昨日は妙にイタリアンな気分だった。
「昼、パスタにしようか?」と妻に提案すると、「なら外に食べに行った方が美味しいんじゃない」と珍しく妻の方から言った。
夫婦の間で「いつか行こうね」と合意しているまだ訪問したことのないお店がいくつかあって、妻はその店を提案した。

ハモニカ横丁にある小さなイタリアンレストラン「トラットリア・ピアットフレスコ」。
「Piatto Fresco」とはイタリア語で「新鮮な皿(料理)」という意味だそうで、猥雑なお店が集まるこの横丁に美味しい正統派イタリア料理を提供するお店として安定した人気を誇っている。
何度か入りたいと思って行ってみたが、いつも満席。
今日は満を持して、図書館帰りに立ち寄りオープンの前から並んで待つことにした。

開店の20分前に到着したので、さすがに誰もおらず、ハモニカ横丁もまだ死んだようにシャッターが閉じられていた。
仕方なく、店の前に置かれていた看板などを眺めて時間を潰す。
イタリアから取り寄せた美味そうなハムやチーズの写真を見ているだけで、頭の中がますますイタリアの色に染まっていく。

11時半、店の入り口が開くと若いオーナーシェフが出迎えてくれた。
店内は、厨房に面したカウンター3席と反対側の壁沿いにカウンター4席。
小さなお店なので、シェフが1人で調理も接客も対応する。

目の前に並ぶイタリア産の食材。
どうしてどれも美味しそうに見えるのだろう?
シェフはイタリアでの修行経験もあり、帰国して地元だった吉祥寺に自分の店を構えたそうだ。

美味しそうな前菜やバーニャカウダ、ピザなどもいろいろあるようだが、今日は最初から気分がパスタなので、この日のランチメニューにある6品のパスタから選ぶことにする。
- ニンニクとイタリア産唐辛子を使った辛味のあるアラビアータ
- オリーブ、ケッパー、アンチョビを使ったプッタネスカ
- フルーツトマトとイタリア産リコッタチーズを使ったスパゲッティ
- アサリとミニトマト、イタリアンパセリのヴォンゴレビアンコ
- ブロッコリーとアンチョビ、パルミジャーノのプリエーゼ
- 肉厚椎茸とイタリア産カラスミを使ったスパゲッティボッタルガ
上の3つがトマトベース、下の3つがオイルベースである。

この中から、私が選んだのは「オリーブ、ケッパー、アンチョビを使ったプッタネスカ」(1300円)。
今日はほとんど迷うことなく即決だった。
真っ白なお皿にうずたかく盛られた赤いパスタ・・・まさに今日のイメージ通りである。

ランチのパスタにはもれなくパンがついてくる。
目の前の厨房でフライパンを使ってパンを温めているのも見えていたので、ますます美味しそうに感じてしまう。
オリーブオイルに塩は入っていないので、お好みで卓上に置かれた塩を使う。

せっかくなので、グラスワインもいただこう。
「トスカーナロッソ」(700円)。
軽めの口当たりでコッテリしたパスタにはちょうどいい。
希望すればワインリストもちゃんと用意されているようだ。

狭いお店でしかもカウンターなので、全部お皿が並ぶといささか卓上が混み合う。
でも、問題なし。
赤ワインをひと口飲んでからパスタをいただこう。

パスタを口に運ぶ。
甘酸っぱい旨味が口の中に広がる。
いやはや、まさに今日食べたかったパスタそのものだ。
「プッタネスカ」とは「娼婦風のパスタ」という意味らしく、ナポリの名物料理である。
オリーブとケッパー、アンチョビの組み合わせはイタリア人が発明した魅惑の味だと思う。

タネが抜かれたオリーブがゴロゴロ入っていて、最高に美味しい。
これほどその日の気分にピッタリの料理にありつけることは滅多にないので、これだけでもう言うことなしだ。
吉祥寺でこれまでに食べたパスタの中でも最高ランクと言っていいだろう。

ちなみに妻が選んだ「ヴォンゴレ・ビアンコ」(1500円)も、ひと口分けてもらったが、これまた美味しかった。
とはいえ、今日の気分は圧倒的にトマトソースだったので、私の舌と脳裏にこの店の「プッタネスカ」がしっかりと深く刻まれた。
他のメニューもいろいろ試してみたいけれど、今度来た時もまた「プッタネスカ」を注文してしまいそうである。
食べログ評価3.35、私の評価は4.00。
「トラットリア・ピアットフレスコ」 電話:0422-23-3585 営業時間:11:30~15:00 / 18:00~22:00 定休日:月曜ディナー、水曜 https://www.instagram.com/trattoria_piatto_fresco/