<きちたび>中国杭州の旅〜地下鉄と水上バスに乗って世界遺産「京杭大運河」へ

🔶「旅したい.com」から転載

<中国>杭州地下鉄と水上バスに乗って世界遺産「京杭大運河」への素敵な朝散歩を楽しむ

🇨🇳中国/杭州 2019年9月16日

黄河や揚子江を貫き、北京と杭州をつなぐ総延長2500キロにおよぶ「京杭大運河」が完成したのは、隋の時代、610年のことです。

広大な中国大陸の統一に大きな役割を果たしたと言われるこの大運河は、2014年、世界遺産に登録されました。

今も南北を結ぶ大動脈として活用されている大運河見物には、今年開通したばかりの杭州地下鉄5号線が便利です。

帰りはぜひ、大運河を走る水上バスに乗ってみてください。断然オススメです。

地下鉄5号線「大運河」駅

2泊3日の杭州滞在最終日。

せっかく杭州まで来たので、歴史の教科書で習った「大運河」を見てみたいと思い、早朝の地下鉄に乗ることにしました。

午前7時前、西湖に近い「龍翔橋駅」から1号線に乗ります。

中国の地下鉄は、改札の前に手荷物検査を受けなければなりません。

自動販売機で行き先までのクートン(プラスチック製の切符)を買い、自動改札機を通って駅に入ります。

次の「鳳起路駅」で2号線に乗り換え。

通路には、5Gの広告が出ていました。

中国では日本より一足早く、次世代通信5Gのサービスが始まっています。

「三坝駅」で、今度は部分開業したばかりの5号線に乗り換えます。

5号線のホームに行くと、こんな表示が・・・。

5号線もまだほとんどが工事中なのに、「3号線、6号線、7号線、10号線、16号線はまもなく開通」と書かれています。

何本もの地下鉄を同時並行的に建設し、できたところから部分開業していくのが中国流。スケールが日本とは違います。

地下鉄5号線はまだ部分開業したばかりなので、車両はとてもきれいで、とても空いていました。

降りるのはその名もズバリ「大運河駅」。

わかりやすいです。

龍翔橋駅から40分ほど、料金は5元(約86円)でした。

大運河駅は、床もピッカピカ。

ベンチも大理石でできていて、中国らしい風景画が描かれていました。

地上に上がります。

周辺は、真新しいマンションが立ち並ぶ住宅街のようです。

拱宸橋

大運河駅周辺は街路樹も植えられた美しい住宅街。

「橋弄街」という通りを東へ歩きます。

通り沿いには、ゲートで出入りを管理する高層マンション群が立ち並びます。

大通りを渡ると、一気に道幅が狭くなり、歩行者専用道路になっています。

「京杭大運河・杭州景区全景図」と書かれた案内板が・・・

世界遺産のシンボルマークも掲げられています。

中国語のほか、英語、日本語、韓国語で説明が書かれていました。

「杭州大運河の紹介」と書かれた日本語の説明文を読んでみると・・・

『北京-杭州大運河は、春と秋に切断する前に、歴史の2500年が経ちました・・・・』

???

おかしな日本語です。明らかに自動翻訳しただけで、誰もチェックしないまま使用したのでしょう。

さらに、続きます。

『世界最長の走行距離、エンジニアリングです最大かつ最古の人工運河、人々は偉大なプロジェクト、まだ生きている、人類の流れの重大な文化遺産を作成するために取り組んで古代中国です』

なんとなく言いたいことはわかりますが、ちょっと笑ってしまいました。

この一画は、「橋西歴史街区」として昔ながらの街並みが整備されています。

歴史ある薬局も店を構えていますが、朝早すぎてまだ店は開いていません。

そして通りの突き当たりにあったのは、杭州古橋の中で一番高く、一番長い「拱宸橋」です。

橋のたもとには「中国大運河」と書かれた石碑が・・・。

こちらが拱宸橋。

石で作られた橋で、まずは上りの石段が続きます。

橋の一番高いところまで登ると、眼下に京杭大運河がまっすぐに伸びていました。

橋の守り神でしょうか?

