<吉祥寺残日録>メジャーリーグ&大相撲&世界陸上!贅沢なスポーツ中継を通じて日本と世界について考えた9月が終わった #250930

今日で9月も終わり、2025年も残すところ3ヶ月となる。

7月からの異常な高温が続き、畑仕事も思うに任せなかった暑い暑い9月だったが、毎日テレビで放送されるスポーツ中継のおかげで家にいても快適な生活リズムを作ることができた。

まずは連日NHKが放送してくれたメジャーリーグ中継。

隠居生活の完全な一部として私を支えてくれたが、昨日でレギュラーシーズンの全日程を終了した。

昨年肘の手術を受けた大谷翔平は、オールスター明けから投手としてのリハビリ登板を開始。

通常ならばマイナーで行う試運転をいきなりメジャーで試したのは、ドジャースにとって大谷は欠くことのできない打者だったからだ。

球数制限をしながらまずは3回、徐々に回数を増やして6イニングを無失点で投げ切るまでになった。

終盤戦では、貴重な先発投手としてローテーションを維持し、リリーフ陣の崩壊で勝利数は1勝にとどまったものの、14試合に先発して防御率は2.87、特に9月に入ってからは防御率0.00という完璧なピッチングだった。

一方、バッターとしては年間を通して1番DHとして活躍。

昨日の最終戦でも見事に55号ホームランを放ち、3年連続のホームラン王にはわずか1本及ばなかったものの、「50−50」を達成した前年を上回る自己最多のホームラン記録を更新した。

最終的な成績は、打率2割8分2厘、本塁打55本、打点102と今年も好調を維持。

そのほか、146得点、長打率.622、OPS1.014、89長打、380塁打、20敬遠、ISO.340はいずれもリーグ1位となり、打撃7冠を達成した。

それ以上の快挙は、史上初めて50本塁打50奪三振を記録したこと。

これまで50本塁打を放った選手が投手として奪った三振の最多は、ベーブ・ルースの2つだったそうで、大谷の記録はまさに異次元、最終的には55本塁打62奪三振まで記録を伸ばした。

こうした大谷の活躍の一方で、今シーズンのドジャースは苦しい試合が続いた。

主力選手に怪我人が続出したほか、大谷の後ろを打つベッツが不調で、最後までサンディエゴ・パドレスと優勝を争い、25日にようやく地区優勝を決めた。

ドジャースの地区優勝は4年連続で、日本時間の10月1日からは早速レッズとのワイルドカードシリーズに臨む。

他の日本人選手で言えば、大谷翔平のチームメイトであるドジャースの山本由伸の活躍が目覚ましかった。

メジャー2年目となる山本はシーズンを通して先発ローテーションを守り、30試合に先発して防御率2.49、12勝8敗でレギュラーシーズンを終えた。

中でも鮮明な記憶として残っているのが9月6日のオリオールズ戦。

先発した山本は9回2アウトまで無安打ピッチングを続け、打者あと1人でノーヒットノーラン達成という快挙に迫った。

ところが、最後のバッターにホームランを打たれ無念の降板、さらにリリーフ陣が1アウトも取れずに3点を奪われまさかの逆転サヨナラ負け。

今シーズンの山本は味方の打線の援護とリリーフに見放され、好投しても勝ち星がつかない試合が続いたが、それでも常に平常心を失わず黙々と投げる姿がとても印象に残った。

もう一人、今年飛躍したのがシカゴ・カブスの鈴木誠也である。

シーズン序盤から好調を維持した鈴木は、オールスター明けまで打点王争いを引っ張り、シーズン最後には4試合連続で5本塁打という固め打ちでホームラン数を32本にまで伸ばし、松井、大谷に続く日本人3人目の30本塁打を達成しただけでなく、松井秀喜のシーズン最高ホームラン数を越えたのだ。

前回のWBCでは体調不良で出場が叶わなかった鈴木だが、打撃が課題の侍ジャパンにとっては貴重な右バッターとなりそうで、来年のWBCも楽しみである。

一方、28日に千秋楽を迎えた大相撲秋場所は久しぶりに2人の横綱が最後まで優勝争いを繰り広げる展開となった。

横綱昇進後不本意な成績が続く豊昇龍は初日から勝ちっぱなしで11日目まで単独首位を守ったが、安青錦と琴櫻に連敗し、大の里に逆転を許し、優勝は千秋楽の横綱対決にもつれ込んだ。

本割りでは、豊昇龍が出足で大の里を圧倒。

両者13勝2敗で並び、16年ぶりとなる横綱同士による優勝決定戦に持ち込んだ。

安定した強さが目立つ大の里だが、なぜか豊昇龍には大きく負け越していて、まだ1回しか勝ったことがない。

先輩横綱の豊昇龍が逆転で賜盃を手にするのか?

