昼時、妻が行きつけの整体に行くというので、ランチを別々に食べることになった。
さて、何を食べようか?
特に店を決めることなくマンションを出た。

ぶらぶら街を歩きながら、以前から気になっていたダイヤ街の店に入ることにした。
ちょうど1年ほど前にオープンした香港屋台風のお店、その名もズバリ「香港食通街」と言う。

ダイヤ街に面したコスモビルの1階。
入り口を入ると通路を挟むように右側に厨房、左側に客席が設えてある。
このスペースにはかつて物販のお店が並んでいて、コロナ禍の時期にはPCR検査場ができ、一時は多くの人たちが順番待ちをしていた。

平日の昼時にはお得なランチセットが用意されていた。
しかも6種類、値段はどれも税込980円と良心的だ。
メニューの写真を見ると、明らかに日本の中華料理とは一味違い、本場香港の屋台料理が並んでいる。
私は「F」のランチを選び、得体の知れない「八珍甘酢ソーダ」をプラス250円で追加した。
注文を済ませ周囲を見回すと、まるで海外のフードコートに来たような気分になった。
厨房の上にはLEDパネルが貼られ、美味そうな料理の映像が繰り返し流されている。
日本ではこんなところにお金をかける店は少ないだろう。

料理が運ばれてくる間、グランドメニューもチェックする。
この店の看板料理らしい「広東式ダックの釜焼き」を筆頭に、多くの香港料理がメニューを埋めていた。
値段は1000円前後のものが多いようだ。

さらに夕方の6時から10時限定で、1500円の飲み放題プランも用意されているらしい。
香港のつまみを注文して一人でちびちび飲むのも、仲間とワイワイ飲むにも手頃な店かもしれない。

そうして初めて訪れたお店の品定めをしているうちに、女性スタッフが私が注文したものを運んできてくれた。
確かに中華料理には違いないが、日本人が経営する街中華とは明らかに異なり、明らかに中国人が作った本場の雰囲気が漂っている。

まずこちらが「カレーフィッシュボールビーフン(㗎喱魚蛋湯米粉)」。
あっさりとしたビーフンに魚のすり身を揚げた肉団子がトッピングされ、その上からカレーソースがかけられている。
日本ではあまりお目にかからない組み合わせだが、食べてみると案外いける。
特にフィッシュボールは予想外に美味しくて、日本のさつま揚げのような味がした。

続いてセットになっている鶏肉シュウマイを食べてみる。
見た目はまるで崎陽軒のシュウマイであるが、ここで一つ引っ掛かる点があった。

なんと、テーブルに用意されている調味料がラー油とウスターソースなのである。
ひょっとして醤油の瓶に間違ってウスターソースと書いてあるのではないかと思い、試しに1個にかけてみた。
すると、正真正銘これはウスターソースに間違いない。
恐る恐る食べてみると、意外や意外、醤油とは違うがこれはこれで不味くはないのだ。

とはいえ、香港の人はシューマイをソースで食べるのか確かめたくなって、店員さんを呼び聞いてみる。
すると、「いろんな食べ方をされるお客さんがいらっしゃいますが、ご希望でしたら醤油と赤酢をお持ちします」と店員さんはしれっと言うので、遠慮なくお醤油をもらって残りの2個のシューマイを平らげた。
こうして食べると、まあ普通のシューマイの味である。

そして個人的に一番興味を惹かれたのが、ドリンクメニューの中にあった「八珍甘酢ソーダ」だった。
「八珍」とは中国料理に使われる珍しい高級食材の総称で、果たしてどんな飲み物が出てくるのか怖いもの見たさで興味津々だったが、飲んでみるとほどんどコーラと変わらない清涼飲料だった。
そういえばコカコーラの原料も社外秘ということで私は何から作られているのか知らないが、おそらく中国で言うところの八珍を組み合わせたものなのかもしれない。

こうしてつつがなくランチは終了したのだが、この店には一つ注意を要することがあった。
注文と同時に運ばれてきたポットからお茶を汲み飲んでいると、お勘定のプレートに何やら書いてあるのに気づく。
『お一人様200円の茶代を頂戴しております。(おかわり自由)不要の場合はスタッフまでお知らせください。』
なんとこのお茶、有料だったのである。
ちょっと不意打ちを喰らった気にもなったが、中身はちゃんとしたプーアル茶だったので、しっかり何杯もおかわりをして元を取ってから店を出た。

ダイヤ街に登場した新名所「香港食通街」。
私を惹きつけるユニークな場所がまた吉祥寺に出現した。
食べログ評価3.41、私の評価は3.50。
「香港食通街」
電話:0422-27-2886
営業時間:月-金 11:00 - 22:00
土日祝 10:00 - 22:00
定休日:無休
https://www.instagram.com/hongkonggourmetstreet/