<吉祥寺残日録>注目の台湾総統選は民進党・頼清徳が勝利!私は”パソコン有事”に備えて新しい「MacBook」を買う #230114

世界各地で重要な選挙が予定される選挙イヤーの今年。

その最初として注目された台湾の総統選は、中国と距離を置く与党民進党の頼清徳氏が勝利を収めた。

これで蔡英文総統に続き、台湾の総統が直接選挙で選ばれるようになった1996年以来初めて、同じ政党が3期連続で政権を担うこととなった。

中国とは一定の距離を置き、台湾は今後4年間、アメリカの支援を受けつつ自由と民主主義に基づく社会を維持するという従来通りの路線を歩むことになるだろう。

頼清徳氏は今年64歳、台湾北部の炭鉱労働者の家庭に生まれ、苦学の末、内科医となった苦労人だ。

蔡英文政権では首相にあたるポストや副総統を務め、中国からは台湾独立志向が強い「トラブルメーカー」と目されている。

同時に行われた議会選挙では、野党国民党に敗れ与党が過半数割れとなっていて、政権運営はますます困難なものとなるだろう。

住宅価格の高騰など、中国以外の要因も政権与党には逆風になっているらしい。

中国との関係強化を訴えた最大野党・国民党の侯友宜氏は潔く敗北を認め、支持者に向かって謝罪した。

選挙戦では中国から発信されたと思われるフェイクニュースが乱れ飛び、そうした干渉が逆に国民党の足を引っ張った側面もある。

しかし一方で、香港の民主化運動に刺激された4年前の総統選挙と比較して、台湾の人たちの危機感が遥かに強まったこともうかがわせる。

この4年の間に、香港は完全に中国に飲み込まれた。

ロシアによるウクライナ侵攻も台湾の人に戦争を現実のものとして恐怖を抱かせただろう。

香港のように中国に飲み込まれるのは嫌だ。

しかし、武力侵攻を露骨にちらつかせる中国と本当に戦えるのか?

