への「重大な懸念」を表明。ロシアに対話を呼びかける一方で、仮にウクライナに侵攻すれば「経済・金融制裁を含め甚大な結果を招く」と警告した。

声明では、ロシアに対して「緊張を緩和し、実質的な形でウクライナ国境付近から軍隊を撤収させる」ことを求めた。ロシアは部隊の一部撤収を発表したが、G7外相は「証拠を何も目にしていない」と指摘。「我々は、ロシアの行動によってロシアを評価する」とした。

さらにウクライナ東部での「軍事的エスカレーションの土台作りを行っているとしか見なしえない措置を特に憂慮する」として、親ロシア派武装勢力の行為を強く批判した。「偽装事案が軍事的エスカレーションの口実として利用されうることを懸念する」とも記した。

引用:日本経済新聞

【2月19日】ウクライナ大統領、2つの首脳会議提案

ロシアによる軍事侵攻の脅威に直面するウクライナのゼレンスキー大統領は19日、ドイツ南部ミュンヘンで開催中の安全保障会議で演説し、ウクライナの安全を保障する2つの首脳会議を開くよう提案した。

ゼレンスキー氏が提案したのは、1994年のブダペスト覚書の署名国である米英ロとの首脳会議だ。ブダペスト覚書はウクライナが核兵器を放棄する代わりに、同国に米英ロが安全保障を提供するという内容だ。その意義を問い直し、署名国から保証を得たい考えだ。

ただ、ブダペスト覚書の署名国による首脳会議にはロシアの反対が予想される。ゼレンスキー氏はもう一つ、米英仏ロ中の国連安保理常任理事国5カ国にウクライナとドイツ、トルコを加えた8カ国の首脳会議の開催も提案した。

引用:日本経済新聞

【2月20日】ロシア、軍事演習を延長 米国務長官「情勢は侵攻寸前」

ロシアは20日、同日終了予定だったベラルーシとの合同軍事演習の延長を決めた。ウクライナ東部の情勢が悪化しているためとしている。演習終了後にベラルーシから撤収するはずだった推定3万人規模のロシア軍は駐留を続ける。

ブリンケン米国務長官は20日の米CNNテレビの番組で「あらゆることが侵攻寸前だと示唆している」としたうえで「バイデン氏はいつ、いかなる形式でも対話の用意がある」とプーチン大統領に呼びかけた。ブリンケン氏はロシアが侵攻しなければ、24日にラブロフ外相と会談する。

ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力の衝突は激化している。停戦を監視する欧州安保協力機構(OSCE)は18日夜までの24時間で、ウクライナ東部ドネツク、ルガンスクで砲撃などの停戦合意違反を前日の80%増の計1566回確認した。米メディアによると、ウクライナ国境近くのロシア軍部隊の40~50%が攻撃態勢にある。

マクロン仏大統領は20日、プーチン氏と電話で協議した。ロシア大統領府によると、プーチン氏はウクライナ東部の緊張はウクライナ軍の挑発によるものだと主張した。仏大統領府によると、両首脳は外交的解決を目指すことで一致した。

引用:日本経済新聞

【2月20日】米、ロシアとの首脳会談受け入れ 「侵攻せず」条件

米ホワイトハウスは20日、緊迫するウクライナ情勢を巡り、バイデン大統領がプーチン・ロシア大統領との首脳会談を原則として受け入れたと発表した。ロシアがウクライナ侵攻に踏み切らないとの条件付きで、24日の米ロ外相会談で調整する。

フランス大統領府も、マクロン大統領がバイデン氏、プーチン氏とそれぞれ電話協議して米ロ首脳会談の開催を提案。両首脳が受け入れたと発表した。

米政府は声明で「我々は侵攻が始まる瞬間まで外交を追求する」と記した。ウクライナを囲むロシア軍は「すぐにでも本格的な攻撃ができる準備を続けているようだ」と指摘。侵攻すればただちに厳しい制裁を科す用意があると改めて警告した。

ブリンケン米国務長官は20日の米CBSテレビで、バイデン氏がロシアのウクライナ侵攻を阻止するためプーチン氏といつでも会談する用意があると明らかにしていた。「戦車や飛行機が動員され、侵攻が完全に始まるまではできる限りのことをやる」と述べた。

