<きちたび>中国南京の旅〜中国三大博物館の一つ「南京博物院」

🔶「旅したい.com」から転載

<中国>中国三大博物館の一つ「南京博物院」で中国四千年の歴史を体感する

🇨🇳中国/南京 2017年5月 3泊4日

南京は、北京、西安、洛陽と並ぶ中国四大古都の一つです。

その歴史は2500年にもなり、10の王朝が都を置きました。そんな南京の歴史を少しでも知りたいと思って「南京博物院」を訪れました。

中国の博物館は日本と違って原則写真撮影がOKなので、私が撮影した写真とともに中国三大博物館の一つ「南京博物院」の主な展示物をご紹介します。

入場無料でも入場券は必要

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土曜日の朝、地下鉄2号線に乗って、明故宮駅へ向かいます。博物館は駅から歩いてすぐです。

中国三大博物館の一つだというだけあって、広大な敷地にゆったりと6つの建物が建っていました。

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正門を入ってすぐ左手に「服务中心」と書かれた建物があります。よく見ると「サービスセンター」という日本語も添えられていて、まずここに立ち寄る必要があります。

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2013年に改修工事が終わったばかりということで建物はとても綺麗です。

正面のカウンターに行くと入場券のようなものをもらえるのですが、なんと入場は無料でした。

この券を受け取ったら、サービスセンターを一旦出て、敷地奥の赤い屋根の建物に向かいます。

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長い長い中国の歴史を知ることができる「歴史館」。

中国の博物館は、とにかく建物が巨大です。

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中に入ると、いかにも中国らしい色鮮やかな天井が迎えてくれました。

ここで入場券を渡して、展示室に入ります。

恐竜から漢字まで

展示室に入ると、いきなり恐竜の骨格標本がお出迎えです。

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日本ではあまり知られていませんが、実は中国は世界的な恐竜大国。最近では世界的な大発見の多くが中国でなされています。

私も中国の恐竜には興味津々なのですが、ここは科学博物館ではないので、恐竜の展示はごくわずかでした。

こちらは「南京人」の化石化した頭蓋骨の3D映像だそうです。

日本語の説明がないので詳しいことはわかりませんが、どうやら北京原人のような「古代南京人」がいたということらしいです。

「南京人」で検索してみると、日本語での説明は出てこず中国語のものはいくつか引っかかります。何が書いてあるのかわかりませんがごく最近の研究成果のようです。

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8000年から4000年前の新石器時代。土器の形がグラマラスでユニークです。

ここからは、展示品に沿って、学校でも習った中国の歴史を復習していきましょう。

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紀元前2100年から1100年の「夏商時代」。南京周辺エリアでも青銅器の時代を迎えました。

「夏」は中国の史書に記された最古の王朝です。日本では縄文時代に当たるのですが、その頃すでにこんな精巧な青銅器を作る高度な文明を持っていたことがわかります。

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紀元前1100年から671年は「西周時代」。

釣り師の呼び名として今日も使われる「太公望」はこの周の軍師でした。

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紀元前670年から306年の「春秋時代」。周の勢力が衰え小国が覇を競いました。

この時代から武器の展示が目立つようになります。

上の写真は「剣」。

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こちらは「戈(ほこ)」。長い柄の先につけて戦います。

同じ読みの「矛」は槍のように柄の先端に水平に取り付けるのに対し、「戈」は垂直に取り付けるのです。「矛盾」の「ほこ」は槍のような「矛(ほこ)」だということを知りました。

「呉越同舟」という言葉が残る「呉」と「越」が戦ったのが春秋時代でした。

そして孔子も春秋時代の人。乱世を憂い人間のあるべき姿を説いて諸国を歩いたのです。

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紀元前306年から223年の「戦国時代」。周の権威が完全に失われ戦国七雄という7つの大国が争う弱肉強食の時代となります。

武器も青銅器から鉄器に変わり、南京周辺のエリアは「楚」の支配下に入りました。

そして、その戦国時代を終わらせ中国を統一したのが「秦」だったのです。

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紀元前221年から紀元220年の「秦漢時代」。

秦の中国統一は始皇帝の死によってわずか15年で終わりますが、度量衡の統一、通貨の統一、万里の長城の建設など多くの改革を断行しました。

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そして始皇帝の死後、側近の暴政に立ち上がったのが司馬遼太郎の小説でも有名な項羽と劉邦です。

両雄の戦いの末、劉邦が建国した「漢」は以後400年間続きました。

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社会が安定する中で、文化も発展しました。

この牛の置物も素晴らしい完成度です。

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私のお気に入りだったのが、この豚小屋。

何とも愛らしい小品です。

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銀と玉でできた衣装です。この時代、壮大な陵墓が築かれ、埋葬の文化も発達しました。

私たちが使う漢字は、始皇帝が文字の統一をはじめ、漢の時代には「隷書」の形で整理されました。「楷書」や「草書」はその後「隷書」から派生したらしいです。

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三国時代から元まで

229年から589年の「六朝時代」、南京は大いに栄えました。

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「三国志」でなじみの深い三国時代、「魏」「蜀」と対抗した「呉」の孫権が、都を南京(当時の健業)に置きました。