頼りとする西側諸国の支援もウクライナの現状を見れば、当てにはならない。

台湾の人たちが感じる恐怖は私たち日本人の比ではないはずだ。

経済的にも中国市場で稼ぎ、多額の投資を行っている台湾人も多い。

そうした揺れる世論が現れたのが、今回の選挙の結果である。

総統は今まで通り民進党、しかし議会では中国寄りの国民党を第1党としてバランスをとったように見える。

政治的な理想よりも現実的な利益を優先する世論が高まったとしても何の不思議もなく、西側諸国の都合で台湾の人たちに中国と対峙することを強制することはできない。

こうした勝者なき今回の選挙で一番注目されたのが、野党第2党・民衆党の柯文哲氏である。

柯文哲氏は有名な外科医で、2014年から2期首都台北の市長を務めた。

既存の2大政党に不満を抱く若者たちの支持を受け、今回の総統選でも予想以上の得票を獲得した。

最終的な得票率は、頼氏が40.05%。侯氏が33.49%、柯氏は26.46%。

もう立派な第三極である。

台湾の若者たちは、対立でも迎合でもない中国との付き合い方を柯氏に求めているのだろう。

しかし本当にそんな都合のいい道があるのかどうか、側から見ている私には全く想像することもできない。

今回の選挙結果を受けて中国がどのような態度に出るのかが今後の焦点となる。

中国外務省は深夜に声明を発表し、従来からの主張を繰り返した。

「台湾情勢がどのように変化しようとも、台湾が中国の一部という基本事実は変わらない」

「台湾問題は中国の内政問題だ。『台湾独立』分裂に断固として反対する」

まずは今回の選挙結果を分析し、具体的な対応策が明らかになるのはもう少し先になってからだろう。

ただ、今回の選挙を見て印象的だったのは、台湾の民主主義が予想以上に成熟しているということだった。

投票日の当日には結果が出て、敗者も直ちにその結果を受け入れる。

当たり前と言えば当たり前なのだが、トランプさんの影響もあり、そんな民主主義の当たり前が世界的に危機に瀕しているからだ。

頼清徳氏の勝利を受けて、日米はそれぞれ議員団の台湾訪問を予定している。

主に反中派の議員が台湾をけしかけに行くのだろうが、あまり露骨に動きすぎるとかえって中国を刺激して台湾に災いをもたらす可能性もある。

有事に備えることは重要だ。

しかし台湾有事を自らの主張をアピールする道具として利用することは許されない。

弄ぶにはあまりに危険な状況が中台関係にはあるのだから。

台湾の人たちが重要な選択をした昨日、私もある「有事」に備えていた。

それは、我が家のパソコンに迫り来る近い将来に起こりうる有事である。

私が現在使っているパソコンは、2017年に購入した「MacBook Air」だが、バッテリーが劣化して電源コードなしでは数分も作業できない状態に陥っている。

妻が使っているパソコンはさらに古い「MacBook Air」だ。

7年前に妻がそれまで愛用していたWindowsのパソコンが動かなくなり、そのタイミングで私のお古を妻に回して、私が新しくパソコンを買ったのである。

あれから7年、2台のMacBookは故障することもなくとてもよく働いてくれたのだが、近頃妻のパソコンが時々固まって、その度に妻は私にSOSを求めるようになった。

いつどちらのパソコンが使用不能になっても不思議ではない。

ちゃんと使えるうちに新しいパソコンを調達して、データを保存しておいた方がいいのではと妻が言い出したのがきっかけに、昨日私はヨドバシの中にあるアップルストアに行くことになったのだ。

久しぶりに見る「MacBook Air」は、見た目はさほど変わらないものの、細部が微妙に変化していた。

M1チップが搭載された古いタイプの奴は電源コードがUSB-Cになっていて、13万4800円。

M2チップ搭載のより新しいタイプは電源コードが以前のマグネットタイプのものに戻る一方、コードの材質が断線しにくいものに変えられていた。

値段は16万4800円と、M1チップのものより3万円高い。

大きさや重さはほぼ変わらず、バッテリーの持ちはどちらも昔のものより随分向上しているという。

店員さんの話を聞きながら迷った末、私は16万円の「MacBook Air」を購入することにした。

画面は小さい方の13インチ、ストレージはベーシックな256Gである。

自宅に持ち帰り、早速セッティングに取りかかる。

嬉しかったのは、電源コードが従来のものに比べて遥かに軽量化していることだ。

以前のものより少し小型化したアダプターを直接コンセントに差して使うようで、持ち運ぶ際にかなり軽くなるはずだ。

サイズもこれまで使っていたものよりも若干小さくなっていて、画面のサイズは変わらないものの縁が細くなったことで多少全体が小さくなったようである。

新旧2台のパソコンを横に並べ、データの移行を試みる。

「移行アシスタント」という機能を使うと、パソコン同士がお互いを探して勝手にデータをコピーしてくれる。

こういうところがアップル製品の便利な点だと思う。

約1時間で私のパソコンのデータ移行は完了した。

続いて、私が使っていたパソコンに、現在妻が使っているパソコンのデータを移行する。

これでもしも妻のパソコンが動かなくなった場合でも、私が使用していた古いパソコンがバックアップになるはずだ。

しかし、ここでちょっとしたトラブルが。

妻のデータ移行が終わり、移行先のパソコンを開こうとすると、なぜか妻のパスワードを受け付けてくれない。

何度もいろいろなパスワードで試みるがダメで、困ってネットで対応策を調べてみると、同じパソコンの私のアカウントを開いて妻のパスワードを変更する方法があることを知った。

半信半疑で試してみると、無事にパスワードの再設定ができ、何とか妻のサイトに入ることができた。

機種の入れ替えは毎度何かしらのトラブルに見舞われる。

基本的な仕組みがわかっていないため、その度に困ってしまうのだが、最終的にはなんとかなって詳しい原理は知らないまま今こうして新しいパソコンを使ってブログを書いている次第である。

災害も戦争も、平時に有事を想定して備えておくことが重要だ。

そういう意味で、日本人は国家も国民も備えが不十分な気がしてならない。

身の回りのことと同じように、近い将来に起きる可能性がある有事を常に想定しておくこと。

それさえ心がけていれば、本当に有事が発生した際に慌てずに対処することができるかもしれない。

<吉祥寺残日録>ロイターが伝えた『台湾危機「T─DAY」、6つの有事シナリオ』の現実味 #211206

コメントを残す