対面かオンラインかといった会談の形式は問わないとした。バイデン氏は18日に「プーチン氏が侵攻を決断したと確信している」と述べた一方で、外交での解決に望みをつないでいる。20日には、ホワイトハウスで国家安全保障会議(NSC)を開き、ウクライナの最新情勢について報告を受けた。

引用:日本経済新聞

【2月21日】欧州株下落、ドイツ11カ月ぶり安値

21日の欧州株式相場は大幅に続落した。ドイツの主要株価指数DAXは前週末比の下落率が2%を超え、約11カ月ぶりの安値水準で終えた。ウクライナ情勢の緊迫が強まり、持ち高を減らす売りが続いた。ロシア市場では主要指数のRTSが13%安と急落した。プーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派地域の独立承認を検討と伝わり、投資家のリスク回避ムードがさらに強まった。

引用:日本経済新聞

【2月21日】プーチン氏、ウクライナ親ロシア派地域の独立を承認

そしてついに、プーチンは一線を超えてしまった。

冷戦終結後、最大の危機がいよいよ始まった。

ロシアのプーチン大統領は21日、安全保障会議を開催し、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部の一部地域について独立を承認したと発表した。親ロ派支配地域にロシア軍を派遣する方針も決めた。ウクライナや米欧が一方的な決定として反発するのは必至だ。

臨時に開催した安保会議では、親ロシア派勢力が支配する地域の独立承認問題を諮問した。対象は親ロ派武装勢力がウクライナ東部で一方的に独立を宣言した「ルガンスク人民共和国」と「ドネツク人民共和国」。安保会議副議長のメドベージェフ前大統領ら政府幹部が相次いで独立を承認すべきだとプーチン氏に促した。

プーチン氏は親ロ派の独立を承認する大統領令に署名し、2地域とロシアとの友好相互援助条約にも署名した。会議後のテレビ演説でプーチン氏は、北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大を求めたロシアの提案が「無視された」として欧米の対応を批判した。また、ウクライナ軍からの攻撃によって2地域での紛争が激化していると指摘、「(2地域の)情勢は危機的な状況にある」などと承認の正当性を主張した。

また、プーチン氏はロシア国防省に対し、平和維持目的として2地域に軍隊を派遣するよう指示を出した。親ロ派の支配地域が独立国家として承認されたことで、ロシアと親ロ派が結託してウクライナ軍と武力衝突する事態も考えられる。

引用:日本経済新聞

さらに・・・

プーチン氏、ウクライナ東部へ派兵命令 平和維持を名目

ロシアのプーチン大統領は21日の大統領令で、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部の2地域にロシア軍を派遣するように国防省に指示した。平和維持が目的と主張し、ウクライナへのロシア軍の展開を正当化した。派兵命令で同国を巡る緊張は一段と高まる。

派兵の対象はロシアを後ろ盾とする親ロ派武装勢力が占領するウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州の一部地域。プーチン氏は派兵命令に先立ち、この2地域を独立国家として承認すると一方的に宣言していた。

大統領令では親ロシア派との外交関係の確立や相互協力などを定めた条約の締結も外務省に指示した。タス通信によると、この条約にはロシアが2地域に軍事基地を設ける権利が盛り込まれる。ロシア軍がウクライナ東部での長期的な駐留を狙っている可能性がある。

引用:日本経済新聞

【2月21日】プーチン・ロシア大統領のテレビ演説要旨

ロシアのプーチン大統領が現地時間21日夜(日本時間22日未明)、約55分間に及ぶテレビ演説で、親ロシア派武装勢力の占領地域の独立承認を表明した。主な内容は以下の通り。

【ウクライナ】ウクライナは単なる隣国ではない。我々自身の歴史、文化、精神的空間の切り離しがたい一部なのだ。現代のウクライナは完全にロシア、正確には共産主義のロシアによってつくられた。レーニンや同志たちがロシアの歴史的領土を切り離すという方法でつくった。

【米欧との関係】(米国は)なぜ我々を敵にしようとするのか。答えはただ1つ、問題は我々の政治体制にあるのではなく、他のことにあるのでもない。単にロシアのような大きな独立した国家が必要ないからだ。

