🇯🇵 香川県/香川郡直島町 2024年5月14日~15日
外国人観光客に人気の瀬戸内海の島、直島。
歴史的な円安で日本を訪れる外国人が増える中で、直島の物価は時に日本の常識からは逸脱していると感じることがある。

たとえば外国人に人気のホテル。
直島をアートの島に変えたベネッセが運営する高級ホテル「オーバル」の宿泊費を見ると、1泊部屋代のみで16万円からという料金設定だ。
確かに写真を見ると瀬戸内海を一望する最高のロケーションのようだが、日本のホテルの水準からすると明らかに高い。
しかし、海外の有名リゾート地にある高級ホテルであれば、特別驚くような値段ではないことも私は知っている。

直島に旅行することを決め、宿泊予約サイトをチェックした時、この島の宿泊料金がかなり高いことを知った。
安く泊まれる施設はたいていバックパッカーが利用するようなゲストハウスで、リーズナブルなホテルというものがほとんど見つからない。
こうして、いくつかのサイトをチェックして、ようやく1軒のプチホテルにたどり着いた。

「HOTEL WRIGHT STYLE」
2018年にオープンしたばかりの小さなホテルで、部屋数は全部で9つ、「Booking.com」経由でスーペリアツイン朝食付きで1万2120円だった。
宿泊当日の朝、ラッキーにも1部屋だけ空いていた。

ホテルは2階建てで、どこか日本の住宅展示場にでも来ているような建物だった。
フロントもロビーもこじんまりしているものの、とても清潔でセンスの良いプチホテルである。

部屋は、普通のビジネスホテルよりもずっと広い。
豪華というわけではないが、ベッドもゆったりしていてとても快適に過ごすことができた。

部屋にはユニットバスとトイレが付いていて、やはり住宅メーカーが建てた家のようだ。
ゲストハウスでも1万円ぐらいすることを考えれば、このホテルの価格は直島では良心的と言えるだろう。

ホテルに荷物を置くと、私はすぐに車に乗り込み海辺に向かった。
夕暮れの瀬戸内海を味わうためだ。

夕日が落ちる瞬間には間に合わなかったが、直島の西海岸から眺める瀬戸内海はとても穏やかで、遠くに瀬戸大橋のシルエットを見ることができた。
海に来たら、どうしても夕暮れと朝の海が見たくなるのは元テレビマンの習性だろう。

再び車を走らせて、ベネッセのホテルが立つ南海岸にも行ってみた。
昼間は外国人で賑わっていたビーチもすっかり人影が消えていた。
空が青から黒に移り行くこの時間、私の好きな時間である。

私は車に積んでいたチェアを浜辺に置き、波の音と海風を感じながらしばし静かな時を過ごす。
対岸には四国、高松の夜景が見えた。
人間が作ったアートの島ではなく、自然が作り出した瀬戸内海の多島美を堪能して、完全に暗くなる前にホテルへと戻った。

夕食は、ホテルに併設されたイタリア料理店へ。
「直島パスタ REGALO」
去年4月にオープンしたばかりのお店で、客の多くは私と同じホテルの宿泊客である。
フランス人、ドイツ人、さらにはわざわざアルゼンチンから来たというご夫婦もいる。
まるで私がどこか外国を旅しているような錯覚を覚える。

多言語にも対応できるよう注文はタブレットで行う。
「瀬戸内魚のアクアパッツァ」にフォカッチャとデキャンタのワインを選んで3550円。
ヨーロッパの人にとっては20ユーロぐらいなので安く感じるだろうが、やはり直島の物価は少し高めだと思う。

アクアパッツァと白ワイン。
なかなかお洒落なディナーだが、これだけではまだお腹が満たされない。
追加のフォッカチャを注文し、さらにはパスタも頼んでしまった。

「ゴルゴンゾーラのクリーム仕立て ペンネ・リガーテ」(1580円)
どれも美味しかったが、結局会計は5000円を超えてしまった。
一人旅の晩御飯としてはちょっと予算オーバーである。

一夜明けて、早くに目が覚めてしまったので、朝日を拝みに再び車を走らせる。
ホテルから本村方面に数百メートル走ると、目の前に海が広がっていた。
この日は空に雲があり、鏡のように穏やかな海に映り込んでいた。

午前5時20分、ちょうど朝日が昇ってきた。
道端に車を停めて、じっと朝日が昇るのを眺める。
海沿いの道をジョギングする男性のほかは誰もいない。
多くの観光客が宿泊しているはずの直島だが、瀬戸内海に昇る朝日を眺めるために早起きしようという人はまだまだ多くはないようだ。

ありがたいことに、朝食は宿泊代に含まれている。
朝食会場は前夜ディナーをいただいた「REGALO」だった。
チェックインの際に予約した朝8時半に行く。

こちらがホテルの朝食。
日替わりのワンプレートスタイルで、ドリンクやご飯などを自由に加えることができる。
予想していたよりも豪華版である。

ワンプレートには、3種類のパンのほか、ハムとゆで卵、野菜サラダ、そして小鉢が1品。
この日はシチューのようなものだった。

ベネッセの高級ホテルに泊まってアート三昧もいいけれど、リーズナブルなプチホテルに泊まって美しい瀬戸内海を眺める方が私には向いているようだ。
「HOTEL WRIGHT STYLE」と併設の「REGALO」。
私のような行き当たりばったりの旅行者にはオススメである。
「HOTEL WRIGHT STYLE」
住所: 香川県香川郡直島町518ー2
電話:087-813-2533
https://wrightstyle.jp/