図書館に行ったついでに、ランチを食べて帰ることにした。
吉祥寺図書館があるヨドバシカメラ裏は吉祥寺の中ではちょっと寂しいエリアだが、ランチタイムには行列ができるお店も多い。

そんな行列を横目に私は選んだのは「ブルームーン」。
古い雑居ビルの2階にオープンして今年でもう20年になる多国籍料理を出すカフェバーである。

古い階段を少し上がると、突き当たりに入り口がある。
ちょっとポップで、ちょっと怪しげな雰囲気だ。

しかし、店内に入ると驚く。
天井を異国調の布が覆うアラビアンナイトのような空間である。

なんと言っても目を引くのは、この大きなランプシェード。
「これって、トルコですか?」と尋ねると、「いえ、モロッコです」との答え。
「なるほどモロッコですか」と言いながら、そのランプシェードのある大きなテーブルに腰かける。
いやはやこれは、インパクトがある。

室内を見渡すと、いろいろな国の家具や小物が置いてある。
エスニック調のものが多いが、アメリカインディアンの飾りや英国風の椅子など、まさに多国籍。
窓からは気持ちの良い風が薄暗い店内に吹き込み、私好みの心地よい音楽が流れている。

カフェバーということで、カウンターの向こうには多国籍にお酒が並んでいる。
こんな空間で「モヒート」とか飲んだら気持ちよさそうだ。
吉祥寺にいることを忘れ、どこか異国を旅しているような錯覚を覚える素敵な空間。
「ああ、このお店、マジで好きだ」と思った。

さて、このお店のランチメニュー。
4つの料理から1つを選び、サラダとドリンクとデザートがついて1100円である。
「タンドリーチキン」か「焼きカレー」かなと思いながら、「どれが人気なんですか?」と聞くと、「オムライスです」と意表をつく答えが返ってきた。
「ふわふわ卵のチーズオムライス」。
なるほど、それならお言葉に従ってオムライスを食べてみよう。

注文が決まると、すぐにサラダが運ばれてきた。
「ボイルチキンと豆腐とバジルのサラダ〜タイ風ドレッシング〜」
見た目はさほど美しくないが、酸味が効いていて美味しい。
「この酸味はなんですか?」と尋ねると、「レモンをたっぷり絞って酢も少し加えています」とのことだった。
プラス250円で、前菜として「タイ風揚げ春巻き」をセットに加えることも可能のようだ。

サラダを食べ終わるとすぐにオムライスが運ばれてきた。
「ふわふわ卵のチーズオムライス」
カラフルなお皿に盛られた色鮮やかな一品である。

「このお皿はどこのですか?」と聞くと、再び「モロッコです」との答えが。
これはいかにもインスタ映えしそうで、女の子たちに人気なのも理解できる。

卵の下に隠れているのは、「マサラ風味のバターライス」。
味がしっかりしていて、これだけ食べてもとても美味しい。
「本日のローストした野菜」が添えてあって、今日の野菜はズッキーニだった。

そしてバターライスの上に乗っている卵にスプーンを入れると、中からチーズが溶け出してきた。
「ふわふわ卵のチーズオムレツ」の名前にふさわしいふわふわ感と濃厚なチーズの旨味が口の中に広がる。

さすがお店の一番人気だけのことはあり、見た目だけでなく味の方も期待を遥かに超えていた。
私はすっかり、この店が気に入った。

食後のドリンクは、コーヒーならホットでもアイスでも追加料金なし。
私はプラス50円で「チャイ」を選んだ。
クリームソーダやワインは+300円、トルコのりんごティーや生ビールは+350円など、ランチだとドリンク各種がおよそ半額で飲めるらしい。
そしてデザートは「にんじんとバナナとカルダモンのパウンドケーキ」。
気持ちのいい音楽を聴きながら、ゆっくりとチャイとデザートを楽しむ。
お客さんも少なかったので、我が家にいるようなとても心落ち着く時間を過ごすことができた。

メニューを眺めていたら、日曜日にこの店でイベントをする人を募集していた。
もし仲間を呼んで何かイベントでもやる時には、このお店のことを思い出すことにしよう。
コロナで海外旅行に行きにくい昨今、いいお店を見つけた。
食べログ評価3.40、私の評価は4.00。
「CafeBar Bloomoon」 電話:0422-22-6171 営業時間:ランチ平日11:30~15:00 土日11:30~15:30 ディナー17:30~21:00 土曜のみ17:30~22:00 定休日:月曜