【米国、北大西洋条約機構(NATO)との安保協議】NATOの東方拡大停止など基本的な問題に関する我々の提案には回答がなかった。我が国にとっての脅威の水準は大きく高まる。ロシアは自らの安全保障を確立するための対抗策を講じる完全な権利を持つ。

【ウクライナのNATO加盟】ウクライナのNATO加盟とそれに続くNATOの施設の展開はすでに決まったことだと考えるあらゆる根拠がある。NATOの文書で我々は公式に、直接的に欧州大西洋の安保の主要な脅威だと宣告された。ウクライナがロシアを攻撃するためのNATOの前線基地になる。

【親ロシア派占領地域の独立承認】きょうの決定(独立承認)を宣言し、ロシアの国民、すべての愛国的勢力が支持してくれると確信している。(ウクライナに)直ちに軍事行動をやめるよう要求する。そうでなければ、これから続く可能性がある流血のすべての責任は完全に、ウクライナ領を統治する政治体制の良心が負うことになる。

引用:日本経済新聞

【2月21日】米、まず親ロシア地域に制裁 独立承認に対抗

ウクライナ東部で親ロシア派武装勢力が実効支配する一部地域についてロシアが独立を承認すると決めたことを受け、バイデン米政権は21日、経済制裁を発動すると発表した。独立承認した地域との新規投資や貿易に米国人が関与することを禁じる。米国とロシアの対立が一段と強まる。

バイデン大統領は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領と35分間にわたり電話し、ロシアによる独立承認を強く非難した。バイデン氏はフランスのマクロン大統領やドイツのショルツ首相とも3者で電話してロシアへの対応策を擦り合わせた。

引用:日本経済新聞

さらに・・・

ロシア軍がウクライナへの再侵攻を通じて殺害対象とするウクライナ人のリストを作成しているとして、米政府が書簡で国連に懸念を伝えたことが21日、明らかになった。「ウクライナ再侵攻は人権に関する悲劇を生みかねない」と訴えている。

日本経済新聞が入手した国連人権高等弁務官事務所に宛てた米政府の書簡は、ロシアが自国の行動に反対する人々を対象に人権侵害にあたる行為を実行する可能性があると指摘した。具体的にはウクライナに亡命した反体制派のロシア人やベラルーシ人に加え、記者や反腐敗運動の活動家などをあげた。

さらにロシア軍が殺害したり収容所に移送したりするウクライナ人のリストをつくったとする「信頼性の高い情報がある」と説明した。平和的な抗議デモの参加者に対して殺傷性の高い武器を使う恐れがあるとも警鐘を鳴らした。

引用:日本経済新聞

【2月22日】ウクライナ大統領「国境変わらず」 ロシアを非難

ロシアがウクライナ東部の一部地域の独立を一方的に承認したことを受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は22日に「国際的に認められた国境は変わらない」と述べ、ロシアに譲歩しない構えを示した。外交的な解決に向けて、国際社会の支援を訴えた。ロイター通信などが伝えた。

ゼレンスキー氏は国民向けの演説で、ロシアがウクライナ東部紛争の解決に向けた努力を「台無しにした」と非難した。親ロシア派占領地域の独立承認は和平を目指して2015年にまとめた「ミンスク合意」に反すると訴えた。和平を協議するウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスによる首脳会議の開催も呼びかけた。

引用:日本経済新聞

【2月22日】首相「主権侵害、認められない」ロシアを「強く非難」

岸田文雄首相は22日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派地域へのロシア軍派遣を決めたことを批判した。「ウクライナの主権と領土の一体性を侵害するもので認められない。強く非難する」と述べた。

「事態の展開を深刻な懸念を持って注視する。制裁を含む厳しい対応の調整をしている」と説明した。主要7カ国(G7)と連携して対応する方針を示した。首相官邸で記者団に語った。

引用:日本経済新聞

文字で書くと毅然としているようだが、岸田さん自身の言葉がない頼りないコメント。

ここは、もっと堂々と戦闘宣言をしないといない。

【2月22日】ドイツ、ロシアとのガス管認可を停止

ドイツのショルツ首相は22日開いた記者会見で、独ロの新しい天然ガスパイプライン(ノルドストリーム2)の認可手続きを停止する考えを表明した。ロシアがウクライナ東部の武装勢力が支配する地域を独立国家として承認し、派兵を決めたことを受け、事実上の制裁に踏み切る。ロシアの力による現状変更の試みに対して強い警告を示したかたちだ。

