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<吉祥寺残日録>ノロノロ台風の大雨で鎌倉滞在を切り上げて帰宅したおかげで、大谷翔平メジャー史上初の「43−43」を目撃できた #240831

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夏台風の中にはおかしな動きをする「迷走台風」も時々あるが、こんな台風は経験したことがない。

おかげで、私の夏休みは台無しだ。

8月28日から9月2日まで鎌倉の民泊を利用して5泊6日、のんびり海辺の生活を楽しむはずだった。

しかし、当初27日ごろ西日本を直撃すると見られていた台風10号は、寒冷渦の影響を受けて大きく進路を外れ奄美大島へ。

その後ノロノロと九州に接近し、私が鎌倉に出発した28日、気象庁は鹿児島県に台風の特別警報を発令した。

この時の中心気圧は935ヘクトパスカル、日本列島に接近上陸する台風としては過去最強クラスの台風である。

29日に九州に上陸した台風は、その後もジョギングする程度のスピードで進んだが、台風を動かす偏西風が遥か北を流れているため、専門家でさえ台風の進路が予想できない。

新たな進路予報が発表されるたびに、台風の進み方は遅くなり、31日の週末には台風が抜けるという当初の予想は完全に外れた。

台風10号は今日もまだ紀伊半島沖に留まっているのだ。

しかし、この台風の特異なのはスピードの遅さだけではない。

台風から遠く離れた東海や関東にも大雨をもたらし続けたのだ。

九州に接近中の台風が最初にひき起きた災害は愛知県蒲郡市。

27日の夜に裏山が崩れ、5人が暮らす民家が土砂に押しつぶされて3人が亡くなった。

東海地方の南では、台風からの風と太平洋高気圧の縁を回る風がぶつかって雨雲が連なるように発生し、南から北へ同じような場所に流れ込んだのだ。

おかげで東海道新幹線は29日から運転見合わせが続き、動いたと思ったらまたすぐに止まる状態が今も続いている。

そして、東海地方にかかっていた帯状の雲は徐々に東に移動して、29日には神奈川県西部に、その日の午後には私たちが宿泊する鎌倉でも激しい雨が降り出した。

妻が寝ていた私を起こして「もう帰りたい」と言ったのはその翌日30日の朝だった。

夜間に降った雨は宿の屋根を激しく打ち付け、妻はその音でほとんど寝られなかったらしい。

29日の午後には鎌倉市にも大雨警報が出されていた。

宿の近くには水路があって、このまま大雨が続けばあっという間に溢れる危険性も確かにある。

長谷の界隈は周囲を山で囲まれた雨水が集まりやすい低地だし、土砂崩れでも起きれば東京に戻る交通手段が遮断される可能性もあった。

「大丈夫だ」と言って心配性の妻を説得する材料は何も思いつかない。

せっかくのバカンスなのに、毎日台風の進路ばかり気にしていては楽しめない。

事前に払い込んだ宿泊代はもったいないが、私もしぶしぶ鎌倉の滞在を切り上げて、より安全な吉祥寺のマンションに戻ることを考え始めた。

あいにくこの宿はテレビが映らないため、NHKプラスで最新の気象情報をチェックする。

台風の進路は定まらないものの、週末には台風本体の雲が関東にかかり、より激しい雨が長時間にわたって降り続く可能性があるという。

ネットで鎌倉周辺のピンポイント予報や雨雲レーダーも確認し、午前10時ごろ雨が一時的に止むタイミングがありそうなことを確認した。

帰ると決めたら早速荷造り、冷蔵庫の中の食材も保冷剤と共にバッグに詰め込み、重いペットボトルのお茶などは流しに捨てる。

週末に遊びに来る予定だった三男にも連絡した。

三男はまた心配性の妻が騒いでいると思ったのか、「あら、了解」と短い返事を返してきた。

こうしてドタバタと宿をチェックアウト。

宿の管理をしているご夫婦は驚いた様子で私たちを見送り、「また来てくださいね」と言った。

鎌倉に住む人たちは、このくらいの雨で動揺することはないのだろう。

大雨のせいで、普段なら観光客で賑わう長谷駅も江ノ電の電車も空いていた。

鎌倉駅に着いた頃には再び雨足が激しくなった。

