快晴の金曜日、妻を誘って久しぶりに都心に出かけた。

目的地は日本初の近代的洋風公園「日比谷公園」。
来月訪れるフィリピン関連の記念碑が2つ、この公園内に建てられていることを知り、自分の目で確かめに行くためだった。
JR有楽町駅から歩いて数分。
日比谷のランドマークだった帝国ホテルの建て替え工事も始まっていて、周囲の景観も徐々に変わっていく。
近くの霞ヶ関駅で地下鉄サリン事件が起きてから30年。
テレビではオウム真理教関連の特集企画が放送されている。

せっかく都心まで来たので、何かちょっと変わったランチでも食べようと、銀座方面に歩く。
選んだお店は、多種多様な飲食店が立ち並ぶ銀座コリドー街の一角にある老舗のトルコ料理店「イスタンブールGINZA」。
1988年に創業した日本初のトルコ料理店である新宿「イスタンブール」の3号店として2008年にオープンしたお店だそうだ。

店の外壁は美しい紋様タイルで装飾され、とてもチャーミングだ。
看板には「世界三大料理・トルコ料理の老舗」と書かれていた。
日本ではあまり馴染みはないけれど、世界三大料理とはフランス料理、中国料理、そしてトルコ料理を指すとされる。
アジアとヨーロッパの食文化が融合したトルコ料理は、オスマン帝国の隆盛とアラブ商人の活躍と共に世界各地に広まった。

店内に入ってまず目につくのは、壁を覆い尽くす鮮やかなタイル。
図柄はチューリップである。
チューリップといえばオランダが有名だが、その原産地はトルコ系遊牧民が支配していた中央アジアで、トルコ民族の移動とともに西アジアさらにヨーロッパへと広がっていった。

ナスだけでも300種類以上の料理があるとされるトルコ料理。
ランチタイムでもグランドメニューから好きな料理を注文することができるが、簡単なのは4種類用意されたランチメニューから選ぶことだ。
私は定番の「ケバブ&ライス」、妻はカジキマグロを使った日替わりランチを選ぶ。
値段はスープ、サラダ、ドリンク付きで1320円である。

注文するとすぐに、日本語がとても達者な店員さんがスープとサラダを運んできた。

この日のスープはレンズ豆のスープ。
世界の5大健康食品に含まれるヨーグルト、オリーブオイル、そしてこのレンズ豆はトルコ料理でよく使われる食材だそうだ。
味はマイルドでとても健康的。
普段セットメニューのスープはほとんど飲まない妻も珍しくこのスープは美味しそうに飲み干した。

野菜サラダもフレッシュでとても美味しい。
肉のイメージが強いトルコ料理だが、実は多くの野菜やフルーツを使うのも特徴だ。
このサラダに使われているドレッシング、まさに私の好みである。

スープとサラダを食べ終わった頃、メインの料理が運ばれてきた。
私の選んだ「ケバブ&ライス」。
ケバブは中東を代表する肉料理で、串に刺した肉や魚を焼いたものの総称である。
遊牧民が羊肉を剣に刺して焼いて食べたのがルーツと伝えられる。

この店のケバブは串から外され、独自のソースがかけられている。
肉は牛肉を使用しているという。
個人的にはケバブは癖のある羊肉が好みだけれど、添えられたヨーグルトソースをつけながらいただくと文句なく美味しい。
やはり日本人には羊肉よりも牛肉の方が受け入れられやすいのだろう。

そしてボール状に丸められたライスだが、何かが混ざっている。
何かの種かなと思ったが食感が違う。
店員さんに聞いてみると「シェリエリ」というトルコの短いパスタなのだそうだ。
トルコでは米を白米のまま食べることはなく、バターなどを混ぜたピラフとして食べるのが一般的だという。

妻が注文した日替わりランチはカジキマグロのクリームソテー「クレーム・ソースル・バルック」。
クリームソースを使った料理ではあるが、あっさりしていてくどさがない。
色鮮やかな野菜との取り合わせで美しい一皿である。

そして食事の最後を締めるのは、トルコ紅茶の「チャイ」である。
チャイといえばインドの甘くて濃厚な紅茶を思い浮かべるが、トルコのチャイは無糖で、小さな角砂糖を入れて把手のないグラスの上部を持って飲む。
トルコといえばトルココーヒーが有名だけれど、トルコ人の紅茶消費量はあのイギリスを上回っているとの統計もあるらしい。

東京都心にはやはり魅力的なお店がある。
ランチを終えて暖かな気候に誘われるように銀座を散歩しながら東京駅まで歩いた。
気持ちのいい春の午後。
また時折、都心まで足を伸ばしてお気に入りのお店を開拓したい。
食べログ評価3.48、私の評価は3.60。
「イスタンブールGINZA」
電話:050-5595-2857
営業時間:11:30 - 15:00/17:00 - 22:00
定休日:年末年始
https://istanbul.co.jp/