死のブロック
ガイドは私たちを木製の門に導いた。ここから先は、女性収容者専用のバラックだ。
ビルケナウでは、エリアごとに収容される囚人の性別や民族を選別していた。女性収容所、男性収容所、家族収容所、ジプシー収容所・・・。
その中に「死のブロック」と呼ばれるバラックがある。
親衛隊がもはや労働に適さないと判断された女性たちがこのバラックに移され、ガス室に送られる日をただ待つのだという。
中にはよく映画などに登場する三段の蚕棚が並んでいた。
この1区画に5人が入れられた。板の上に藁を敷き縦に押し込まれた。
ビルケナウが建設される前のアウシュヴィッツでは三段ベッドだった。戦争が長引き、ユダヤ人絶滅の方針が徹底される中で、囚人たちの環境はどんどん劣悪になったのがわかる。
このバラックの外には可憐な草花が咲き誇っている。