注目の優勝決定戦、どちらが勝つのか全く予想のつかない決定戦も久しぶりだ。

私も身を乗り出してテレビの画面を見つめたが、結果は一瞬、土俵際に押し込まれた豊昇龍が得意の投げで逆転を狙うが大の里がすかさず投げを打ち返しながら豊昇龍を土俵の外に寄り倒し、見事5回目の優勝を果たした。

やはり大の里は強い、しかも若い。

この調子でいけば、大鵬や白鵬のような大横綱になる可能性も高いだろう。

ただ、まだ何かが足りない。

スター性のようなものだ。

大の里は確かに強いのだけれど、どうも面白みに欠けているように感じる。

その点、ウクライナ出身の安青錦の相撲は面白い。

どんなに突っ張られても上体を上げず、何があっても表情を変えることなく、常に前傾姿勢で相手に食いつく安青錦の姿はまるで「ターミネーター2」そのもので、凄みのようなものを感じさせる。

初土俵から一度も負け越すことなく、わずか12場所で三役まで駆け上がり、入幕後は4場所連続で11勝4敗という驚異的な成績で、来場所は関脇として大関取りに挑むことになる。

怪我さえなければ大関、横綱への昇進も時間の問題ではないかと思う。

そうなれば、大の里、豊昇龍、安青錦という日本人、モンゴル人、ウクライナ人の横綱が毎場所優勝争いをする新時代が実現するだろう。

その時までに、日本人の代表である大の里にはもっともっと個性を磨いてもらい、ファンから愛される大横綱に成長してもらいたいと思うのである。

さらに、9月を盛り上げたスポーツイベントといえば、東京で開催された世界陸上である。

9月13日から21日にかけて国立競技場を舞台に開催された今回の大会は連日満員の観客を集め、総入場者数は目標を大きく上回る62万人、その模様を中継したTBSの番組も世帯視聴率15%超えと今時としては高い関心を集めたという。

基本的に個人の身体能力で争う陸上は日本人には不利で、マラソンやリレーなどでしかなかなかメダルには手が届かない。

それでも、これだけ多くの日本人が関心を持ったのは、国籍とは関係なく人間の持つ限界に挑戦するアスリートたちの姿が感動的だからだろう。

今回日本が獲得したメダルは競歩での銅メダル2個。

最終日に行われた女子20キロ競歩では、藤井菜々子が日本人女子選手として初めてのメダルを獲得した一方で、金メダルが期待されたやり投げの北口榛花は予選落ちと真剣勝負の厳しさを教えてくれる様々なドラマが生まれた。

一時は日本のお家芸と言われたリレーも、選手層が厚くなったにも関わらず6位と世界との差は広がった。

日本が磨いたバトンパスに他国も力を入れ始めたためとも言われる。

その一方で、ハーフの選手たちの活躍が目立った。

トーゴ人の父を持つ男子110メートルハードルの村竹ラシッドは見事決勝に進出し、パリ五輪に続き世界の5位に入った。

また、ナイジェリア人の父を持つ男子400メートルの中島佑気ジョセフも、日本新記録を樹立して決勝に進出し、1991年の高野進さんの7位を上回る日本人最高の6位入賞を果たした。

日本では昨今、外国人差別を煽るような言動が目につくが、彼ら新しい日本人の活躍が偏狭な愛国主義を吹き飛ばしてくれることを願いながら、彼らの活躍を心の底から祝福したい。

10月4日に行われる自民党総裁選に向け、日本のリーダー選びも活況を呈しているが、政治家の言葉よりもスポーツ選手たちの努力の方が遥かに私たちに考える材料を与えてくれているような気がしてならない。

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