以来、6つの王朝が続けて南京を都とし、街は大きく発展しました。

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「南朝480寺」と言われるほど仏教が隆盛を極め、江南の開発が進みます。

南京を中心に、風流な六朝文化が花開いたのです。

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581年から907年にかけての「隋唐時代」。日本ではようやく聖徳太子の時代となります。

遣隋使、遣唐使を送って、中国の進んだ文化を積極的に学ぼうとした時代でした。

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副葬品として作られた唐三彩。

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この頃になると、人物像にも動きが出てきます。

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中にはこんなユニークな作品も・・・。

ちょっと不気味ですが、頭は人間、体は魚です。一体何に使ったのでしょう。

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960年から1368年は「宋元時代」。

特に宋の時代には、精緻な作品が増えます。

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中でも私の目を引いたのが、陶器製の枕。痛そうですが誠に美しい。

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こちらも全て陶器製の枕です。「陶枕(とうちん)」と言うそうで、中国では古来から使われてきました。

様々な形があって面白いですが、どうして枕を陶器で作ったのでしょう?

ネットで調べると、首に当てて寝るとひんやりとして夏場には気持ちいいそうです。

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そしてこちらが元の時代。

チンギス・ハーンが征服し、フビライ・ハーンが世界最大の帝国を築きました。日本の鎌倉時代、2度の「元寇」は日本史上有数の大事件だったのです。

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勇猛果敢だった草原の征服者たちも、時間が経過するにつれ中国文化に牙を抜かれていきました。

こうした懐の深さこそが、中国文化の本当の強さだと思います。強い相手は自分の懐に引き込んで、時間をかけて体内で消化していく。5年10年という時間軸ではなく、100年200年という時間の中で物事を考える。気がつけば、征服者はいつの間にか溶解してしまい、後にはより多彩さを身につけた中国が残っているのです。

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世界のどこにもないそんな技を、中国だけが持っているのだ。

明清時代から中華民国へ

1368年から1911年にかけての「明清時代」。

この時代になると見慣れた工芸品が増えてきます。

比較的安定した政治体制の中で中国文化はさらに技術を磨き、世界の最先端を行く「宝」を数多く生み出しました。

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こうした品々に引き寄せられて、ヨーロッパ諸国が中国との交易を求めて海を渡って東洋へとやってくるのです。

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日本の工芸品の技術力もすごいと思いますが、あれは南蛮貿易で入ってきた中国の技術を、国を閉ざした江戸時代に独自に進化させたものでした。

お手本となった中国の技巧も、さすがに凄まじいものがあります。

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現代の中国人を日本人から見ると、ちょっと雑な印象を受けますが、こうした工芸品を実際に目にすると、中国人が持つ「ものづくり」の伝統が半端ないことがよくわかります。

改革開放に舵を切った中国が、またたく間に「世界の工場」の地位を揺るぎないものとしたのは、単に人件費が安かっただけではなく、古代から続く「ものづくり」の伝統があったことを思い知らされました。

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そんな輝かしい歴史を誇る中国も、清朝末期、列強の侵略によって忘れがたい「屈辱の時代」を迎えます。その「屈辱の時代」の最大の敵となったのが、不幸にも日本でした。

日清戦争での敗戦は、「アジアの盟主」中国にとって大きな屈辱であり、やがて辛亥革命、中華民国の成立へとつながっていきます。

「民国館」と「数学館」

中華民国に関する展示スペースは「民国館」という名称で呼ばれ、それ以前の時代を扱う「歴史館」とは区別されていました。

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「民国館」に入ると、それまでの展示スペースとはガラリと変わって、中華民国当時にタイムスリップしたような町並みを再現されていました。まるで日本の「池袋ナンジャタウン」や「横浜ラーメン博物館」のようです。

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若者や子供たちにはこちらの方が好評のようです。「楽しみながら学ぶ」という工夫では、中国の博物館は日本より一歩進んでいるように見えます。

日本の学芸員の人たちは、往々にして「博物館とはこうあるべき」という固定観念が強すぎるのかもしれない。写真撮影を許さない博物館が多いのも、今時どうかと思います。

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「中華民国」時代風の食堂では昼食を食べることもできます。

まだ時間が早いので空いていますが、博物館にこうした食堂があるときっと流行るでしょう。中国人は本質的に、日本人以上に資本主義的なのです。

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「数学馆」という施設もありました。

日本語で言うと「デジタル館」という意味らしく、CGなど最新の映像技術を使って歴史を楽しんで学ぶ施設のようです。

確かに様々な映像技術を使えば、子供や若者でも楽しみながら学ぶことができるようになります。こうした施設が日本でももっともっと増えて欲しいと思いました。

日本にも世界に誇る最先端技術がたくさんあるのに、もったいないことです。

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見所満載の「南京博物院」。入場無料でこれだけのコレクションを見られるのは世界的に見ても貴重だと思いました。

日本語の説明がないのが残念ですが、南京に来たらぜひ訪れて欲しい施設です。

「地球の歩き方」によるオススメ度は星2つでしたが、私のオススメ度は星3つです。

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