ショルツ首相はロシアのプーチン大統領の決断によって「状況が根本的に変わった」と指摘した。ショルツ氏は独経済省に対してガス供給に関する報告書を撤回するように要請したことを明らかにし「技術的に聞こえるが、これによってパイプラインは認可できなくなる」と説明した。

引用:日本経済新聞

ドイツにとって非常に犠牲の大きいこの制裁を決めたことで、様子見をしていたアメリカにも決断を促した。

G7の足並みを揃える英断だった。

【2月22日】ウクライナの親ロシア派地域、シリアなどが支持

ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の一部地域の独立を一方的に承認した問題で、シリアや中米ニカラグアが相次ぎプーチン氏への支持を表明した。ロイター通信などが伝えた。

シリアの国営メディアは「両共和国を承認したプーチン氏の決定を支持する」とする政府高官の声明を伝えた。

ニカラグアのオルテガ大統領も「独立を承認したのは正しい」とプーチン氏の決定を擁護。中米における米国の影響力拡大に長年反発してきたオルテガ氏は「クリミアで行われた住民投票が(両地域でも)実施されれば、人々はこの地域をロシアに併合するように投票するだろう」とも述べた。

引用:日本経済新聞

【2月22日】英、ロシアの5銀行など資産凍結

英国のジョンソン首相は22日、ロシアがウクライナ東部の一部地域の独立を承認したことに対抗する経済制裁の詳細を発表した。ロシアのウクライナ戦略に深く関与している5つの銀行と富裕層の3人の個人を対象に、英国内の資産の凍結などを科す。

英議会下院で演説したジョンソン氏はこれを「最初の制裁だ」と強調し、ロシアが本格的に軍事侵攻に動いた場合にはさらに厳しい制裁を科す意向も示した。

引用:日本経済新聞

【2月22日】プーチン大統領、演説ににじむ偏った歴史観

ロシアのプーチン大統領が日本時間22日に行ったテレビ演説は、約55分に及んだ。ウクライナを巡る歴史の説明に半分以上の時間を費やした。今回の演説で際立ったのは、ウクライナに対する一方的でゆがんだ歴史観だ。背後には、プーチン政権で勢力を広げる保守強硬派の影もちらつく。

刺すような視線と険しい表情を見せたプーチン氏の演説は異例だった。冒頭から大半の時間を使い、ウクライナの歴史を説明した。「ウクライナはレーニンとその同志がロシアの歴史的領土を切り離す方法でつくった」。確かに同様の議論はロシア国内ではある。しかし、ウクライナ人の歴史と、1991年の独立後の国家形成を否定するのはあまりに一方的だ。

プーチン氏は旧ソ連の体制が「破壊的なファンタジー(幻想)だった」と説く。構成国の分離・独立を認めていた旧ソ連は「幻想」であり、現実にはウクライナの独立は認められないとの趣旨だ。

ウクライナという国家の正統性に疑問を投げかけ、「ウクライナには持続的な国家というものも結局、形成されなかった」とも述べた。

透けて見えるのは、プーチン氏の偏った歴史観だ。ペスコフ大統領報道官によると、プーチン氏は近年、ロシアの歴史に関する本を読みふけり、一家言を持つようになった。

国家の歴史を重視する姿勢は、保守主義を掲げるプーチン政権内で広がっている。例えば、政権内では20世紀前半の思想家イワン・イリインの著書「ロシア人の民族主義について」などの歴史書を読むよう推奨されている。こうした傾向が偏った歴史観や国家観につながっているとの指摘がある。

プーチン氏は演説で「米国にはロシアのような、大きな独立した国家は必要ない」と主張した。ロシアを必要としない米国との関係は最小限にとどめ、民主主義陣営に対抗するための、強権主義国家によるもう一つの陣営をつくろうとしているようだ。

引用:日本経済新聞

【2月22日】EU、ロシアへの制裁で合意 下院や軍関係者ら対象

欧州連合(EU)加盟国は22日、ウクライナ東部の一部を独立国家として承認したロシアに制裁を科すことで合意した。一部の政治家や軍関係者などが対象になる。ロシアが一段と攻撃的な対応をとれば、制裁を拡大することでも一致した。