4頭の神獣が橋の前後を固めます。

大運河は水運の大動脈ですが、そのほとりでは人々の日々の暮らし営まれています。

朝の大運河では、おばさまたちが踊り・・・

おじさんが体操をしていたり・・・。

実に、のどかな光景です。

大運河を東側に渡ると、拱宸橋の全貌を見ることができます。

長さが92.1m、高さは16m。

かつては、大運河を下って杭州にやってくる皇帝を迎える北大門としても使われたそうで、そう言われると確かに単なる橋ではなく、門のようにも見えてきます。

水上バス乗り場

拱宸橋の少し北側に船着場のような場所がありました。

近くには、「水上公交1号線」と書かれた時刻表があります。

どうやら大運河を走る水上バスの乗り場のようです。

行き先の中に武林門という西湖近くの地名があります。ここまで水上バスで行けば何とかなりそうです。

少し時間がありそうなので、周辺を歩いてみます。

拱宸橋を望むベストスポットには、共産党を讃えるオブジェ。

八角堂では、老人たちがたむろしています。

24時間営業の自動図書館もありました。

そんな中で私が一番気になったのが、こちらの案内板。

こちらも自動翻訳の得体の知れない日本語訳がつけられているのですが、その内容はすべて注意や警告。

安全のために、守るべき規定集がびっしりと書き込まれていたのでした。

中国全土で徹底される治安対策とマナー指導。そのおかげで、近年中国人のマナーはかなり改善してきたとは思いますが、やはり息苦しさも感じます。

水上バス乗り場に戻って、ベンチに腰掛けて大運河を眺めます。

荷物を積んだ台船が列をなして大運河を北上していきます。

拱宸橋の下を台船が通り抜けていきます。

こうした橋がたくさんかかっているため、背の高い船は運河を走ることはできません。

水上バスがやってきました。

私の目的地とは反対方向の北に向かう船ですが、どうせ次が終点。

きっとこの船が折り返してくるのだろうと予想して乗ることにしました。

水上バスに乗る

水上バスの運賃は一律で3元(約50円)。

ほとんどの乗客はスマホ決済か、ICカードで支払いますが、それができない私のような観光客には紙の切符も用意されています。

ただ、お釣りはもらえないので小銭が必要です。

船内には、木製のベンチシートが並んでいます。

私は窓際の席を確保します。

水上バスは、決してスピードが速くはありません。

それでも荷物を運ぶ台船に比べれば速度が出るので、ゆっくりと追い越していきます。

隅田川の水上バスと似た感じですが、こうした台船と川岸の柳が中国の大運河を走っているという感慨を与えてくれます。

船は10分足らず北上して、終点の「運河天地」に到着しました。

予想通りここでUターンして、そのまま南に下るようです。

しかし、「全員降りろ」という仕草なので一旦船を降り、運河天地で待っていた客の後をついて再び水上バスに乗り込みました。

1元コインをすべて使い果たしていたので、仕方なく5元札を料金箱に投入します。当然、お釣りはもらえません。

こういう時のために、中国では常に小銭を用意しておかなければいけません。

乗客を積み終えると、水上バスはすぐに運河を下り始めました。

運河の水は、ひどく濁っていますが、臭いは特に感じません。

水上バスの前をたくさんの古タイヤをぶら下げた台船が走っていきます。

ところが・・・

橋の手前で多くの船が立ち往生していました。

一度に一隻しか通過できないため、のぼり下りが交錯して渋滞が発生したようです。

水上バスの運転手は激昂して、無線で怒鳴り散らしています。

結局、水上バスが台船の脇をすり抜ける形で、無事渋滞を抜けることに成功しました。

運河では水上バスに優先権があるようです。

船は定刻より少し遅れて拱宸橋の船着場に到着しました。

船の舳先に立った船員が巧みにロープで船を固定します。

先ほどまで誰もいなかった船着場に、多くの乗客が待っていました。

なぜか二胡を奏でるおじさんもいます。

こういうのが、不可思議な中国の魅力です。

船は、拱宸橋の下をゆっくりとくぐります。

うれしそうに、窓から写真を撮っているのは私一人。

あまり観光客は乗らないようです。

他の乗客にとっては日常の移動手段に過ぎないのでしょう。

視線はもっぱらスマホです。

でも、観光客にとっては、この水上バスは魅力的な乗り物です。

西湖の遊覧船ともすれ違います。

網を持って運河の清掃をする船にも遭遇しました。

昔の中国では考えられない清掃活動です。

美しい柳が川辺を彩ります。

柳って、風の流れを目で見られるのがいかにも涼やかです。

拱宸橋を出発して15分。

次の船着場「信義坊」に到着しました。

ここは小さな船着場らしく、パラソルが立っているだけです。

信義坊を過ぎると、街の中心部に近づいてきます。

橋の下に、「乾隆」の文字。

清の乾隆帝でしょう。

こちらの橋の橋桁には、人物像が置かれています。

壁画には、「元」の文字が描かれていました。

「杭州」の文字が見えてくると、目的地の「武林門」はもうすぐです。

左手に見えるのは、41階建ての「浙江環球中心ビル」。

この一帯は「西湖文化広場」として開発され、博物館や百貨店、映画館など様々な施設が設けられているそうです。

船を降りたのは、「武林門」の船着場。

水上バスはさらに先に行きますが、大方の乗客はここで下船します。

拱宸橋からは30分あまり、ここが街の中心部に一番近い船着場なのです。

武林門から今来た運河を眺めると、「千年古運河」と書かれていました。

確かに京杭大運河の歴史は1400年。

それが今も現役とは、驚きです。

武林門からぶらぶら歩いて、西湖を目指します。

地図ではさほど遠いとは思わなかったのですが、実際に歩いてみると40分ほどかかりました。

それでもまだ、朝の9時半。ちょうどいい朝散歩です。

杭州から足を伸ばして京杭大運河へ・・・結構オススメです。

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