やはり妻の言うことを聞いて正解だったかな。

こんな雨じゃ、頑張って居座ったところでお散歩もままならない。

鎌倉はいい街だし、海のある街で暮らしたいと幾度となく夢想したものだが、こんな変な台風に邪魔されるようではどうやら私には縁がないらしい。

やはり私たち夫婦には、土砂崩れも津波も洪水も心配せずに暮らせる吉祥寺の方が適しているのだろう。

途中の横浜や東京でも、叩きつけるような大雨が降っていた。

いくつかの路線では運転の見合わせや遅延が発生していたが、私たちが乗る横須賀線と中央線は問題なく、無事に吉祥寺に辿り着いた。

電車の車内がコロナの時のように空いていたのは、人騒がせな台風のせいで多くの人が外出を自粛している影響に違いない。

こうして各地に記録的な大雨をもたらした台風10号。

宮崎では竜巻が発生したほか、各地で土砂崩れや小規模な河川の氾濫が起きているものの、これまでの被害は死者6人、行方不明1人と、最強クラスの割には心配されたほど大きな被害は出ていない。

ただ今日も三重でレベル5の「緊急安全確保」が出されるなど、いつどこで災害が起きてもおかしくない状況が続いている。

ただ、関東地方について言えば、東京や神奈川では今日日中ほとんど雨が降っておらず、雨雲の帯は千葉方面に移動している。

これならば、鎌倉でもう1日遊べたなと思わないでもないが、住み慣れた吉祥寺のマンションに戻れたことで、台風の動きに一喜一憂しなくて済むようになったことで安心感はやはり旅先とは違う。

日本への旅行を楽しみに大金を使って来日している外国人旅行者の人たちは、新幹線もストップし旅行の計画も滅茶苦茶、さぞ困っていることだろう。

吉祥寺に戻り普通にテレビが見られるようになったのに、逆に台風のニュースを見なくなった。

ニュースというものは、やはり不安な心理を抱える人たちにこそ求められるものなのだ。

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そして数日ぶりにメジャーリーグ中継を見た。

史上6人目となる40本塁打・40盗塁の「40−40」を達成した大谷翔平はその後も好調で、28日には1試合でホームランと2つの盗塁を決め、見事史上2人目となる「42−42」を記録した。

この日は大谷と愛犬「デコピン」の人形が観客に配られる特別な日で、大谷はデコピンと共に始球式を行った。

マウンドでボールを咥えたデコピンがホームベースで待つ大谷に駆け寄るという微笑ましい始球式だが、犬が始球式を行うのはメジャーの歴史でも初めてということで、全米でも大きな話題をさらった。

ただこの試合、私は鎌倉にいて残念ながらライブで見ることができなかった。

しかし今日は、大谷が新たな記録を打ち立てる瞬間をしっかりと見届けた。

ナ・リーグ西地区で首位争いを繰り広げるライバル、ダイヤモンドバックスとの4連戦初戦、初回先頭打者としてとしてバッターボックスに立った大谷はプレーボール直後の初球を引っ張り、ライト線に2塁打。

続く2回デッドボールで出塁するとすかさず2盗を決める。

これで盗塁数は43。

そして迎えた8回、2死ランナーなしから43号ソロホームランをレフトスタンドに放り込んだ。

この瞬間、1シーズン43本塁打、43盗塁という前人未到の「43−43」を達成したのである。

今シーズン大谷はまだ27試合を残しており、このペースで行けば夢の「50−50」にも十分手が届く計算で、MVPの行方も絡んで日本でもアメリカでも注目が一段と高まっている。

台風のせいで鎌倉での夏休みは残念な結果となってしまったけれど、由比ヶ浜で見た朝の光景と曲がりくねった狭い路地のことは忘れることはないだろう。

また機会があれば、湘南のバカンスにリベンジしてみたい。

雨に翻弄された短い旅だったけれど、個人的には結構楽しかったのである。

<きちたび>鎌倉の旅2024🇯🇵 鎌倉に大雨警報が発令された日、雨雲レーダーを横目で見ながら路地散歩を楽しむ

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