22日にパリで開いた臨時のEU外相会合で決めた。EU議長国を務めるフランスのルドリアン外相は記者会見で「制裁はロシアに大きな打撃を与えるだろう」と表明。EUの外相にあたるボレル外交安全保障上級代表は「今回は第一歩にすぎない」と述べ、ロシアの対応次第でさらなる制裁を科す考えを示した。

今回の制裁は、ウクライナ東部の一部の国家承認にかかわった27の個人や団体を制裁対象にする。ロシアの下院議員の大部分や軍関係者、メディア関係者などが含まれる。EU内の資産が凍結されたり、EUへの往来が禁止されたりする。

引用:日本経済新聞

【2月22日】プーチン氏「停戦合意もはや存在せず」 派兵詳細示さず

ロシアのプーチン大統領は22日、モスクワで記者団に、ロシアが21日に国家独立を承認したウクライナ東部の親ロシア派占領地域への軍部隊派兵を決めたことについて「必要な場合には義務を果たす」と強調した。いつ、どのような作戦を遂行するかは明言を避けた。ウクライナ東部紛争の停戦と和平への道筋を定めたミンスク合意については「もはや存在しない」と述べた。

引用:日本経済新聞

【2月22日】ロシアの行動「侵攻の始まり」バイデン氏、制裁を発動

バイデン米大統領は22日、ホワイトハウスでウクライナ情勢について演説した。ロシアがウクライナ東部の親ロシア派支配地域を独立国家として承認し、派兵を決めたことについて「侵攻の始まりだ」と断定し、強く非難した。ロシアの大手金融機関2社などを対象に第1弾の金融・経済制裁に踏み切ると表明した。

バイデン大統領は「端的にいえば、ロシアはウクライナの大部分を切り取ることを発表した」と断じ、「国際法の明白な違反であり、国際社会の断固たる対応が求められる」と非難した。「2014年に我々の同盟国やパートナーが実施した措置をはるかに上回る制裁措置を講じる」と強調した。

ロシアに対する金融・経済制裁は「今後も強化する」と語った。まず、ロシアの大手金融機関2社を対象とするほか、ロシアの国債や政府機関債など「ソブリン債」を対象に「包括的な制裁を実施し、ロシア政府を西側の資金調達から切り離す」と話した。さらにロシアのエリート層とその家族も制裁対象に加えると語った。

エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国の防衛も強化する。「北大西洋条約機構(NATO)同盟国を強化し、安心させる」とし、欧州域内に配置済みの米軍部隊や装備品を3カ国に送る。バイデン大統領はロシアが輸血用血液などを国境近辺に移動させているとして「戦争を始めるつもりがなければ血液は必要ない」と指摘した。

引用:日本経済新聞

一方、この人は・・・

トランプ氏、ロシア大統領を称賛 独立承認「天才的」

トランプ前米大統領は22日、ロシアのプーチン大統領によるウクライナ東部の親ロシア派地域の独立承認を「天才的だ」と米ラジオ番組で称賛した。同地域へのロシア軍派兵も「最強の平和維持軍になる」と語った。米紙ワシントン・ポストが伝えた。

トランプ氏は、プーチン氏がウクライナに攻め入って平和を保つと述べ「とても抜け目がない男だ」と指摘。自分が米大統領であれば侵攻の動きは「起きなかった」と主張した。これに対し、サキ米大統領報道官は22日の記者会見で「プーチン氏や彼の軍事戦略を称賛する者の助言は聞かないようにしている」と切り捨てた。

引用:日本経済新聞

【2月22日】米国務長官、ロシアと外相会談を中止

ブリンケン米国務長官は22日の記者会見で、24日に予定していたロシアのラブロフ外相との会談を中止すると明らかにした。ロシアがウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立を承認し、派兵を決めたことを踏まえた措置となる。

サキ大統領報道官も22日の記者会見で米ロ首脳会談について「現時点で計画にはない」と述べた。バイデン政権はロシアがウクライナへ再侵攻しないことを前提に米ロ外相が首脳会談を調整する段取りを描いていた。サキ氏は首脳会談の条件として「緊張緩和」を訴え、ロシア軍がウクライナ国境付近から離れるべきだとした。

