<吉祥寺残日録>定年後を考える😄 50代最後の日

今日から3月。朝、東京を春の嵐が通り抜けた。

しかしその後は気温がぐんぐん上がり、日中は20℃を記録した。春の到来、そして花粉の季節もやってきた。

さらに今年はそれに加えて、もう一つ・・・。

私は明日、還暦を迎える。

つまり、今日は50代最後の日ということになる。

還暦というのは、昔であれば人生の大きな節目だったのだろう。60歳といえば、もう立派なおじいさんだった。何だかんだ悟ったような顔をしていなければいけなかった年頃だ。

でも我が事となると、思っていたよりも特段の感慨もない。今日も会社に行き、普通に仕事をしてきた。明日もまた、会社に行き、いつも通り仕事をこなすことになる。

確かに、今月一杯で36年間勤めた会社を定年退職することになるが、すでに関連会社に役員として出向中なので、とりあえずは来月以降も同じ仕事を続けることになっている。

それでも、社員証や健康保険証が変わったり、給与を払ってくれる会社が変更になるなど、多少の変化はある。今週、そうした転籍関係の書類を提出したところだ。今の会社にいつまで籍を置くのか、また別の会社に移ることになるのか、そのあたりは親会社の人事部で決められることになるのだろう。

還暦を迎え、そうした人生の変化が目の前に迫ると、寂しかったり、心がザワザワしたりするのかなと想像していたのだが、まったくそうした心の乱れはない。至って穏やか、驚くほど平穏だ。

どうしてだろう?

自分で分析するに、私は吉祥寺に引っ越し、このブログを書き始めた頃から、すでに定年後に向けた準備を始めていたからではないかと思っている。ブログを書く中で、あえて意識することもなく自分の心と向き合ってきた気がする。しかも、自分の興味の赴くままに旅に出る習慣もできてきた。

私はすでに第二の人生を歩き始めているのだ。

特に誰かに影響を与えようと画策しているわけではない。ただただ自分の興味関心に素直に生きる、それが私の目指す第二の人生だ。

こんなに穏やかな気持ちで還暦を迎えられたことを、心から感謝したい。

誰に感謝するのか?

まずは、妻や家族たちだ。

若い頃はあまり家族のことを構いもしなかった私に、奇跡的に大勢の子孫ができた。少子化・晩婚化の日本において、3人の息子と4人の孫に恵まれたのはまさに奇跡と言っていい。そして間もなく5人目の孫が生まれる。

私は本当に、運だけはいい男だと思っている。

3人の息子たちを育て上げてくれた妻には、本当に頭が上がらない。このまま夫婦2人の静かな生活を、一緒に楽しんでいけたらと思う。

そしてもう一人感謝するとすれば、「林住期」を書いた五木寛之さん。3年前この本を読んだ時から、私の第二の人生が始まった気がしている。

「林住期」には「自分のやりたい事だけをやりなさい」というシンプルなメッセージが書かれている。これを読んで、私のライフスタイルは大きく変わった。

仕事上のどうでもいい付き合いは可能な限り減らし、自分の時間を意識的に増やしてきた。仕事の忙しさにかまけて中断していた「旅」を再開した。自分の行きたいと思ったところへ気軽に出かける。長期の旅行はまだ無理だが、3連休にはできるだけ旅行に出かけるようになった。それも自分なりの目的を持って旅に出かけ、その記録をブログに書き残す。これはいい習慣となっている。

多くの人に読んでもらおうというわけではない。自分の記憶がすぐ飛んで無くなるので、少しでも記録する癖をつけようとしているのだ。後から読むと、その時の情景が蘇る。もっと若い時からこんな習慣を続けていたら、もっと面白いブログになった事だろう。

でも、若い頃はそんな余裕はなかった。今だからできるのだ。それでいい。

明日の私の誕生日。

家族で集まり、夕食を共にすることになっている。

穏やかな心で、還暦の日を迎える。そんな幸せな今日の心境を、将来のために書き残しておきたいと思う。

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