引用:日本経済新聞

【2月23日】首相、対ロ経済制裁を表明 国債発行禁止・ビザ発給停止

岸田文雄首相は23日、首相公邸で記者団にロシアによるウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立承認など巡り制裁に踏み切ると表明した。同地域の関係者の査証(ビザ)発給停止などを挙げた。ロシア政府による新たな国債や政府機関債など「ソブリン債」の日本での発行・流通禁止も掲げた。

引用:日本経済新聞

腰がひけた日本の対応。

【2月23日】ロシア、ウクライナから外交団の引き揚げ開始

ロシアによるウクライナへの侵攻開始が懸念される中、ウクライナに駐在するロシアの外交官が出国し始めた。首都キエフのロシア大使館や南部オデッサの総領事館では、ロシア国旗がしまわれたという。23日、ロイター通信などが伝えた。

引用:日本経済新聞

【2月23日】米欧など国連加盟国、ロシアを非難 独立承認・派兵で

国連総会は23日、緊迫するウクライナ情勢をめぐる会合を開いた。米欧や日本など加盟各国は演説で、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立を承認し、軍の派兵を決めたことは国連憲章に違反するとして相次ぎ非難した。一方で自国の行動を擁護するロシアや、慎重な姿勢を示す中国との溝も浮き彫りになった。

引用:日本経済新聞

こうして、今日24日を迎えた。

【2月24日】米国務長官、24日中にもロシア侵攻の可能性

ブリンケン米国務長官は23日の米NBCテレビのインタビューで、24日早朝(米東部時間、日本時間同日夜)までにロシアがウクライナへの本格侵攻を始める可能性があるとの見方を示した。「今晩中にロシア軍が本格侵攻すると思うか」と問われ「そう思う(I do)」と答えた。

その後、司会者から「今夜、侵攻が起こりうると考えているのか」と改めて聞かれると「日付や正確な時間はわからない」とも話した。ブリンケン氏は「残念ながら、ロシアはウクライナの北から東、南までの国境を越えて軍を準備している。大規模な侵略をする準備はすべて整っているようだ」と語った。

引用:日本経済新聞

そして、ブリンケン国務長官の予言は数時間後、現実のものとなった。

一方、ウクライナでは・・・

【2月24日】ウクライナ全土に非常事態宣言 政府にサイバー攻撃

ウクライナは24日、非常事態宣言を発令した。ロシアがウクライナ東部の親ロ派武装勢力が実効支配する2地域に派兵を決定し、警戒態勢を高める。欧米ではロシアが派兵を始めたとの懸念が強まり、緊迫感が一段と高まっている。

複数のメディアによると、ウクライナは最高会議(議会)での承認を経て、24日午前0時(日本時間午前7時)に非常事態宣言を発令した。期間は30日間で延長が可能だ。親ロ派が一部地域を占領する東部2州ではすでに非常事態宣言を発令中で、ウクライナ全土に対象を広げる。

非常事態宣言の発令によって、徴兵された予備役の移動の自由を制限することなどが可能となる。ロシア軍の派遣を視野に、ウクライナ軍の戦力確保や国民生活に混乱が生じないようにするための対策とみられる。ウクライナは23日に18~60歳の市民の予備役招集を始めた。

引用:日本経済新聞

こうした経緯で始まったロシアによる軍事侵略は、相当前から計画され周到に準備されていたことが明らかである。

これは日本を含む自由と民主主義を享受している国々への深刻な脅威だ。

私たちの当たり前の日常が今危機に瀕している。

ここは日本人も腹をくくって立ち上がらざるを得ない。

どれだけ物価が上がろうが、どれだけ株価が下がろうが、ここで妥協すれば後々取り返しのつかないツケを払うことになるだろう。

今夜行われるバイデン大統領がどんな制裁を発表できるか、G7とEUとNATOが結束して空前の経済制裁を打ち出せるかどうかが注目だ。

ここで妥協してしまえば、「武力による現状変更は認めない」というお題目はもはや使えなくなる。

日本も苦しい財政状況の中で軍事力強化に予算を振り向けることになるのだ。

そうなれば、増税は避けられない。

能天気に過ごせてきた日本が、初めて向き合う重要な分岐点に私たちは立たされているのだ。

<吉祥寺残日録>プーチンは一線を越えた!シナリオが狂った私はやむなむ損切りをする #220223

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